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LIVE REPORT

MUCC

2013.03.30 @NHKホール

MAY-E

去る3月30日~31日の2日間に渡って、NHKホールにて開催されたMUCC Tour 2013 "Shangri-La"のファイナル公演。目を見張るほどの視覚的演出が巧みに組み込まれたこのファイナル公演は、アルバム『Shangri-La』をさらに鮮烈に印象付けるものだった。大歓声に包まれる中、アルバム『Shangri-La』の1曲目に収録されているメタルコア・ナンバー「Mr.Liar」でライヴはスタート。昨年末に行われたMUCC Tour 2012 "Shangri-La"と同様のオープニングであるものの、VJスクリーンを駆使したこの日の公演は、過度な演出を控えてバンド感を前面に押し出した2012年のツアーとは対極の見せ方であったのが面白い。
「茫然自失」という懐かしいナンバーは煌びやかな照明で新たな命が吹き込まれ、軽やかなドラミングではじまる「G.G」はメンバーの後方に設置された巨大なスクリーンに廃墟が映し出され、まるでビデオ・クリップからメンバーが浮き出てきたようだった。観客の大合唱が響き渡る中、"土曜だね。楽しんで帰ろうか!"と逹瑯が煽ると、会場にさらなる一体感が生まれた。

ビデオ・クリップのコラージュやライヴ・ショットをはじめ、夜空や月、青空、それとは対照的な無機質な素材などが、曲に合わせてかわるがわるスクリーンに映し出される。6つに分割されたそのスクリーンは上下左右にも動くので、1曲の中でもみるみる表情を変えていくのだ。この演出は「アルカディア featuring Daishi Dance」などクラブ・ライクな楽曲には特によくフィットしていたし、壮大なバラード「MOTHER」などは、上質なロック・コンサートと呼びたくなる趣さえあった。ひとたびライヴハウスでプレイすれば、客席はモッシュやダイヴも飛び交うなどメタル/ハードコア系のライヴさながらの盛り上がりをみせるMUCCだが、コンサート・ホールという特性を生かした"見せるショウ"も彼らにとってはお手の物。"ホールでのシャングリラも、なかなかいいもんだね!"そんな逹瑯の言葉に、思わず大きく頷いてしまう。
最新アルバム『Shangri-La』は、ひとつとして同じタイプの曲がない。現在進行形で進化を続けるMUCCの音楽を多角的に捉え、余すところなく詰め込んだ作品だ。同じツアーでも、2013年と2012年で演出方法をまったく変えるというのも、今作のアルバムの仕上がりに相応しい面白い試みだったと思う。そして、これはロック・バンドの中でも極めて柔軟な音楽性を持ち合わせている彼らだからこそ成しえたライヴであったと言っても過言ではないだろう。

アルバム『Shangri-La』の楽曲を中心に組み込まれたセットリストは、本編17曲、アンコール4曲を含む計21曲。4カウントで観客が一斉に飛び上がるという見せ場がある「蘭鋳」など彼らのライヴではお馴染みの楽曲や、逹瑯が仕切る痛快なMCタイムももちろん用意されていて、全席指定とはいえ、いつものライヴのような楽しさもいっぱいに詰め込まれた贅沢な時間だった。
興奮冷めやらぬ終演後、2DAYS CIRCUIT 2013 "Hypnos & Thanatos"という新たなツアーの開催がアナウンスされた。10月12日の高松公演を皮切りに約2ヶ月をかけて、各地で2デイズずつライヴを行いながら日本をサーキットするという、またとない企画である。演出ががらっと変わるとか?はたまた、セットリストが違うとか?ここにもまたサプライズを仕掛けてくれるに違いない。
さて、彼らは近いところだと5月12日に幕張メッセで開催されるOzzfest Japan 2013への出演が決定している。日本初開催とはいえ世界に誇る超大型メタル系フェスで『Shangri-La』の楽曲がどんな風に鳴らされるだろうか。開催まであと1ヶ月、期待して待ちたい。

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