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INTERVIEW

打首獄門同好会

2017.10.11UPDATE

2017年10月号掲載

打首獄門同好会

Member:大澤 敦史(Gt/Vo)

Interviewer:吉羽 さおり

-バンドマンとは思えない(笑)。そして再び新作の話ですが、今回は2009年にリリースしたアルバム『庶民派爆弾さん』に収録されていた「SAWAYAKA」が再録されましたが、これは肉繋がりでの再録ですか。

肉がメインのCDを作るぞっていうところで、"うち、肉の歌作ったことあるな"と思いついたのが「SAWAYAKA」と。鶏肉ということで「ヤキトリズム」(2013年にリリースされた『一生同好会します』収録曲)もあったんですけど、「ヤキトリズム」は3年前に出したベストに収録していて記憶に新しいと思うんです。「SAWAYAKA」は、8年前に自主制作で作った時代の曲だったので、これは、今こそ再録すべきだと。肉料理といえば、"さわやかのげんこつハンバーグ"だっていうのも根底にありますからね。

-"さわやか"というのは、静岡にあるローカルなレストランチェーン("げんこつハンバーグの炭火焼レストランさわやか")なんですよね。

静岡県限定なんです。静岡に行った人はぜひ食べてもらいたいですね。静岡のグルメと言って、出てこないことはないんじゃないかというくらい知名度が上がりました。

-曲にしたことで、"さわやか"さんからリアクションはあったんですか。

こちらから、"こんな曲作ったんですけど、リリースしていいですか?"って送ったんです。"いいですよ、ありがとうございます"とお食事券が返ってきました。逆にありがとうございます! っていう(笑)。

-いいペースで『秋盤』まで進んできました。この夏は特にライヴが多い年となりましたが、バンドとして手応えは強くなってきた感じはありますか。

そうですね。この夏はフェス出演が多くて。どこのフェスでも大盛況というか。たくさんの人が観てくれて、喜んでくれたのは、今までやってきて初めての手応えでしたね。ライヴの現場で、初めて見るという大勢を一気に相手にするなんて、ライヴハウスの規模ではありえないですからね。手応えは大きいです。ぐんぐん未知の出会いがあるという感じですね。

-自分たちでは、どんなところに観客が引っ掛かってくれたと感じていますか。

こういうバンドがフェスにガンガン出るようになることって、しばらくなかったと思うんですよ。そこに乗り込んでいって、ちょっと変な歌を歌うという枠ということでは、キュウソネコカミとかヤバイTシャツ屋さんとか、四星球とかうちとかが筆頭に挙げられると思うんです。このあたりが急に、ガッと空気を荒らしにくるというか。それをフェスの運営側もお客さんも、楽しむ空気が成り立ってきている気がしますし。そのうえで、うちはVJがあるのが初見のお客さんにはいいのかなと思いますね。歌詞がガンと出ますし、初めて見る人に対して親切というか、そこらへんのキャッチーさが反則技で強いので。受け入れられる理由だとも思うんですけど。

-VJを取り入れたのは、ライヴを重ねることで使った方が盛り上がりも違うのではということからですか。

最初にやったのは、いたずら心だったんです。たまたま、ステージ上にスクリーンがあるライヴハウスでライヴができるとなったときに、当時、今のVJみたいなノリで転換の間にやっていた"CD紹介映像"というのが、ウケが良かったんですよ。曲をダイジェストで文字で伝えていくと、ゲラゲラ笑ってた人がみんな買っていってくれるみたいな。それで、これをライヴでもできないかという話をしていて。それで、スクリーンがステージにあるライヴハウスだから、これでやってみない? パワーポイントでいいんじゃない? っていうのでやってみたら、すごくウケがよかったんです。また機会があればやりたいねと、最初はその程度でしたね。ワンマンだしせっかくだからここではやろうか、とかやっているうちに、事務所も黙っていられなくなって(笑)。"もう、毎回やったら?"っていう。

-そうですね(笑)。

毎回やってもいいですけど、誰がVJをやるんですかって。それで当時、今とは違うマネージャーなんですけど、じゃあ俺がやりますと言ってくれて。どこでもやれるようにいろいろ買いましょうよと、プロジェクターを中古で探して。プロジェクターが使えないような場所では、テレビでいいんじゃないですかって、テレビを買ったりして。そうやって始めたのがそもそもだったので。マネージャーがVJをやるというのも、そのまま継承されていますね。

-そういうことだったんですね。

もともとラウド系の音を出すバンドとして、ラウド系の音ってどうしてもライヴでは歌詞が通らないというか、声が通らなくて。声が通るにはどうすればいいのか、じゃあギターの音量を下げればいい、いやそれはダメだっていう葛藤があったので。歌詞を視覚で補ってくれるのは、都合が良かったんです。歌詞が伝わるなら、サウンドは好き勝手できるという。そういう側面があって、音的な意味でも、プラスになってくれているんです。歌詞が埋もれてもいいんだって。

-それぞれに7弦ギターや5弦ベースを使っていたりと、重い音ですしね。

歌詞が聞き取れるくらいクリアに聞こえないといけない制約は、それで取っ払うことができたので。こっちも財産で。歌詞わからないともったいないよと言ってるけど、見えるからいいでしょっていう。実は音楽面でも一役買ってくれているというのがあったりするんです。最初はいたずらから始まったものでしたけど。遊び心って大事ですよねっていう。

-何がどう繋がるかわからないものですね。

すべて、クスクス笑いながら悪巧みの顔でいろいろ始まるんですよ。うまい棒、配ってみようぜとか。魚(ぬいぐるみ)を投げるバンドいるから、うちもやろうぜとか。忘れているだけで、これはやりすぎたなってボツになったネタもあるはずです(笑)。