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LIVE REPORT

SUMMER SONIC 2013

2013.08.10 @QVCマリンフィールド、幕張メッセ

沖 さやこ

マキシマム ザ ホルモン

37度を超える灼熱の中、5分押しでステージに現れたマキシマム ザ ホルモン。SEが流れるとアリーナからもスタンドからも大きなクラップが巻き起こる。 マキシマムザ亮君が「What's up, people?!」のイントロのギターを弾くと同時に大きな歓声が。血管がブチギレそうなほどの衝撃波を放つサウンド。アリーナ前方ではヘドバンの嵐、熱いシンガロング。バンドの演奏をもかき消すのではないか?と思うほどの情熱的なクラップは、筆者がいた2階スタンドも同様だ。 続いては7月末にリリースされたばかりのニュー・アルバム『予襲復讐』から「便所サンダルダンス」。亮君、ダイスケはん、ナヲの3人のヴォーカルがコミカルに響くキャッチーな楽曲で、そのカラフルさはライヴ映えも半端じゃない。ダイスケはんのスクリームも絶好調で、バンドの音を力強く牽引する。 ナヲが"何この暑さ!?"と言うほどに、この日の気温は本当に尋常ではなかった。"取り敢えず、死なないで"とオーディエンスに釘を刺すと、"今日のテーマは、生きねば"と、ユーミンの「ひこうき雲」をアカペラで披露するという一幕も(笑)。そこからお馴染みの"三度の飯よりー!""飯が好きー!"のコール&レスポンスを挟み「シミ」。限界ギリギリで攻め続けるもダイスケはんが"こんなもんか今日のサマソニは、全てこっちにぶつけてこい!"と煽り「ぶっ生き返す!!」。上ちゃんのスラップ・ベースも情熱的に響き、亮君のギターのキレキレ度も最高潮。改めて絶大な威力を持つキラー・チューンであることを再確認した。 「my girl」「「F」」と更に加速し、"今からみんなの本気を見たいです。クレイジーなニッポン見せられるか!?"とナヲが叫ぶと「恋のスペルマ」。バンドがYouTubeで公開した"FES等におけるLIVEのノリ方講座"動画の影響もあってか、オーディエンスは両手を左右に振り、モッシュ・ピットにはあちらこちらにサークルが出現。そして曲のラストでは、ステージ正面からホルモン特製スペルマが飛び出す演出も。 "ラストはド派手に踊れるこの曲だ!"と「恋のメガラバ」。スタンドの上まで踊りに踊る、まさに踊らにゃそんそんなお祭り感は圧巻の一言。ステージも客席も体当たりで激突する痛快な時間。クレイジーなニッポン、見せていただきました!

BULLET FOR MY VALENTINE

14時を回ったマリンスタジアムはとにかく蒸し暑い。ほのかにそよ風が吹いていたのが何よりの救いだ。この気が狂うくらいの暑さの中で、クールかつ情熱的にキメてくれたのはBULLET FOR MY VALENTINE。荘厳なSEからメンバーが登場し、Moose Thomas(Dr)の高速ツーバスが炸裂する「Breaking Point」でライヴはスタート。 「The Last Fight」でMatthew Tuck(Vo/Gt)が"Tokyo!"と声を上げると、観客は大きな歓声でそれに応える。MVなどでリーゼント風の髪型をしたMatthewを見たときは驚いたが、改めてこうしてステージで見てみると非常にフレッシュで、夏の屋外にもよく合う。 力強いギター・リフ、確固たる芯のある重厚感のあるサウンドがマリンスタジアムを制圧すると、高速のイントロのインパクトが絶大な「Scream Aim Fire」へ。サビでのコール&レスポンスも痛快。みるみるうちにアリーナには観客が増え、Matthewがジャンプを促すとそれに合わせてフロアも揺れる。叙情的なモードから壮大に広がる音像が美しい「P.O.W.」。切ないメロディと生々しい情感が滲んだ4人の音――この曲をスタジアムという場で体感できることを心から幸福に思った。 その後もBFMVは緊張感を保ち、ペーズを崩さず己の道を突き進む。凶悪なシャウトに身震いする「Waking The Demon」、「Your Betrayal」と、脳天をブチ抜くようなギターと威圧感のあるリズム隊が耳に心に攻め込んでくる。Matthewが英語でオーディエンスに感謝の意を伝えるとあたたかい拍手が。「Riot」のギターは嵐を巻き起こすように襲いかかり、間奏の迫力には心酔した。 ラストは「Tears Don't Fall」。胸を切り裂くようなマイナー・コードと、情感豊かな4人の音が、スタジアム一帯を染め上げた。気温の暑さとは一線を画した、気迫と存在感のあるステージング。8曲とは思えぬ濃度だった。

FALL OUT BOY

このバンドはもっと大きくなるのだろう――。既にアメリカのBillboardチャートで初登場1位に輝くビッグ・バンドではあるのだが、ロック・リスナーだけではなく、国境を越え老若男女に受け入れられる、そんな懐やスケールの大きさを感じさせるステージだった。 まず1曲目の「Thriller」。Patrick Stump(Vo/Gt)の豊かな歌声と、美しいメロディが夏の暑さを巻き込むようにエネルギーを放出する。まっすぐ突き抜ける楽器隊の音色も閃光の如く美しい。そこからスピード感のあるラウドな「I Slept With Someone in Fall Out Boy and All I Got Was This Stupid Song Written About Me」へ繋げる。 彼らの再始動を歓迎するように、アリーナには数多の観客が集結。低域が効いたダンス・ビート風のドラムに高揚する「The Phoenix」。歌心溢れるロックンロールに合わせ、アリーナでタオルが回る光景も圧巻だ。「Sugar, We're Goin Down」ではイントロから大歓声が。Pete Wentz(Ba)が"Say Yeah!"と観客を煽ると、アリーナ、スタンドからは"幸せだ"といわんばかりに声が溢れ、大きく響いてゆく。 Patrickがハンドマイクで歌う一幕もあった「Dance, Dance」。FOBの大幕がバックにあるだけのシンプルなバンド・セットが、より4人の存在感を引き立てる。"I Don't Care!"のコール&レスポンスが痛快な「I Don't Care」、横揺れの心地よい楽曲でオーディエンスは思い思いに音楽を楽しみ、その自由度から生まれる一体感は各々が非常に自然体だった。 Peteが"Clap your hands!"と叫び、既にバンドの巨大アンセムとなった「My Songs Know What You Did in the Dark (Light Em Up)」へ。シリアスさを漂わせるクールな音像と観客のシンガロングの融合は圧巻だ。「Thanks Fr Th Mmrs」「Saturday」とパワーを切らすことなく駆け抜けた。最後はPeteがステージを降り、フロアぎりぎりまで迫り写真を撮るというファンにとって非常に嬉しい場面も。彼らの魅力を存分に感じられた幸せな50分間だった。

LINKIN PARK

だいぶ日も傾いてきた17時前、4年前のSUMMER SONICではヘッドライナーを務めたLINKIN PARK。彼らのステージを見ようと集まったオーディエンスで、アリーナもスタンドもほぼ満員だ。 1曲目はMike Shinoda(Vo/Gt/Key)のキレのあるラップと、Chester Bennington(Vo)のシャウトに息を飲む「A Place For My Head」。2人の気迫に溢れる声が重なることで生まれる緊張感はやはり半端じゃない。強靭なスクラッチに叙情的かつシリアスな音色の「Papercut」も、2人の声の持つ力に動けない。耳を劈く低音は体を縛り上げるように攻撃的だ。 Mikeがギターを弾きChesterがメイン・ヴォーカルを務める「Given Up」に続いて、Mikeがキーボードに徹する「New Divide」ではイントロから大歓声が湧く。Joe Hahn(DJ)がスクラッチとミックスで音を作り「With You」へ。Mikeのラップとドラムがリズムを刻み、そこに切り込むスクラッチが冷ややかだ。目の前に拳を突きつけられるような張り詰めた空気。このグルーヴがたまらなく心地よい。 一転してラウドな音像と繊細なリフやメロディの「Somewhere I Belong」は、オーディエンスに寄り添うように優しく響く。曲が終わり、Mikeがポケットからカンペを取り出し"サマーソニック ニ カエッテコレテ ウレシイ"と片言ながらに日本語でMCをすると、観客は嬉しそうに歓声を上げる。若干音が散っていたので筆者の場所からはMCが聞き取りづらかったのだが、モニターに大きく映し出された彼の笑顔と、カンペにたくさん書かれたアルファベットの羅列がとても嬉しかった。そしてやはり彼がギターを抱えてラップを刻む姿は、ミクスチャー・ロック世代の筆者としては(近年のバンドではあまり見られないのもあり)アガらずにいられないのだ。 1stアルバム収録曲「Points Of Authority」、「Waiting For The End」のやわらかさに若干眠りに誘われそうにもなる。「Breaking The Habit」「Castle Of Glass」「Leave Out All The Rest」とグッと聴かす曲が続き、気づくと辺りはだいぶ夕暮れに。照明も映える時間帯になり、より観客の熱気も上がる。「Lost In The Echo」、「Numb」などでオーディエンスを突き動かし、代表曲のひとつである「Faint」では最高潮のテンションに達した。 再びカンペを取り出したMikeが"キョウハ キテクレテ アリガトウ"と言い、ラストは「One Step Closer」。キラー・チューンの応酬、そしてデビューから13年という歴史、今もなお第一線で活躍する彼らの見せる景色はやはり特別なものだった。

METALLICA

2006年のSUMMER SONICのヘッドライナーはLINKIN PARKとMETALLICAだった。その2組を1日で、それも2組連続で見ることが出来るとは、なんて贅沢なのだろうか。 辺りは完全に暗くなった19時過ぎ、METALLICAの4人がMARINE STAGEに登場した。今から30年前にリリースされたデビュー・アルバム『Kill 'Em All』の1曲目「Hit The Lights」をまず投下すると観客は勿論大歓声で喜びを表現する。Kirk Hammett(Gt)の早弾きも、Lars Ulrich(Dr)の高速ドラムもひたすら強力で、鮮やかに響く。まったく手抜きなしに音を出す4人だが、どの音も埋もれることなくしっかりと存在している圧倒的な演奏力だ。 続いての「Master Of Puppets」ではフロアからシンガロングが。ひとつひとつの音が全てハートに刺さるようだ。何があっても揺るがない鋼の音像に心酔する。直球なのに異常。小細工は一切なし。阿吽の呼吸という次元ではないほどに強固なアンサンブルは見事としか言い様がない。「Holier Than Thou」「The Four Horsemen」と更に加速し、アリーナには大きなサークルが出来上がる。 Kirkの超絶テクニックの応酬とも言えるギター・ソロを挟み、ハード・ロック・ナンバー「The Day that Never Comes」。スマートに次々と展開される楽曲世界に前のめりになる。ヘヴィでミディアム・テンポの「Carpe Diem Baby」に続いての「I Disappear」ではコール&レスポンスやクラップも。大きな歓声が湧いた「Sad But True」の終盤はJames Hetfield(Vo/Gt)がギターを歪ませオーディエンスを更に熱くさせる。 すると間髪入れずにRobert Trujillo(Ba)のソロ・タイムへ。5弦ベースを巧みに操る彼の手元が巨大スクリーンに映し出される。「Welcome Home (Sanitarium)」からインスト曲である「Orion」へ。楽器の音だけで長尺のここまで魅せることが出来、かつそれが人気曲になるバンドも本当に稀有だろう。James、Kirk、Robertの3人が並んで演奏する場面には思わず胸が熱くなった。壮大なミディアム・ナンバー「Nothing Else Matters」、クラップと大歓声が巻き起こる「Enter Sandman」で本編を締め、"Oh Yeah!?"というコール&レスポンスの熱狂のなか幕を閉じた。 アンコールでは「Creeping Death」「Battery」を披露するも、"まだ足りない!"と必死にアプローチするオーディエンス。Jamesは右の人差し指で左手首を指し"時間がもうないだろ?"のジェスチャー。だがオーディエンスはめげずに声を上げ続ける。観客のリアクションを見ながらギターを抱えるかと思いきや下ろす......というフェイントを何度も繰り返すという茶目っ気たっぷりのJames(笑)。"Beautiful Tokyo, Beautiful"と感慨深く告げると名曲「Seek & Destroy」。どこからともなくMETALLICAのロゴ入り巨大ビーチボールが出現しアリーナを埋める。JamesとKirkの速弾き合戦も圧巻だ。 演奏後も名残惜しそうにステージへ残るメンバーは1人ずつ感謝の弁を述べた。ステージ中央にて4人が肩を組むと、アリーナからもスタンドからも大きな拍手が起こった。彼らがステージから去った後には、サマソニ恒例の大花火。初日のラストに相応しい美しい景色に、しばらく拍手と歓声が鳴り止まなかった。
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