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LIVE REPORT

MY CHEMICAL ROMANCE Japan Tour 2011

2011.02.06 @横浜アリーナ

Writer MAY-E

09年振りの来日公演となるジャパン・ツアー。東京会場に選ばれたのは、なんと横浜アリーナ、しかも2デイズである。私が足を運んだのは、その2デイズ目となるジャパン・ツアー最終日だ。

定刻から20分が過ぎ、いよいよメンバーがステージに登場。

新作『Danger Days』からのリード・トラック「Na Na Na」でエネルギッシュにショウはスタート。いわずもがな会場ひとつになって「ナナナ」の大合唱が沸き起こる。これは楽しい。続いて「Give'Em Hell,Kid」と懐かしのナンバーをプレイ。客席前方は一気に湧きあがり、荒々しくもエネルギッシュなマイケミの姿に二度目の興奮を覚えたところで、なんと早くも「Welcome To The Black Parade」が披露された。ピアノのイントロが流れた途端、歓喜の声が上がる。コスチュームは着ていなくとも、スポットライトに照らされたジェラルドの拳を振り上げる姿は、とても勇ましく、そして微笑ましかった。

真っ赤なライトに照らしだされる「Mama」など『The Black Parade』の感動を思い起こさせる演出を挟みつつも、『Danger Days』からガレージ調のロックンロール・ナンバー「Vampire Money」やポップでダンサブルな新機軸「Planetary(GO!)」などが次々に投入されていく。

そんな風に、壮大なコンセプトで成り立つ『The Black Parade』の楽曲も、アルバムから一旦分解され、新作『Danger Days』を含むMCRの過去作の楽曲らとともに、20曲のセットリストとなって新たに編成されているのだ。09年のサマソニでのショウもそうであったが、少しばかり奇妙な感覚である。ただ、そんな感覚さえかき消されるほどのパワーがそこにあった。約90分のショウタイムを持ち前の曲の強さでグイグイと引っ張っていく、儚くも迷いのないパワーが。

アンコールでは日の丸をステージに掲げ、人気曲「Helena」をプレイ。盛り上がりは、やはり別格だ。私がいたスタンド席からも歓喜の声と大合唱が響いてくる。ジェラルドは曲中、客席に投げキッスまでしてみせた。昔はこんなことする人じゃなかったのに(笑)。そういえばGerard Wayの歌い方(発声法)も、昔とは少し変わったみたい。

彼らが立つステージは、こんなにも大きくなってしまった。アリーナの後方からステージを眺め、あんなにも遠い存在になってしまったんだと、勝手に感傷的になってしまったりもした。だけど、ロック・ヒーローらしからぬどこか危なげなバンドの姿は昔と何も変わっていない。舞台がどれだけ大きくなろうとも、MCRはこれからも変わらぬ姿を私たちに見せてくれるはずだ。

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