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LIVE REPORT

SUMMER SONIC 2013

2013.08.11 @QVCマリンフィールド、幕張メッセ

山本 真由

ZEBRAHEAD

もし温度計なんか持ってたら、途端に具合悪くなってしまっていたかもしれない。それくらいヤバい酷暑の1日の、それも最も日の高い正午過ぎに、炎天下のマリンスタジアムでのライヴって、このバンドでなければ盛り上げられなかったかも。そのバンドとは勿論、サマソニ最多出演記録を絶賛更新中の、名物シマウマ男たち!ZEBRAHEADのことだ。 私は、お隣ISLAND STAGEのレポートから遅れて駆けつけたために、前半戦を見届けることが出来なかったのだけれど......。後から、友人にゼブヘのライヴについて聞いたところ、どうやら今年はスペシャル・ゲストとして、バブルの象徴・岡本夏生がハイレグ姿で登場するという一幕もあったのだそうだ......。一昨年のゼブヘのステージには(Get Nice!とゲッツをかけて)ダンディ坂野もゲスト出演しているし、今回も新作のイメージに合ったゲストを登場させたということか(笑)。毎度のことながら、彼らのサービス精神には頭が下がる。お決まりの下ネタMCも更なる日本語ボキャブラリーが加わって、(ちょっと方向性は間違ってるかもしれないけれど。笑)その勉強家っぷりを発揮していた。 サイコーなアゲアゲ・ナンバー「Mental Health」、からの「Postcards From Hell」では、これまたお決まりの"すわってクダサーイ"のパフォーマンスもきっちり入れ込んでいた。「Get Nice!」では、ファンもそんな彼らの熱演に答えるようにタオルをぶんぶん回して夏フェスらしい盛り上がりをみせた。そんな中、"これは東京だけだよ"とMattyがミスチルの「シーソーゲーム」を披露!これには、暑さに疲れ切ったファンもまたまた元気を取り戻してしまう。その後も、L'Arc~en~Cielカヴァー「READY STEADY GO」とAvril Lavigneのカヴァー「Girlfriend」をメドレーで勢いよく演奏し、「Playmate Of The Year」、「Anthem」という、休む間もないセットリストで駆け抜けた。 過酷を極めた条件下で、ダレることなく渾身のパフォーマンスを届けたそのプロ意識は、流石!!新メンバーのギタリスト・Danの日本でのお披露目ライヴでもあった今回。バンドとして、今を楽しむ姿勢がビンビンに伝わってくるステージで、夏の風物詩ZEBRAHEADの健在を見せつけてくれた。

HOT CHELLE RAE

今、最も勢いのあるイケメン・バンドといえば?答えは幾つかあがりそうだが、間違いなく、このバンドもその1つ。1stアルバム『Lovesick Electric』でエモ界の新星として注目を浴びてから約4年......HOT CHELLE RAEは、2ndアルバム『Whatever』で大ブレイクし、今や本国アメリカのみならず世界のティーンから絶大な支持を得るアイドル・ポップ・バンドになっている。そんな彼らを一目見ようと詰め寄せた熱狂的な女性ファンを中心に、MOUNTAIN STAGEは満員御礼の大盛況となった。 この日は、その2ndアルバムから、ヒット・チューンばかりが飛び出し、彼らの人気の高さを再確認することが出来た。まずは、アルバムのタイトル曲「Whatever」で登場、続いてメガ・ヒット・ナンバー「I Like It Like That」ではラップも披露し、フロアを沸かせた。ヴォーカル・Ryanの安定感のある歌唱力もさることながら、クールにきめつつしっかりとした演奏とコーラスでまとまりをみせるNash、Ian、Jamieも、メンバー全員かなり大バコ慣れしている印象だ(しかも、全員イケメン!)。盛り上がりも極まった「Downtown Girl」では会場全体で大合唱に。さらには新曲も披露され、「Radio」ではドラム・ソロ、ギター・ソロという見せ場もあり、黄色い絶叫もMAXに!続く「Honestly」もほぼCD通りのきっちりした演奏と、ライヴならではのファンの歌声の響く盛り上げ上手なアレンジ、アコギが優しく響く「Why Don't You Love Me?」はしっとりと歌い上げ、アップ・テンポの「Beautiful Freaks」で再びオーディエンスを踊らせ、最後はこれまた代表曲「Tonight Tonight」でシメるという粋なセット!フェスの短い持ち時間では物足りないというようなファンの大合唱に、"アイシテル、TOKYO―!"というRyanの満面の笑みで幕とした。

BIGMAMA

国内の人気バンドが多く出揃ったRAINBOW STAGEに登場した、BIGMAMA。バイオリン×ポップ・パンクという、唯一無二の存在は、最早パンクという域を超えたロックの新次元に目標を定めているように見えた。 この日のライヴでも、ドヴォルザークの交響曲第9番「新世界より」をモチーフとした「荒狂曲"シンセカイ"」をはじめ、オリジナリティ溢れる楽曲を存在感たっぷりに演出。彼らの基礎でもある、洋楽ポップ・パンクの疾走感とスタイリッシュさはそのままに、エモーショナルな日本語の詞世界と昭和歌謡の哀愁を漂わせたメロディが、和製ロックにマッチして、絶妙なアンサンブルを生み出していた。そして、オーディエンスも暴れて楽しむというよりは、その曲そのものの世界に浸っているようで、きちんと音楽を聴きながら楽しんでいるように見えた。金井(Vo/Gt)が、"この暑さの中、1日音楽を楽しみに来ている皆さんが最高です!"と言っていたのも納得の、清く正しいフェスの楽しみ方、という印象だ。 発表したばかりの新曲「alongside」も、まさに今の彼らを象徴するような前向きで向上心に溢れた爽やかなメロディで、この日初めて彼らの音楽に触れたリスナーにもきっと好印象であったに違いない。"良い曲作って、またサマソニに出たいと思ってます。"そんなMCからは、次に狙うはメイン・ステージという野心も感じられ、大きな会場でものびのびと演奏を楽しむ彼らの姿は、フェスのステージすら小さく感じるほどに大きく、まだまだこれからの成長を期待させてくれる。 かつては、YELLOWCARDと比べられがちだった彼らだが、エモやポップ・パンクという殻を破り、もっとナチュラルに、もっと自由に、自分たちのロックというカテゴリーを確立しつつあるようだ。ライヴは真面目に聴き入ったけど、とりあえず、バイオリンの真緒ちゃんのミニ・スカートは眩しかった(笑)。夏ですね......。

TOTALFAT

DJ ダイノジが、滅茶苦茶に盛り上げまくったその後には......。ZEBRAHEADとそろそろタメをはるくらい、サマソニの常連バンドとなっているTOTALFATが登場!親日家の外タレみたいな揃いのハチマキをしてお祭り仕様の彼は、ハナからいつも通りの血管ブチ切れそうなテンションで、まずは夏の定番「Summer Frequence」を披露。やっぱりTFは、夏フェスが似合うお祭りバンドだ!そして、ダイノジが掟破りのフライングでかけていた(笑)、我らがパーティー・アンセム「PARTY PARTY」の本家本元ヴァージョンが、さらに盛り上げる。新作『SEVEN LIVES』収録の新曲「Room45」も夏にぴったりの爽快明快なパティー・チューン。これだけ毎年ライヴの定番曲となるようなキラー・チューンを産出できるメロディ・メイカーとしての才能はさすがとしか言いようがない。 これまで、毎度毎度耳にタコが出来るほど聞いて来た"このステージに立つのが自分たちの夢だった"的なMC。今回は、"これまで夢として語ってきたけど、こういう大きいステージに立てなかった仲間たちの魂を背負っている"という、確信に満ちたコメントに。ここにきてやっと、自分たちが立つステージへの自覚というか、自信を感じるようになったということだろうか。確かに、今回のライヴは、過去の定番曲にとらわれず、比較的新しい曲中心のセットで勝負に出た印象だ。個人的には、良い曲いっぱいあるんだからもっと幅広くやれば良いじゃん!と思ってしまうのだが、ステップ・アップしていく彼らにとっては、現在進行形のTOTALFATを届けたいという思いがあったのかもしれない。 シメはやっぱり「Overdrive」。メジャー・シーンに新たな活躍の幅を広げた彼らを象徴する、ストレートなポップ・パンク・ソングだ。毎年様々なジャンルのアーティストが注目を浴びるSUMMER SONICで、ロックが好きでロックを聴きたくてRAINBOW STAGEに集まったキッズにとっては、TOTALFATのライヴを選んだことは大正解となっただろう。

MUSE

今年のサマソニを締めくくるに相応しいヘッド・ライナー、MUSE!思えば2006年、今年と同じくMETALLICAが初日のトリを務めた翌日、LINKIN PARKが最終日のヘッド・ライナーを務めた同じステージに出演していたMUSEが、今年はその役を担うこととなった。あの年は、私もまだ学生でアルバイトでサマソニのスタッフをやっていたから、よく覚えている。あれから7年!彼らの雄姿をかつてとは違った立場から見ることが感慨深い。 それらしいSEを流して観客の期待を煽るでもなく、いきなりギターの轟音と共に登場した彼ら。格好良すぎるでしょう!1曲目は「Supremacy」。荘厳なドラムと神秘的なMatthewのヴォーカルが響きわたり、一気にMUSEワールドがスタジアムを包んだ。ステージのバックに映像を流す、スタジアム・ロックならでは演出は、これまでのバンドも多々利用して来た手法だが、彼らはその映像も独自の世界観を表現する1つの手段として、曲とマッチさせたアーティスティックなビジュアルを起用し、最大限に活用していた。MUSEの存在は、アートだ。パワフルでありながら繊細で緻密な音のマチエールによって、世相や人間の心理を描写する、というよりは塗りつぶす、強靭な絵筆という印象だ。 グルーヴィでセクシーな「Supermassive Black Hole」では、曲に合わせて体を揺らすオーディエンスでアリーナが波打ち、神秘的な光景が広がった。Matthewも、ジャンプしたりステージを走り回ってノリノリのご様子。軽快なダンス・チューン「Panic Station」では、モンスターたちが映像に乱入し、こちらもノリノリで共演! ギターのノイズすら美しく聴こえる「Interlude / Hysteria」は、オルタナティヴ・ロック史上最高峰とも言える名曲だ。ライヴでの爆音プレイは特に中毒的で、聴く者を別次元に連れていく強力なパワーを発揮していた。続いて静かな鼓動で始まった「Follow Me」では、曲の盛り上がりに合わせて煌びやかなレイザー・ライトが会場を照らし、ド派手なスモーク噴射で盛り上げ、ドラマティックな楽曲の展開に華を添える。作り込まれたステージ効果はそれだけにとどまらず、彼らの新境地とも言えるデジタル音楽との美しい融合を果たした「Madness」ではリリックを大画面に映し、サウンドと同期した視覚表現で、ここでしか味わえない感動を共有させてくれた。さらに、「Stockholm Syndrome」では、バンド・アンサンブルの轟音のせめぎ合いと、天から舞い降りたような美メロの奇妙な共演で、ライヴは一気にクライマックスへ!一際ヘヴィな「Yes Please」へとなだれ込む。 ここで一旦、メンバーはステージから居なくなり、何かから必死に逃げる人々......というSF映画のような「The 2nd Law: Isolated System」のミュージック・ビデオが流れる。そして、その映像が終わると共に再びメンバーが登場し、「Uprising」!Chrisのベースが真っ赤に光るスペシャル仕様になってるし、ここにきてまだまだ盛り上げるのか。観客を楽しませるギミックが満載だ。続く「Starlight」ではハンズ・クラップが響き、Matthewは自由奔放にその状況を楽しみ、「Survival」でファンは絶叫し、饗宴は興奮を極めた。 そして、ライヴは終幕するのかと思いきや、ステージには巨大ロボット(デザインはかなりチープだが、それがまた不気味!笑)が登場!「The 2nd Law: Unsustainable」のサウンドに合わせて動き回るというとんでもないサプライズが。ラストは「Knights Of Cydonia」を聴きながら、恒例の花火を楽しむことが出来るというなんとも計算ずくな締めくくりだった。 完璧過ぎて隙のない彼らのライヴは、何処か異世界に置き去りにされたような喪失感すら覚えるが、その特異体験は、また味わいと思える不思議な魅力を持つ。来年20周年を迎えるMUSEが、その節目にどんなスペシャルなサプライズを用意しているのか、今から楽しみでならない。


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