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激ロック | ラウドロック ポータルサイト

LIVE REPORT

激ロックPresents FUZZY CONTROL×ASHLEY SCARED THE SKY Premium Gig

2013.08.01 @代官山UNIT

Writer 山口 智男

FUZZY CONTROL

ライヴの開始を待っている観客に1組でも多くのバンドを知ってもらうことを目的にビデオも使いながら、激ロックCREWのDJが国内外のバンドの曲をプレイする中、ステージに登場したのは本日のトップバッター、FUZZY CONTROLだ。 紅一点ドラマーを擁する3人組。オルタナ以降の感性を持ちながら同時に70年代から脈々と続いているトラディショナルなロックからのインスピレーションも感じさせるロック・サウンドと確かなテクニックに裏打ちされた鉄壁のアンサンブルが日本のロック・シーンにおいて、彼らの存在を際立たせてきた。 そんな彼らのライヴはファンにはお馴染みの「モナリザ」でスタート。客席から手拍子が起こると、JUON(Vo/Gt)がエモーショナルなギター・ソロをたっぷりと聴かせ、客席をさらに沸かせた。 "今日は新曲のオンパレード。ついてきてくれ"というMCどおり、イントロから2ビートにテンポ・アップする展開が痛快な2曲目の「The way you decide」以降は全て9月4日にリリースされるニュー・アルバム『ROCKS』から新曲を披露。こういう場合、リリース前の新作からはリード曲あるいはシングルを1曲、披露することがほとんどだと思うのだが、観客に敢えて全5曲中4曲も新曲をぶつけたバンドの心意気に拍手を贈りたい。 そこには新曲中心のセットでも絶対、盛り上げてみせるという自信があったのかもしれないし、新曲を1日でも早く聴いてもらいたいという想いもあったのかもしれない。ともあれ、この日、彼らが披露した新曲はどれもヘヴィかつテクニカルなサウンドの中に歌謡曲やJ-POPにも負けない魅力を持った歌がしっかりと息づき、筆者が1番惹かれたのもそこだった。『ROCKS』は活動10周年を迎えるアニーバーサリー・イヤーにふさわしい力強い作品に違いない――3人の熱演がそれを確信させた。最後に緊張感に満ちた演奏とは逆に曲間のMCに滲む飾らない人柄が会場の雰囲気を和ませていたこともつけ加えておきたい。

ASHLEY SCARED THE SKY

さて、セット・チェンジを兼ねたDJタイムでは、観客を巧みにのせるDJプレイがFUZZY CONTROLが作った熱気をASHLEY SCARED THE SKY(以下ASTS)のライヴにつなげた。 エレクトロ使いも巧みなゴリゴリのスクリーモ・サウンドを武器にライヴ・シーンでめきめきと頭角を現してきた4人組。彼らは9月25日『Thanatophobia』と題したEPでメジャー・デビューが決定している。もっとも、だからと言って、何が変わるわけではない。MCでKentaro(Vo)も言っていたようにラウド・ミュージックをこよなく愛する彼らのことだから、これからもラウド・ミュージックでしか表現できないものを追求しながら、自分たちがメジャーのフィールドで活動することによってラウド・ミュージック・シーンをより一層盛り上げていこうと考えているに違いない。ステージを左右に動き回り観客にアピールしたMoo(Ba)をはじめ、いつも以上に気合の入った演奏からはそんな想いも窺え、ファンもバンドの熱演にサークル・ピットで応えた。 終盤、FUZZY CONTROLのJUON(Vo/Gt)と幼馴染みであることを明かしたJulian(Gt/Vo)が今回、偶然、彼らと同じレコード会社に所属することになった感慨を語ると、バンドはJulian曰く"パーティー野郎である彼(JUON)のために"ヘヴィにアレンジしたLMFAOの「Party Rock Anthem」を披露。そのまま人気曲の「The Prayer」になだれこむと、最後は彼らのライヴの定番でもある腕立て伏せで熱演を締めくくった。スタンディング・フロアーにいる観客が曲のブレイクダウンに合わせ、一斉に腕立て伏せする光景はいつ見ても壮観なのだった。
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