-はじめまして!ラウドロックDJイベント「激ロック」です。それではインタビュー宜しくお願いいたします。
何か特別な意味を持っているようなバンド名ですが、バンド名の由来を教えてください。
激ロック・クルーの皆さん、こんにちは!!!インタビューを受けられてホントに嬉しいよ!何てったってこのインタビューは俺にとって生まれて初めての日本のインタビューだからね。
僕たちは最初"Cage"という名前で活動してたんだけど、ドイツに同じ名前のバンドが居ることが解かったんだ。それで名前を変えることにしたんだけど、ドイツ語での“No”を表す“Nein”(ナインと発音する)が数字の“9”と同じ音だったので、それを合体して“Cage9”(ケイジナイン)というのは、なかなか面白い名前じゃないかってことで決めたんだ。
“No Cage”(自分達を閉じ込めて限界を作るモノは何もない)という意味でさ。
-出身地はパナマ共和国だそうですね。ロックバンドと結びつきにくいイメージですが、どんな国ですか?どんな音楽を聴いて育ったのですか?
パナマは人口290万人の小さな国なんだよ。パナマではほとんどの人がサルサや、その他のラテンミュージックを聞くので、“ロッカー”としては、当時、俺たちは少数派だったね。
今ではたくさんのいいバンドもいるし、かなり活気のあるロックシーンになってきているよ。その中でも1番人気なのは、ポップ・ラテン・ロックバンドのLos Rabanes かな。人気歌手のルーベン・ブレイズは、グロリア・エステファンの夫のエミリオ・エステファンにパナマ以外にも名を広める事を手伝ってもらったりしてたんだけど、多くのPunk、Metal、Hard-Coreのバンドも同じ様にやって名前を広めてたよ。
ただ唯一の欠点は、パナマの人々はテレビやインターネットで見たモノや聞いたモノにしか影響されてないという事なんだ。それ程たくさんのロックバンドがパナマに居る訳じゃなかったから、ライブはそんなに発展しなかったし、それが俺たちにアメリカ行きのきっかけにもなったのさ。アメリカは多種多様で、たくさんのバンドがいて・・・もし君も行ってみたらきっと控えめになって、周りのバンドからどうやって学んだらいいかが解ると思うよ。
俺はMetallica、Guns n’ Roses、Iron Maiden、Led Zeppelinの様なヘヴィ・ロックバンドを聞いて育ったけど、Smashing Pumpkins、Faith No More、Radiohead、Manu Chau、Depeche Mode、更にはCatherine Wheelまでもファンなんだよ。新しいバンドの中でもDredg、Interpol、Billy Talentは本当に尊敬しているよ。
-またパナマでもバンドとしての活動をしていたのですか?バンド結成までの経緯を教えてください。
パナマでは、絶対にロックが好きじゃない人までもがライブに来て、楽曲の良さをちゃんと味わってくれる、そういう事を学んだね。そうして俺たちがロスに移って、広いシーンの一部となった時、本気で製作する準備は整っていたし、俺たちの作れる最高の楽曲を作って、新しい経験を積んだよ。ロスに移住する事はとても厳しかったよ。俺たちは持ってる物すべてを売り払わなきゃならなかったし、住み慣れた場所以上に早いテンポで流れる社会の一部にならなきゃいけなかったんだから。でも、小さなクラブで頑張って演奏した数ヶ月の後、結構なファンベースもできて、そこからステップアップしていったんだ。
-EvanとJesseは、Cage 9以外でも音楽活動を10年以上続けているそうですね。 バンドのリーダーでもあるEvanは制作エンジニアとしても活動されているそうですが、これまでにどのような作品を手掛けてきたのですか?
俺はずっとCage9で活動してきたよ。俺は音楽ビジネスにおいて、自分自身の事は考慮しないんだ。何故なら、それがお金を稼ぐ事に関わってくるからね。俺たちはただ希望を持って、刺激的な楽曲を作るだけだよ。
俺は高校の時からレコーディングをしていて、それから30とかそれくらいのLPと、多分100以上のバンドに関わってきた。俺は常に自分たちの音をレコーディングして、一生懸命Cage9をプロモーションしてきたから、人々はいつも俺のレコードをよく聴き、俺がアルバムを手掛けるように頼んでくるんだ。俺がCage9でやってる限りそれは主な仕事ではないが、食費を稼いだり、家賃度払ったり、他のバンドから学んだりするには素晴らしい方法だったよ!ここ最近ではThe Willowz、Big City Rockや他、ロスでよく知られているバンドのレコーディングができた。そういう訳で、俺はプロデューサーとしても、ミキサーとしても、たくさんのレコードを手掛けているよ。
-現在もエンジニアの活動を続けているのですか?また、Cage 9にもエンジニアとしても関わっているのですか?
あぁ、そうだね。俺は今現在、The Mirrors、Lullabye Curse、Pinner、Zero Nueveと他、数バンドのアルバムを製作しているところだよ。俺が何をしているかは"http://www.cage9.com/studio.html" をチェックしてみてよ。勿論、Cage9の新しい音源にも取り組んでいるよ。 実は次のCage9のアルバムは、誰か他の人にプロデュースしてもらいたいと思ってるんだ。もし、俺が信頼できる誰かを見つけたらね。そうすれば俺は、音楽と物事の技術面以外を考える事ができるんだ。その時まで俺は、俺たちのスタジオで製作したいね。
-ギターのJesseは、Cage 9の他にも地元LAで活動するバンドAgrokulcherとVozeでも活動してるそうですが、バンドを3つも抱えて大変ではないですか?また3つのバンドの中で、あなたがCage 9として表現することは何ですか?
今はJesseはCage9でしか演奏してないよ。それらのバンドはJesseがかつて組んでたバンドさ。Cage9のメンバーは以前は3人で、Jesseのバンドと対バンしてたんだ。そうやって俺たちはJesseと出会ったんだ。俺が思うに、俺たちはお互いにファンだったと思う。最後にJesseが組んでたバンドが解散してJesseがフリーになった時、俺たちはとても興奮したよ!JesseはまだCage9のアルバム内で演奏はしてないけど、Jesseは俺たちのライブでスケール感のある音を作り出し、ゆったりとした様な音と質感を創る事にとても貢献してくれたよ!!!
-それぞれの音楽活動を続けながら、Cage 9としてもライブ活動を精力的に行ってきたと伺っています。これまでにSeether、Amy Lee(Evanescence)、Buckcherry、Authority Zero、Spineshank等と共演してきたそうですが、一番印象に残っているバンドは誰ですか?
Authority ZeroとSeetherは感銘を受けたかな。だけど俺たちがとても感銘を受けたのは、地元の他のバンドで一緒にツアーを回ったOpus Dai、Fair to Midland、Boy Hits Carで彼らのライブはびっくりする程素晴らしいよ。また俺たちはThe Mars Voltaのファンでもあって・・・俺たちはライブを次のレベルにまで押し上げるバンドに感動させられたよ。君は、誰かがステージに上がって、200%のエネルギーを与えるのを見たいはず・・・それは食べる事、寝る事、生と死と、そうして俺たちがこれらの事を出来るなんてラッキーなんだ!と常に心に留めておく事が大切なんだよ。
-結成から、アルバム「EL Motivo」を制作するまでの、一番の苦労は何でしたか?
ロスに引っ越した事が1番大変だったかな。それが人生を変える経験となったし。ロスへの移住がなんと重い動きになるだろうと解っていたら、俺たちはもっとよく考えたかもしれない・・・でも選択肢なんてなかった。俺たちはバンドとして世界に出る方法を見つけなければならなかったし、それは貴重で小さいパナマでは起こり得なさそうだったからね!
-アルバム「EL Motivo」についてお聞きします。タイトルは何語でどんな意味を持っているのですか?
タイトルは『動機』という意味だよ。このアルバムは俺たちの存在理由を表現してるんだ。俺たちが存在する為の理由・・・その全てを探し出す。このアルバムは骨の折れる製作だった。俺たちが好きな事をやっているはずだったが、不確かだったし、闘いだった。だけど40曲ほど作った後、俺たちはやっと自分たちのお気に入りを見つけることができたんだ。でも俺はこれらの楽曲がいままでに作ってきた曲のなかで最高だと満足はしていない。だけどこれらの曲は興味深くて、たくさんのメッセージが詰まっていて、自分たちにとって真実だった。だから俺はこのアルバムを世に出したことを誇りに思っているよ!
-メロディーセンスと楽曲のクオリティの高さに脱帽しました、曲は誰が作っているのですか?
どうもありがとう!ほとんどの曲は俺が作ってるし、歌詞は全部俺が書いてるよ。いくつかの編曲や歌は、ジャムったり練習してる時に出てきたりして、それをその場でレコーディングしたりもするよ。結局は、いいモノはちゃんと仕上がるし、ダメなモノはゴミ箱行きだけどね。俺は絶えず楽曲のアイデアを書き留める様にしているので、それに対してメロディーがマッチする時はまるでパズルのピースの様にそれらをつなぐ事ができるんだ。
-収録曲が全17曲とは他のロックバンドと比べると楽曲数が多いですよね?17曲収録することに、何かコダワリがあったのでしょうか?
俺たちはできるだけメンバーみんなで製作した曲をアルバムにいれたんだ。アルバムには俺たちの持ち曲の全てから、俺が好きな他の2、3曲も入っているけど、それらの曲は『EL Motivo』においては共同制作ではないなぁ。俺たちはそれぞれ違う曲を作るので、俺は他のCage9の音と不釣合いな曲でも捨てない様にしているよ・・・それはいい事だと思ってるし。
-その中でも、あなたたちが特に思い入れのある曲と、その想いを教えてください。
“Further from the Truth”だね。これは俺が今まで書いた中で一番感情のこもった歌なんだ。君がその歌を聞いてもあまり意味は成さないかもしれないけど、俺にとってはとても意味のある歌なんだ。これは多分アルバムのレコーディングでの最も落ち込んでいた部分であったけど、今は非常に美しくなったと思っているよ。
- Track.9「My Darling」にスポットを当てます。女性の声で日本語のセリフが収録されていますね。日本語を取り入れた理由はなんですか?あの女性の声は誰ですか?
彼女は俺の友人でロスの(当初は東京の)Dig Jellyのメンバー、Raykoだよ。俺たちは一緒にライブもやっているし、レコーディングもしているよ。彼女には“El Motivo”の詞の一部を日本人の為に訳してもらって、暗唱してもらってるんだ。Raykoには素晴らしい仕事をしてもらったよ!俺が全部の詩の中からその歌にふさわしい歌詞をはめる事ができなかった時から、彼女に頼んでとても興味深い部分を選んでもらってるんだ。後に、別トラックとして彼女に全部の詩を読んでもらって、それをリリースするかもしれないなぁ・・・勿論ピアノに合わせてね。更に、アルバム最後の曲のシークレットトラックではAnklaのIkaro(元Puya)のポルトガル語での語りもあるし、“El Motivo”ではベースのGustavoのスペイン語での語りもあるし、“Wasting Away”では俺が英語で語っているよ。
-セリフを聞いていると、何か大きなテーマが伺えるようですが、この曲のテーマは何でしょうか?
強迫観念だね。
-日本デビューすることに特別な思いがあったのではないでしょうか?また日本のリスナーに、どんなところに一番注目して聴いて欲しいですか?
もうそれは言葉にできないほど興奮しているよ!本当に夢が叶ったし、1年を通して起こった出来事の中で間違いなく1番素敵な事だね!
人々が俺たちの音楽を気に入ってくれたら、俺は常にとてもラッキーだと思っているよ。もしこれが日本で実現するなら、俺たちはウサギちゃんの様な笑顔と、幸せな猿の様に飛び回っているよ。俺たちがライブをやる時、大きなライブでも、小さなライブでも、観衆が1,000人だろうが、10人だろうが、俺たちは音楽を製作できる事が幸せだって解っているし、ただ聴いてくれる人に俺たちの音楽を届けたいのさ・・・彼らがどこにいようともね!
-あなたたちのサウンドはヘヴィーロックを主体としながらも、Track.13「Motivo--->」のようなラテンのリズムや、Track.2「Hollywood Car Crash」のようなデジタルなサウンドを効果的に取り入れた曲もありますね。あれは試験的に取り入れたものなのでしょうか?
それこそがCage9だと俺は思うよ。1つの厳密な音で限界をつくりたくないんだ。俺はライブで、パンクバンドに、メタルバンドに、ラテンバンドに、エレクロニックバンドに、色んなジャンルのバンドを見たいよ。俺はダイナミックで面白いモノが好きさ。人々は、簡単に退屈するようになると思う。そんな眠そうな彼らを起こしておくため、彼らの耳に音楽を聞かせ続ける事が大切だと思うよ。
-今後、あなたたちのサウンドはどう変化していくのでしょうか?今後バンドのサウンドの中で挑戦してみたいことは何かありますか?
どう変わっていくかは判らないなぁ。 俺が俺自身の音楽に退屈しないようにするよ!もし俺たちが曲を作って、それに対して俺が冷めているなら、それは明らかに何かが間違っているからね。俺たちは常に音楽の方向に向かって前進していく必要があると思うよ。
-現在、Cage 9の名が世界中に広がっていっているけど、何か手応えは感じていますか?
いいや、確かなモノは何もないからね。俺たちは常に、崩壊する寸前であれば、成功する寸前でもある。その全ては君の心の中にあるんだ。君は今を生きなければならないし、ただ楽しんで強烈なロックンロールの製作に挑戦すべきさ。
-バンドとしての将来の目標は何でしょう?
それはとても個人的な事だと思うけど、俺たちがいつ目標を達成するのかをみんなで見つける事かな。
-07年はどんな活動をしていくのですか?今後の予定を教えてください。来日の予定は!?
ツアー回って、ツアー回って・・・できればもっとたくさんアメリカでツアーを!それでインターナショナルに・・・ラテンアメリカと、それと日本! 来日できるといいなぁ。
-これからCage 9のファンになるであろう日本のロックリスナーに向けて、一言どうぞ!
聴いてくれてありがとう。俺たちの音楽は、今、君の手元にある。夢を追いかけて・・・諦めないで、諦めないで、諦めるなよ!THANK YOUUU!!!!
Cage 9 / El Motivo 2007.1.24 on sale
¥2,200(税込) TRVE-0002
artist official site
http://www.cage9.com/
http://www.myspace.com/cage9