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LIVE REPORT

MxPx Japan Tour 2008 with SILVERSTEIN

2008.01.21 @渋谷O-EAST

SILVERSTEIN

SILVERSTEIN

「トキオォォーー!」

ボーカル・シェインの威勢のいい掛け声で幕を開けた、シルバースタイン2度目の来日公演。「smashed into pieces」が鳴り響いた瞬間、会場の空気がピリッと一変したのが肌で感じられた。
地に足のついた演奏と圧倒的なスクリームに、まるで全身が痺れるようだ。楽器隊の安定感でいえば、確実に初来日公演よりもレヴェルアップしているのが感じられるし、何よりもスクリームとメロディーと兼任しているボーカリスト・シェインの声はやはり素晴らしい!

SILVERSTEIN

客席を見渡せば、最初はチラホラと上がるだけだった手が、徐々に集まり小さなモッシュピットをつくり、曲が進むにつれそのピットは2倍ずつ膨れ上がっていっている様子。3曲目に披露した、昨年リリースされたばかりのサードアルバムからリードソング「sound of the sun」のシェインの雄叫びが轟いた瞬間、モッシュピットは最高潮の盛り上がりに。

そのまま「if you could see into my soul」という最高の流れで、彼らの来日を待望していたキッズ達が望んでいた通りにカウンターパンチを食らわすような、出し惜しみの無い素晴らしいセットリスト(と同時に、このバンドは良い楽曲がほんとに多い!と再確認させられた)。

さぁバンドとファンが一体になれば、後は勢いに乗るだけだ。モッシュの渦から飛び上がりマイクを奪うようにシェインの腕に食らいつく男の子。拳をふりあげて熱唱する女の子。


こうやってモッシュピットを、彼らの持ち時間の40分の間、常に率先して盛り上げていたのが激ロックで顔馴染みのお客さん達であったこともまた逞しい!


 


MXPXという若干、毛色の違う組み合わせとなった今回のカップリングツアーではあったが、バンドの真の実力とはこういう時にこそ発揮されるものだ。最高にタフでかっこいいバンドだよ!!シルバースタインは!

(MAY-E)


MXPX


ステージにはマイクスタンド二つとドラムセットが織り成すトライアングル。おそらく彼らほどこのセッティングが似合うパンク・ロック・バンドはいないのでは?結成以来、パンク・ロック・シーンを第一線で走り続けてきたMXPXのライブ前にふと感じたことである。


MXPX


そんな感慨にふけっているとまもなく、ステージを彩っていた淡い照明が落ちる。カラフルな歓声を受けての登場と同時に「SECRET WEAPON」である。
一発目からだったら秘密兵器じゃないじゃーんってツッコミもいれる暇なんてまったくありません(笑)
一瞬でMONDAY BLUEをも吹き飛ばすモッシュ&ダイブ!!見ているこっちが楽しくなるんだから、本人たちはもうハイテンションそのものだったのだろう。

そのハイテンションに「MY LIFE STORY」が火をつけ、はやくもライブ前半戦のハイライトを迎える準備が整っていったのである。MXPX自身の自己紹介でワンクッションおいた後に、ニューアルバム「SECRET WEAPON」きってのキラーチューン「SHUTIT DOWN」が演奏される。「きたー!!」とばかりに始まったモッシュ・ダイブの嵐が会場を揺るがし、シンガロングの波が楽曲と共鳴する。第4の演奏者となったフロアから伝わってくるメロディーが楽曲に奥行きをもたらし、ライブでしか聴くことのできない「SHUT IT DOWN」が演奏されていたのだ。
あれはまさに圧巻の一言であった。


MXPX

ライブ中盤にさしかかったころ、アクシデントが起こる。チューニングのズレなのか、はたまた弦が切れてしまったのか、ギターの演奏が途絶えてしまった。すかさずマイクはベースでユーリはドラムでトムをサポート。否、サポートどころか、このアクシデントを利用して会場を盛り上げていたのだ。このあたりの臨機応変さはさすがだ。このアクシデントを意識してのことなのだろうか、「HEARD」演奏後、初めて日本語で「アリガトウゴザイマス!」と
フロアに語りかける。カタコトの日本語に惹きつけられて、ステージに目をやってみると、マイクが右手でマイクスタンド、左手でベースを持ち上げて、熱気ムンムンのフロアと二階を煽っていた。ん?二階は閉鎖されていたはず。そんなこんなで二階を見てみると、いつの間にか二階までもぎっしりの状態になっていたのだ。週始めの月曜日にこれほどのファンを集めるとは改めてさすがだと感じた。


MXPX

ライブ終盤はパンク・バンドご用達のチープトリック「SURRENDER」のカヴァーをはじめてとして、「NEXT BIG THING」「CHICK MAGNET」「RESPONSIBILITY」など、メリハリのついた楽曲で会場を大いに盛り上げており、さらにステージにも笑顔があふれていた。さ、ここまでくればもうお約束でしょ!?
フロアとステージがそう確信した瞬間、「BROKEN BONES」、
「PUNK RAWKSHOW」などが演奏される。モッシュとダイブの数と質が半端じゃない!!おんなおとこ関係なし!!
まるで「自分のほうが楽しんでいるんだ」とお互いにぶつかり合い、この日最大級のモッシュサークル上をカラフルなTシャツを着た笑顔たちが次々とステージに向かっていく。そして、一秒でも惜しむようにダイブしてはまたフロアへ、すかさずダイブしてはまたフロアへと飛び込んでいく・・・。その回転率はまるでパチンコの玉のようであった。
さらにフロアの後方から響き渡るシンガロングはステージのバミューダトライアングルに吸い込まれていった・・・。
あっという間に幕を閉じたMXPXのライブ。

楽曲を聴きかえすと、今でもこれらの光景が頭に浮かんでしまう・・。
それほどまでに強烈な印象を刻み付けた、すばらしいパンクロックショウであった。

(吉野将志)


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