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LIVE REPORT

Taste of Chaos 2010

2010.01.22 @ZEPP TOKYO

ENDLESS HALLWAY

ENDLESS HALLWAYライヴレポート まずはロサンゼルスのニュー・カマー、ENDLESS HALLWAY。 近未来メタル・バンドだとかスクリーモ・バンドなどと呼ばれることが多いようだが、その他のメタル~スクリーモ・バンドらと一線を画しているのが、オルタナティヴ~グランジの影響を色濃く感じさせる音作りとメロディだ。これをスクリーモとするならまさしく"新種"。細身の体にスキニーなんていうイマドキな雰囲気がありながら、早くもオリジナリティを確立しているバンドだと言えるだろう。 オールドスクールなコーラスを盛り込んだハードでダイナミックなサウンドを基軸に、FOO FIGHTERSのような男気溢れるアグレッション、Kurt Cobainを彷彿とさせるしゃがれ声、時折RADIOHEAD譲りの浮遊感までも演出してみせたりと、ライヴの最中にもバンドの影響源と思わしき断片は各所に散らばっている。NIRVANAのカバー曲「Breed」をプレイしたことは決定打。 となりのトトロのテーマ曲と思わしき「私は元気~♪」というフレーズや、エヴァの「残酷な天使のテーゼ~♪」などMCの度にアニソンを口ずさむなど・・・興味深いバンドが現れた。

(MAY-E)


CKY

CKYライヴレポート 続いては、ペンシルバニア州出身のが登場。 最新作『CARVER CITY』(09年リリース)にて、ロードランナー・レコーズからようやく日本デビューを果たしたのだが、1998年にバンドを結成して以来10年以上の長い活動の中、彼らの来日を待ち望んでいたファンは決して少なくなかったようで、MCになればオーディエンスから"CKY!CKY!"という熱いコールが飛び交う。 メンバー個人でいえば20年近いキャリアを持つバンドだ、テクニカルなギターとリズム隊のうなりが生む、メタル・バンドならではの重厚なグルーヴ感が堪らない。ステージから発せられる濃密な音の塊が、終始フロアを圧倒していた。taste Of CHAOSというよりEXTREME THE DOJOな雰囲気でいっぱい。短い持ち時間ながら、トリのバンドにも引けをとらない風格を見せつけた。

(MAY-E)


ATREYU

ATREYUライヴレポート 98年、カリフォルニア州オレンジカウンティにて結成されたATREYU。昨年10月にリリースされた5thアルバム『Congregation Of The Damned』は、好調なセールスを記録した07年リリースの『Lead Sails Paper Anchor』よりもセールス的にはふるわなかったものの、ダークな歌詞と共に、それまでの彼らの大きな魅力の一つであったヘヴィなサウンドを取り戻しつつ、『Lead Sails Paper Anchor』を通過したATREYUだからこそ作り得る、一級品のポップなメロディを持ち合わせた、正にATREYUの集大成とも言える素晴らしい作品であった。 この日のライヴのセットリストは全13曲。『Congregation Of The Damned』から4曲、『Lead Sails Paper Anchor』から4曲、『The Curse』から3曲、『Suiside Notes And Butterfly kisses』から1曲、『A Death-Grip On Yesterday』から1曲と、全てのアルバムの曲が楽しめる選曲となっていた。

まずは最新作『Congregation Of The Damned』の1曲目である「Stop! Before It's Too Late And We've Destroyed It All」からスタート。拳を振り上げながらサビを一緒に歌うフロアを見て、『Congregation Of The Damned』はきちんとファンに浸透しているのだということを確認出来、嬉しい気持ちになった。「Becoming The Bull」では、それまでのギターの音の小ささと、全体的な音のバランスの不安定さが落ち着き、演奏も安定した。どんどん熱狂の渦が大きくなっていくのがわかった。「Ex's And Oh's」では初のクラウド・サーフが。そして、激ロック・DJパーティーでもよくセレクトされる「When Two Are One」。大きくリズムが乱れたり、Alexが少し不安定だったものの、この無敵のアンセムで踊り狂わないわけがない。MOTLEY CRUEを彷彿とさせるシャッフル・ナンバーの「Falling Down」から、「Bleeding Mascara」への流れ方はお見事!

ATREYUライヴレポート
そしてライヴ後半戦。Brandonの短いドラム・ソロを挟み、メロデスのようなリフの「You Were The King,Now You're Unconscious」、そして「The Crimson」では、Marcがステージででんぐり返し!DanとTravisも、負けじと大きく動く。そんなステージ上のメンバーと同じくらいのテンションで挑むフロアの熱は、「Doomsday」で大爆発した。そして、筆者が『Congregation Of The Damned』で一番好きな「Gallows」。せつない哀愁が漂うメロディと、ハードコア要素とヘヴィメタルの要素が見事に調和した素晴らしいナンバーだ。「Right Side Of The Bed」、そしてデビュー作である『Suiside Notes And Butterfly kisses』の「Lip Gloss And Black」。大きな盛り上がりで、大団円を迎えた。

何よりも感動したのは、Dr&VoであるBrandonの歌のうまさ。このジャンルのバンドでは音源よりもライヴの方が歌がうまいなんていうことはそんなに多くないと思うのだが、Brandonは音源と全く同じレベルで、最初から最後まで歌い上げた。これでドラミングに崩れがなければ完璧なのだが、それを求めるのは酷というものだろう。ATREYUでドラムを叩くということは、普通のバンドと違って、キック、スネアひとつ叩くのにも倍くらいのパワーを使っているのだろうから。Alexはシャウトしながら、バンドのアジテーターとしての役割をきっちり果たしていて、とてもかっこよかった。さすがに結成から12年、地道にツアー活動を続けてきたATREYUだけあって、盛り上げ方もうまいし、ATREYUを知らないであろうリスナーにも訴えかけるだけの、バンドとしての大きなライヴ・パワーを感じることが出来た。お世辞抜きにとてもいいライヴだった。

(KAORU)


IN FLAMES


IN FLAMESライヴレポート
さあ、待ちにまったIN FLAMES。ステージ上にはDaniel(Dr)が登場。沸き上がるオーディエンス。会場に響き渡る「Cloud Connected」のイントロのSE。オーディエンスは更に一段上の熱狂を見せる。まだ上があったのか。まるで、○倍界王拳みたいだ。

ステージ上には一切のアンプを置いておらず、ちょっと不思議な光景。しかし、所狭しと暴れまわりながらヴォーカルをこなすAndersの存在感がその光景の異様さをむしろ見易さへと変える。バンド全体の音のまとまりもこれまでのどのバンドよりも力強く、まるで塊のようにフロアにエネルギーを吹き込む。リーダー的な存在のギター、Jesper不在ということで、ちょっぴり心配していたが、サウンド上は全くもってその影響を感じさせない。なんという層の厚さ。バンドの土台となるドラムス、ベースのレベルが半端じゃなく高いからこそなせる技だ。

「Good Evening!」3曲目を終えたところで、AndersのMC。Andersの人の良さそうな感じがMCでの喋り方、言葉遣いによく現れていて、ちょっと微笑ましい。
"傑作とも呼べる前作を作って以来、長い間世界を回ってきたけれど、今回でしばらく日本には来れなくなる。アルバムの制作に入るんだ。"との発言は、日本にしばらく来れなくなる、のとこでちょっと驚いたけど、最後には安心。ならしょうがないね。きっと更に進化したIN FLAMESを創り上げてきてくれるのだろう。

そんなMCを入れておいて、「Delight and Angers」、「Disconnected」と最新作「A Sense of Purpose」から2曲続けて持ってくるのは、自分達への自信の表れなのかもしれない。これまでの作品も傑作だし、これからの作品も傑作なんだ。そういうメッセージのようにも感じた。だって、これだけ盛り上がれば、そう思えてもきますよ。

中盤の見せ場は「Only For The Weak」。Andersが「Tokyo! Jump!!」と叫んで曲が始まると、1小節も進まない内から会場全体でジャンプ!ジャンプ!こんなに一体感が出るライヴってそうそうあるもんじゃない。みんな楽しそう。ライヴレポ用のメモを後ろで書いてる場合じゃない!って本気で思った。

ATREYUライヴレポート
後半に差し掛かるあたりでは、前作のタイトル曲「Come Clarity」で会場全体がシンガロング。IN FLAMES好きがこんなに居たなんて。改めてIN FLAMESの人気を見せ付けられたような思いだ。そして、後半のハイライトはやはり「Take This Life」。この曲が完璧に演奏されているのが全く信じられない。イントロのツービートからもう原曲そのまんまで、オーディエンスも狂ったようにヒートアップ。圧巻のステージというのはこういうことを言うのか・・・。本レポートの冒頭の方でも書いたが、IN FLAMESを支えているのは間違いなくドラムス、ベースの圧倒的なレベルだ。特にDanielが難なく「Take This Life」を叩いているのを目の当たりにして確信した。

Jesper不在のステージではあったが、IN FLAMESのパワーはしっかりと表現され、オーディエンスも120%満足していた。演奏を含むパフォーマンス、オーディエンスとの一体感、どこをとっても最高のステージだった。Jesper脱退は本当に残念ではあるが、これならIN FLAMESはこれからもIN FLAMESであり続けるであろう。

(米沢 彰)


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