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INTERVIEW

Zephyren代表GEN氏 × ROTTENGRAFFTY

2019.11.11UPDATE

2019年11月号掲載

Zephyren代表GEN氏 × ROTTENGRAFFTY

ROTTENGRAFFTY:NOBUYA(Vo) 侑威地(Ba)
Zephyren:GEN(代表)
Photo by 宇都宮勝

結成20周年イヤーとして多くの企画を打ち出し続けるROTTENGRAFFTYと、最初の法人立ち上げから同じく20周年を迎えたZephyren代表、GEN氏との周年記念座談会がROTTENGRAFFTYの地元京都で開催された。20周年企画としてROTTENGRAFFTY×Zephyrenのコラボ M-65の発売も決定し、同商品を着用したモデル撮影も敢行。これまでメディアではあまり語られなかった20年の軌跡と併せた特集をお送りする。

GEN:今回は結成20周年ということで、そのお祝いも兼ねての座談会と撮影をやりにひとりで京都にやってきました。まずは、20周年を迎えてみてどうですか?

侑威地:楽しいですね。20年もできて幸せなことだと思ってます。周りにも恵まれてこうやってバンドをまだ続けられてるっていうのは、始めた頃はまったく想像していなかったですね。いざこうやって20周年を迎えてみて、いろんなことがあったけど、それも自分らの人生みたいになってきて、楽しいし、幸せです。今はそれだけですね。

NOBUYA:結成したときは20年もバンドやろうと思ってバンド組んだわけじゃなくて、気づいたら20年経ってたっていう感じですね。言葉では陳腐になってしまいますけど、こうして20年やってこれたのは、支えてくれるスタッフや友達のバンドマンとか、それこそ結成当時から支えてくれているGENさん、そして、一番はファンのみなさんやロットンを好きでいてくれている人たちが、たくさんいてくれたからこそだと感じます。何回もやめてやろうと思いましたけど、そういう支えてくれる人たちを裏切ってはいけないっていうのがあって、踏みとどまって今に至るっていう感じですね。

GEN:ROTTENGRAFFTYは1999年結成ですが、実は僕の会社(コアトラスト)も1999年設立なんですよ。縁を感じます。活動の中でいいことも悪いこともたくさんあったと思うけど、それぞれにとって一番大きな出来事ってどんなことだった?

侑威地:そうですね。個人的にはDragon Ashの馬場さん(IKÜZÖNE/Ba)が亡くなったときが一番つらかったです。もう無理だって思いました(※IKÜZÖNEはROTTENGRAFFTYの2003年リリースの3rdミニ・アルバム『SYNCHRONICITIZM』の共同プロデューサーを務め、2013年リリースの5thアルバム『Walk』収録曲「D.A.N.C.E.」では歌詞に名前が登場する)。

GEN:僕も最後のSHIBUYA O-EAST(※現TSUTAYA O-EAST)公演("ROTTENGRAFFTY TOUR 2011-2012「GOLD」")をちょうど観にいかせてもらってて。

侑威地:ほんといろいろありましたよね。そういうときでも支えてくれたのはみんなだし、僕らはメンバーももちろん、仲間たちに恵まれてます。ありがたいです。

GEN:侑威地とはよく飲んだりしてますけど、そういうときに仲間のこと大切にしてるなって思うんですよね。若いバンドマンと積極的にコミュニケーションをとって、ツアーに誘ってて、そういうのを見ていても人間力の強さをバンド全体に感じるんですよ。やっぱりやってきたこととか、乗り越えてきたことが、ね。

侑威地:共有していることもいろいろありますね。

GEN:NOBUYAさんはどうですか?

NOBUYA:GENさんと出会うきっかけになったのは、KING RECORDSの本田(丈和)さんからの紹介だったんですけど、2枚目のアルバム(2005年リリースの『えきさぴこ』)を作ってるときに、その本田さんから"KING RECORDS、クビです"と言われたときが一番インパクトありましたかね。何回もバンドやめようと思った中で、最もやめようと思った瞬間でした(笑)。

GEN:あのときのO-EAST("FRONT―毒奏グラフィズムTOUR―2004")の集客も大きかったのかな?

NOBUYA:400人くらいしか入らなくて。僕らは育成期間があってKING RECORDSのインディーズからスタートしてるので、KING RECORDSに4~5年お世話になってたなかでの、トータルの数字を見られたんだと思います。クビと言われた瞬間は"なんでやねん"と思いましたけど、今考えると僕らにクビと伝えた本田さんが一番つらかったんじゃないかなと。

GEN:そういうつらい時期を乗り越えて復活していったのも個人的には印象が強くて。

侑威地:松原(裕/現在の所属事務所 株式会社パインフィールズ社長/ライヴハウス神戸 太陽と虎代表)という存在が一番大きいんじゃないですかね。あの人と一緒にいろんなものを作ってきて、去年の武道館公演("ROTTENGRAFFTY PLAY ALL AROUND JAPAN TOUR 2018 in 日本武道館")もできたんで。最初僕は(武道館公演に)反対でしたけど、今はやって良かったって思えるし、自分らの力にもなってるし。1年経った今でも"武道館良かったよ"って言ってもらえることも多くて、あのタイミングでできたということが良かったんだと感じますね。

NOBUYA:"京都大作戦"初年度が台風で流れて、2年目が実質1回目ってなったとき(2008年)にオープニング・アクトとして出させてもらったんですけど、そこで観た10-FEETのライヴと、10-FEETに寄り沿ってる友達のバンドマンたちと、"京都大作戦"に来てたお客さんの光景を見て、"10-FEETすげぇなぁ"じゃなくて、めちゃめちゃ悔しくなって泣いて、そこで僕はスイッチが入ったんですよね。人に対しての接し方とか、音楽に対する向き合い方とか、すべて変えないと置いていかれるなと思って。その数年後に松原と再会して、"一緒にやってくれませんか"ってお願いしにいったときに、すぐに"やりましょう"と言ってくれたのが、すべての始まりでしたね。

GEN:松原さんを選んだ理由ってあったんですか?

NOBUYA:そのときに、一緒にやってもいいよと言ってくれてるところが他にも2ヶ所ほどあったんですよ。すごくお世話になっていたし、ロットン(ROTTENGRAFFTY)が来てくれるなら力を貸すよって言ってくれる人がいて、熱意もすごく感じていて、一緒にやりたいなって思いもあったんです。レコーディングももう終わってて、あとは決まったらすぐリリースできる状況だったんですけど、どちらも"今アルバムを出しても2,000枚ぐらいしか売れないと思うけど、そこから頑張ろう"っていうスタンスで、それがどうしても納得いかなくて。"1万枚売りたいんで力を貸してほしい"って言ったときに、"1万枚売りましょう"って言ってくれたのは松原だったんです。

GEN:松原は一緒に仕事したらよくわかるんですけど、一見おちゃらけてるようで、実は中身はめっちゃ仕事するし、できるんですよね。人に全然見せないですけど。

NOBUYA:だから、言ってくれたときにすごく嬉しかったんですよね。たとえ嘘でも、そう言ってほしかったんだなって思いました。それで"1万枚売りましょう"って言ってくれた松原と一緒にすることになったんです。

GEN:ロットンの20周年企画として20個の企画を実施することになっていて、もうかなり進んでいるけど、結構前から準備されてたんですか?

NOBUYA:昨年からそういうのをやりたいよねって話してて、20個以上案を考えて松原にもメンバーにも相談してました。20周年は、とにかく応援してくれている人を喜ばせることをたくさんしようと思っていたので、その一環ですね。

GEN:その中には、日本武道館公演のDVD/Blu-ray(『PLAY ALL AROUND JAPAN TOUR 2018 in 日本武道館』)の今年1月のリリースも含まれていますね。やはりあの公演はバンドとして意味の大きな舞台でしたか?

NOBUYA:本当は20周年になる今年の6月10日(ロットンの日)に武道館でやりたかったんですよ。バンドにとっても応援してくれる方たちにとっても、一番意味のある"ロットンの日"になるかなと思って。それでいろいろ考えてたんですけど、オリンピックの関係で改修工事に入るから使えないって聞いて、でも、その前年10月のツアー・ファイナルの日取りなら武道館でできるかもしれないと言われて。そのとき、ワンマン会場の候補には"ポルノ超特急"をやってる京都パルスプラザもあって、武道館との2択だったんです。バンド的には最近駆け足で武道館公演をする若いバンドが増えているなかで、"埋もれてしまう"のも嫌だったし、武道館というものの価値が薄くなっている気がしていて。でも、京都パルスプラザという会場名を知っている人はどれくらいいるかっていうのも考えて、日本中の誰もが知っている日本武道館を選びました。今では武道館でやって良かったと思ってます。

GEN:僕も武道館に観にいって感動しましたし、説得力のある武道館公演だったんじゃないかなと思います。

NOBUYA:あれだけ仲間が集まってくれるってことは本当に幸せなことだと思うし、びっくりしました。

GEN:普段のロットンを見てると、必然的に人が集まってくれるんだと思います。順風満帆にやってきたバンドと違っていろんなつらい時期を乗り越えてやってきたし、みんなもそれを知っていることが強さのひとつになっているんだと感じますね。それって狙ってやるわけじゃなくて、あがいて這いつくばってやってきた結果がかっこ良さに繋がっていて、器用じゃなかったなって。でも、器用じゃなかったからこそ、こうして仲良くなれたんだとも思いますし、そのなかで時間を一緒に過ごせたというところに感じるものがありますね。

NOBUYA:まぁ、器用にはなりたいですけどね(笑)。

GEN:俺もそうだけどね(笑)。前のブランドを売って、失敗して、またZephyrenをイチからやり直して、やっと来年5周年です(笑)。

NOBUYA:自分たちの周りのバンドマンって、テレビ番組に出ることとか武道館でライヴをやることとかに対して、否定的なバンドが多くて、そんなところに身を置いているからこそ、"武道館やったろう"って気持ちが強かったですね。やると決めたからには絶対に成功させてやろうって思ったし、武道館やって終わっていくバンドもたくさん見てきたんで、そうならないように武道館やったあとのスケジューリングとかもいろいろ考えて。すべてに真剣に向き合ってきて良かったなと思います。20周年の今でぶっ潰れてる可能性もあったけど、それまでにいろいろ考えて決めてたから、こうしていろんな人に応援してもらえてるのかなと感じますね。

GEN:そして、これからの話をすると、トリビュート・アルバム(『ROTTENGRAFFTY Tribute Album ~MOUSE TRAP~』)が12月に出るということで、参加アーティストも上田剛士(AA=)、キュウソネコカミ、清春、四星球、coldrain、10-FEET、Dragon Ash、MUCC、ヤバイTシャツ屋さんと豪華9組になっていますね。今まではトリビュート・アルバムって言ったら参加する側だったと思うけど、作られる側になった気分はどうですか?

侑威地:めっちゃ嬉しいですね。僕らの楽曲の新しい一面を見せてくれてるし、ただただ感動してます。

GEN:ロットンらしいラインナップになってますけど、これはどうやって声を掛けていったんですか?

NOBUYA:2回目のメジャー・デビューをさせてもらったビクター(ビクターエンタテインメント)でお世話になってて、いろんなしがらみというか、ビクター的にもビクターのアーティストを入れてもらわないとみたいなところもあるので、うまくバランスをとりながら決めていきました。ビクターの中にも仲いいバンドはたくさんいるので、自分たちが憧れていた上田剛士(AA=)さんとか、"ポルノ超特急"にもレギュラーで出てもらってるDragon Ashやキュウソ(キュウソネコカミ)、四星球とか、ビクターのアーティスト半分、ビクター以外のアーティスト半分って感じで選ばせてもらったんですけど、結果ふたを開けてみたらめっちゃロットンっぽいなっていう(笑)。

GEN:どういう仕上がりになるのかなって期待しちゃいますね。

侑威地:すごく楽しんでもらえると思います。