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INTERVIEW

Zephyren代表GEN氏×Another Story×PABLO(Pay money To my Pain)

2017.09.11UPDATE

2017年09月号掲載

Zephyren代表GEN氏×Another Story×PABLO(Pay money To my Pain)

-そして、今回はAnother StoryのプロデュースをPABLOさんが手掛けるということで。経緯をうかがってもいいですか?

KeiGo:バンドとしては、前作までの音楽性に対して、何か変えたいなっていう思いがあって。前作が悪かったから変えるっていう意味ではないんですけど、単純に挑戦っていう意味で、新しく何か持ってきたいなと思っていて。メンバーみんなで、ああでもない、こうでもないっていうふうに考えてはいたんですけど、そんなときにNoriが"力貸してくれる人いるよ"って言ってて。そのときは誰のことかわからなかったんですけど......。

-そこはシークレットだったんですね(笑)。

GEN:引っ張るね(笑)。

KeiGo:そうなんです(笑)。それがPABLOさんだって聞いてなくて、ただ"他の人の力も借りなよ"って言われて、でもしばらくは自分たちでなんとかしようと思ってたんですけど、それが何かのきっかけで、"やっぱり違う脳みそも借りてみたら、新しく思いつくこともあるだろうな"ってタイミングがあって。そのときに詳しく話を聞いたら、"PABLOさんにお願いしてみようと思うけど、バンドとしてはどう思う?"って言われて。もちろん僕らはみんなPTPがずっと好きだったんで、願ったり叶ったりで(笑)。

RYOTA:僕が入るころに、ちょうどその段階の話だったんで、僕としては即決でした(笑)。

KeiGo:憧れっていうのももちろんあるんですけど、単純に音楽性としてPTPの曲って独特というか、もう一発で"あ! PTPだ!"ってわかるオリジナリティがあるじゃないですか。なおかつ、流行りがどんなに移り変わっても、何年経ってもずっと聞いていけるような、そういう要素があって。それがやっぱり喉から手が出るほど欲しいものだったので。それで"一度PABLOさんの胸を借りてみよう"ってことになったんです。

PABLO:でもまぁPTPもね、結局いろんなバンドに憧れはあったし。つよぽん(T$UYO$HI/Ba)なんかはわりと、ミーハーっていうと失礼かもしれないけど、そういうところもあったから、曲作るときも"こういう感じで、まんまやっちゃおうぜ!"みたいなことがあって。俺は、そういうの嫌だったんだけどね。なんでかっていうと、俺は自分が好きなアーティストと横に並びたかったから。横に並んで"カッコいいな"って思われたかったから。俺はA PERFECT CIRCLEがすごく好きでずっと聴いてて。ありえない話だけど、例えば、A PERFECT CIRCLEのアルバムの隣にPTPのアルバムが並んでたとして、たまたまMaynard(Maynard James Keenan/※A PERFECT CIRCLEヴォーカル。TOOLのヴォーカルでもある)がCD屋に行って"お! 俺たちの隣に置いてあるバンド、気になるから買ってみよ"ってなるような、さらにそれで聴いてみたら"こいつら超やべぇじゃん!"ってなるような、そういうバンドになりたかった。やってることがただのフォロワーだったら"あ、俺らのこと好きなんだな"って思うだけだから。そうはなりたくなくて、俺はガチで自分の好きなバンドと勝負がしたかった。そういう気持ちがあったから、曲作りのときは、相当ひねったんだよね。まぁ、性格が陽キャの皮を被った陰キャだから(笑)。

一同:(笑)

GEN:考えてひねってるのはわかるし、それでいて心地いいメロディっていうのがいいよね。

KeiGo:僕らの中でも、その"ひねり"が欲しいっていうのは漠然と頭にあって。PTPはやっぱり、ひねりというか、普通とは違うっていう感じがあって。僕らの今までの曲って、良くも悪くも、普通なものを出してきてしまったので、そこにひとひねり加えたいっていう思いがあって。憧れの人ではあったんですけど、方向性としてもまさにこの人にお願いするべきだろうなって思ったんです。

-実際に一緒に作業してみてどうでした?

KeiGo:実際にやってみると、僕らが今まで想像してきたものと別のベクトルから話があったりとか、単純にすごく勉強になりました。こっちはそういう意味でうまくいかないタイミングでもあったので。

PABLO:プロデュースするときは、やっぱりクリエイティヴな部分と、責任として果たさなきゃいけない部分っていうのが、両輪であって。そういう意味では、正攻法的なやり方をしっかり守っていかないと、ただ俺が好き勝手やってるってだけになっちゃうから。なので、人のものを触るときは、ある程度正攻法でやっていくっていうのを気にしてますね。それにプラスするエッセンスとして、自分が蓄えてきた知識とか経験の中で"ここはこういうふうにすると、こう聴こえるよ"っていうのを提案する。それで、俺の場合絶対に言うのは、"嫌だったら、そうしなくてもいいよ"ってこと。一緒に作るのが好きだから、そういう意味では時間がかかるし、面倒くさいんですよ(笑)。ただ、相当丁寧だとは思うけど。それは自信ありますね! プロデューサーって、いきなり曲のフル・サイズを作る人もいるんだけど、俺は絶対に余地を残すんだよね。なんでかって言うと、自分のために余地を残したいから。さらにもっとカッコいいものが作れるはずなので。

-引き出していこうとするというイメージですか?

PABLO:引き出すっていうよりは、考えさせるって感じかな。

RYOTA:そうですね。実際、考えさせられることが多かったですね。

KeiGo:でも、今までの僕らは、その考える筋肉をあんまり使ってこなかったので。その自覚はあったので、まず考えて"あんまりわかんないや"っていうとこからスタートして、"わかんないってことは、知らないってことか"っていうことに気づく、みたいなことが結構あって。

PABLO:引き出すっていうことで言うと、演奏面なら引き出すことはできるんですよね。やっぱりアドレナリン的な部分だったりもするので、煽ってテンション上げていくって感じで、演奏はかなり引き出せるんですよ。それは、すごく気持ちよくて、引き出せたところのテイクとか、ドーンッとくるから(笑)。でも、曲を作る過程では、"こういうものもあるよ、自分たちでやってみ"って言って、考えさせるっていう感じなんですよね。俺自身はもう画が見えてるから、そこで俺が手を加えてバーッとやってしまってもいいんだけど、それじゃ意味がない。俺は、プロデュースするときの最終目標が、俺を必要としなくなる瞬間だと思っていて。"PABLOさん、今回は自分たちでやります"って言われることが目標かな。

KeiGo:僕たちとしては、今まで使ってなかった脳みそを刺激されて、それをやり始める前とはいろいろな考え方が変わった部分もあって。まだ盤は出してないですけど、一緒にやったことで、今後の財産になったなとは思ってます。

-プロデューサーというよりは、メンターみたいなポジションですね。

PABLO:そうありたい、というか心掛けてますね。俺にとっては、それがプロデューサーの仕事だと思っているので。そうやって導いていくためには、俺が持ってるものはすべてあげるし、教えるし。本当はちょっと教えたくないこととかもあるんだけど(笑)。

一同:(笑)

-とっておき、みたいな(笑)。

PABLO:教えたくないこともあるけど、やっぱり全部教えるよね。

KeiGo:現場も含めて同じフィールドでやってきた人なんで、話がわかりやすいんですよね。あんまり現場に行くことがない、ずっとスタジオでのプロデュースをメインにしてる人とは、たまにわかり合えない部分があったりするので。

PABLO:これは、プレイヤーでもそうなんだけど、バンド経験者とそうでない人って感覚が大きく違うんだよね。根本的な考え方とか。これは、別に批判ではないんだけど、バンドを経験してない人って、ある意味"個人競技"なんだよね。でも、バンドって"団体競技"で、全員でゴールすることの難しさとか、大切さっていうのがわかってないといけないから。バンドやってたけど、うまくいかなくて、けど個人の能力はすごく高いから必要とされて、それでプロデュースをやってるっていう人もいるし。やっぱり全員でゴールすることの大切さっていうのは、バンドをやっている人と、そうでない人とでは考え方が違うと思うんだよね。

KeiGo:やっぱりそのあたりの考え方が違うとなっていうのはありますよね。

-複数人でやっているからこその化学反応というか、ひとりで考えてるとできなかったものができる、みたいな部分を大切にしてるっていうことでしょうか。

KeiGo:そうですね。まだ盤は出してないですけど今回は、その化学反応というか、自分たちだけでは浮かばなかった発想を手に入れたことっていうのが、今後の財産にもなってるなって感じるんですよ。

-なるほど。そうして関わってみて、PABLOさんの目にはアナストのメンバーってどういうふうに映りました?

PABLO:そうですね......。ひとりひとりの個性は、もちろん違うんだけど、KeiGoはいつも真逆な気がする。

-真逆?

PABLO:外に出してる自分と、内面の自分のバランスっていうのが、真逆な気がしてて。内面がすごくマイナスなときは、外に出してる自分はすごくプラスだし、内面がプラスなときは、マイナスなものが表に出るっていうか。結構、真逆な人間だなーって思ってて。

KeiGo:初めて言われました(笑)。

PABLO:それが、逆にわかりやすいんだけど。あと、RYOTAはね......いい意味で、マグロだよね。

一同:(笑)

PABLO:あ、そっちのマグロじゃなくて(笑)。ピチピチしてる方のマグロね。捕れたてのマグロというか、フレッシュ! な感じで(笑)。メンバーの中で、一番フレッシュだよ。

-元気の良さ、的な?

PABLO:元気の良さっていうよりは、バンドに一番新しく入って、まだすごくワクワクしてると思うんだよね。メンバーにもすごく期待してるし、バンドのことにもすごく期待してるし、たぶん今一番やる気があると思うんだよね。そのRYOTAのモチベーションっていうのが、突き抜けて高いなっていうふうに俺は思ったんだよね。

KeiGo:Another Storyって僕と、ギターの寛-hero-と、ベースのK-MASAが、高校時代から組んでるバンドなんで、僕らはお互いとしかやったことがないんです。ずーっとその3人でやってきて、それであとからyusuke(Gt)が入ってから、もう4~5年になるんで。それで結構、閉鎖された環境にずっといたっていう感じで。すべて、そのメンバーでやったことしかなくて、すでに3人でひとつの視点みたいになっちゃってるんで、そこに、今回からRYOTAが加わって、プロデューサーっていう形でPABLOさんにも入ってもらって。それで、自分たちには今までなかったような新たな視点とか発想をくれたというか、違う風が吹いてきて。バンドが今変わりつつあるな、とは感じてますね。ふたりのおかげで、俺たちもまたフレッシュな気分になっているし。まぁ、どうしても同じメンバーで長くやってると、マンネリはあるんでしょうね(笑)。それが一度、打破されてきてるなって。