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LIVE REPORT

GEKIROCK TOUR Vol.10 -DAY2-

2014.05.24 @吉祥寺CLUB SEATA

小林 詩央里

日取りが変わり、2日目のオープニング・アクトには、ノルウェー人女性ヴォーカル、Ingerを擁する新世代エレクトロ/スクリーモ・バンド、SALTY DOGが登場。ステージ中央に立ち会場を見渡すIngerからワクワクしている様が伝わってくる。ザクザクとしたギター・リフから始まる「Screams Within」では観客を指さして煽るギター、KENTとベース、TOMOYAの姿に感化された会場のヴォルテージが一気に急上昇し、NEMESANの派手なドラム・ソロなども手伝い、肩を組んでサークルを作るキッズの姿も見受けられた。そしてどこまでもキャッチーなメロディが自然と耳を震わせる「Goodnight, Cruel World」まで、一気に駆け抜け今の彼らの勢いを見せつけてくれた。

VJを投入し、SEATAに設置された4つのスクリーンで独自の世界観を描くのは、映像と音を融合させるサイバー・コア・バンド、sever black paranoiaだ。ヴォーカルの野太いシャウトから、「Genesis 4:7」が始まると既にフロアにはウォール・オブ・デスが出現。そのジャンルレスで様々な音楽性を取り込みまくったサウンドは、モノクロを基調とした幾何学的な映像によりまさに"サイバー"な世界観を造り上げる。"ちょっとクラブっぽく踊ってみようか"という「SSRI」ではボコーダーのかかったヴォーカルでも遊びつつ、メロディには時折J-POPのノリも感じられる。ラスト曲「Illuminate Your Light」まで計7曲のセットリストで会場を包んでくれた。

今回の出演バンドの中では極めてクリアなサウンド、歪んだギターとゴリッとしたベース、そこに乗るエモーショナルなピアノで始まる「NEVER SAVE YOU」で幕を開けたSilhouette from the Skylitのステージは、出演バンドの中では正統派ロックを奏でるという点が逆に大きなアイデンティティになっていたかもしれない。タテノリでEDMテイストなカヴァー、「California Gurls」では自然とハンドクラップが起き、「Parallel Lines」はイントロが始まった瞬間歓声が沸き起こる。ヴォーカル、SeshiroXの伸びやかでストレートな歌も会場に新鮮な空気を運んでくれ、終始観客に寄り添うような温かい空気を感じることができた。

会場を包んだ爽やかな空気をいい意味でぶち壊したのは、名古屋発のミクスチャー・バンド、ヒステリックパニック。登場したメンバーの出で立ちがすでに尋常ならない雰囲気を醸し出していたが(シャウト・ヴォーカルのともは甚平を纏いおもちゃの刀を携帯)、その演奏のハチャメチャっぷりもやはり半端ではなかった。冒頭からベースのスラップが冴え渡り、般若心経をスクリーモに落とし込んだ配信限定シングル「般若」では、どこかおどけた調子を含む高音ヴォーカルと凶悪なスクリームでフロアの熱気はぶち上がる。RED HOT CHILI PEPPERSのカヴァー「Around The World」も見事に自分たちの色に染め上げ、ヒスパニ節を効かせてプレイ。終盤ではこの日1番のウォール・オブ・デスも発生し、楽曲にもパフォーマンスにも現れていた"遊び心"満点のステージで、圧倒的な個性を味わえる空間であった。

ヒスパニの登場で気もそぞろな場内を引き締めるかのごとく登場したのは、ジャパニーズ・ハードコアの重鎮Crystal Lake。「Twisted Fate」のイントロが鳴った瞬間、すでに飛び跳ねたりモッシュを始める観客も見受けられ、それまでのバンドとはまた異質な昂揚感が伝わってくる。美しいギターのアルペジオからヘヴィな展開でたたみかける「Open Water」や、展開を慌しく変化させる、シャウト気味のクリーンも非常にスタイリッシュな「Endeavor」等、いちいちグッと胸に迫るそのステージはとにかく"カッコいい"。彼ら独特のタメのあるブレイクダウンも非常に気持ちのいいグルーヴを生んでおり、首を縦に動かさずにはいられない。キャリアあるバンドとしての別格感を存分に発揮する一幕でイベントを彩ってくれた。Ryoの熱いMCも健在で、"攻めろ!守るな!"という言葉で、タガが外れたように暴れ楽しむ人の姿も印象的なワン・シーンであった。

2日目の日本勢ラスト・アクトとなるのは、3度目のGEKIROCK TOUR参戦であるa crowd of rebellion。これまた他のバンドにはとてもマネできないツイン・ヴォーカルと、忙しなく曲調の変化する楽曲で唯一無二の世界観で人気を博し、そのパフォーマンスをお目当てに来た観客も多そうである。冒頭からフロアのテンションはマックスで、展開てんこ盛りの「Black Philosophy Bomb」ではフロア中の人が入り乱れ、めまぐるしく変わる展開にも皆しっかりとついていく。7月リリースのアルバムより披露された新曲「This World Is Unreasonable.」は初めて聴くリスナーも多いだろうが、そうとは思えないくらいサビでの観客のヴォルテージの上がり方がはっきりと感じられた。シンガロングの練習をした上で披露された「O.B.M.A」のサビでは、後方の観客まで手が挙がり、会場の気持ちの繋がりを感じさせられた。DANGERKIDSの出番前として、最高の雰囲気を築きあげたのではないだろうか。

そしてこの日のDANGERKIDSは、登場したときの雰囲気から1日目とは大きく違う。たった1日で凄味が増したように感じるメンバーの佇まいには驚かされた。演奏も初めからフル・マックスで、1日目以上の迫力に"どちらも観れて良かった!"と素直に感じることができた。

両日通して計12バンドが出演されたこのツアー、他の場所では味わえない唯一無二の企画としてラウドロック・シーンの礎になるべく奮闘中。次回の開催も着実に進行しているので、発表を楽しみにしていて欲しい。

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