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LIVE REPORT

lynch.

2013.08.24 @SHIBUYA-AX

Writer 荒金 良介

lynch.の新作『EXODUS-EP』が8月14日にリリースされたが、その約1カ月前の7月13日から北海道を皮切りに、TOUR'13「THE NITE BEFORE EXODUS」と題された9カ所に渡る全国ツアーが開始された。つまり、今回はツアー中に新作がドロップされるという形になっている。そのツアー終盤にあたるSHIBUYA-AX 2デイズのファイナル公演に足を運んだ。今日の公演では既に『EXODUS-EP』はリリースされていることもあり、多くのファンが聴き込んでいる真っ最中という時期かもしれない。

開演時刻18時を数分回ると、1曲目は今回のツアー会場限定シングル『ANATHEMA』収録の「I'm sick,b'cuz luv u.」(音源は再録バージョンで収録)で始まった。メイクも施した葉月(Vo)、そして、玲央(Gt)、悠介(Gt)、明徳(Ba)、晁直(Dr)を含めてメンバー5人が黒い衣装でビシッと決め、バンド一丸となって攻め込んでくる。さらにド派手な照明が激しくフラッシュを繰り返し、ステージ後方には金網状のセットが組まれ、まるでlynch.対観客による音楽の格闘技的なムードが漂っていた。それから新作『EXODUS-EP』から「EXODUS」と「ASHES」を続けて披露し、漆黒のヘヴィネスと華やかな美メロが際立った攻撃力を放つ。"声を聞かせてくれ!よく集まってくれたな。こんな小さいライヴハウスは初めてだ!"と葉月は語りかけた。ぎっしり詰まったフロアの凄まじい盛り上がりを見て、思わず"小さなライヴハウス"と例えたくなったのだろう。新曲のリアクションも上々で、違和感なくセットリストに溶け込みながら、新しい風も確実に吹き込んでいた。4曲目「MIRRORS」ではイントロから観客が頭を左右に振り、中盤はシンガロングが会場に響き渡り、序盤からバンドとフロアがガチンコでぶつかり合う沸騰ぶりだった。中盤には再び新作からサビの抜け具合が最高な「VANISH」、会場限定シングル収録の超ヘヴィな「HIDDEN」を挟み、グルーヴィーかつ展開もかっこいい「INVINCIBLE」と畳みかけた。妖艶な雰囲気に引き込まれる「an illusion」の後、新作の中で唯一ミドル・テンポで悠介が作曲した「BE STRONG」がここで披露される。Pay Money To My PainのK(Vo)に捧げた楽曲で、その柔らかなタッチのメロディが胸に奥に沁み込んでくる。もう、涙腺が緩みそうになるほど感動した。

後半戦はさらにトグロを巻くアグレッシヴ・モードに入り、本編ラストの「NIGHT」まで鮮やかに突っ走った。アンコールで再びバンドが姿を現すと、葉月が約10分間に及ぶ長めのMCをした。このSHIBUYA-AXは日本一好きな場所であること、今年はZeppツアーを行うこと、新作『EXODUS-EP』が好成績を収めたこと、今年9月にはまた制作に入り、来年音源を出す予定があることなど、ここに集まったファンを喜ばせる報告が次々と語られた。音源&ツアーと多忙なスケジュールが続くが、それもlynch.の今の勢いやエネルギーの高ぶり具合を証明していると思う。結局この日はWアンコールにまで応え、またライヴが始まったばかりのようなパワフルな演奏で観客を焚きつけ、約2時間のライヴを無事終えた。最初から最後まで、いい意味で気の抜けない、緊張感が渦巻く壮絶なパフォーマンスだった。本当に今のlynch.は過去最強にして最狂のプレイを見せている。今年も来年も絶対に目が離せない! 

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