MENU s

激ロック | ラウドロック ポータルサイト

INTERVIEW

OLDCODEX

2017.09.12UPDATE

OLDCODEX

メンバー:YORKE.(Painter)

インタビュアー:荒金 良介

昨年6月にシングル・コレクション『Fixed Engine』を発表したOLDCODEX。それに伴って彼らは、同年9月から全国、アジアを巡る過去最大規模のツアー[OLDCODEX Tour 2016-2017 "FIXED ENGINE"]を行った。このたびその模様に加え、今年1月15日に開催した三度目になる日本武道館公演2日目の映像を収めた2枚組ライヴBlu-ray『OLDCODEX Live Blu-ray "FIXED ENGINE" 2017 in BUDOKAN』がここに完成。本編のライヴはもちろん、海外ツアーの様子を含めた同ツアーのメイキング・ムービー、また24ページに及ぶフォト・ブックレットを同梱した豪華な仕上がりだ。今回、ペインターのYORKE.にじっくりと話をうかがった。

-今回はライヴBlu-ray『OLDCODEX Live Blu-ray "FIXED ENGINE" 2017 in BUDOKAN』を中心に話を聞きたいと思います。まずは[OLDCODEX Tour 2016-2017 "FIXED ENGINE"]を振り返って、どんな印象がありますか?

いろんなことを経験したし、この歳になってもまだまだ手に入れられるものがあるんだなと。ただ、たくさんのものも失った......そんなツアーでした。自分が大きな怪我をして、それで見えてきたものもあるしね。ドラマを作っちゃったけど、それを前向きに変えようと強く進んだので、忘れられないツアーになりました。

-怪我をした模様もメイキング・ムービーに収録されてましたね。

ね? メイキングはちょっと見れなかったですね。当時の記憶はないけど、折れたあばら骨や手首の痛みは残ってましたから。足元をすくわれるようなことを身をもって体現したけど、ギブスしてまでステージに上がって良かったなと思います。毎回、ヒヤヒヤでしたけど。

-というのは?

折れているところが動くたびにずれるから。その痛みもだんだん消えていきましたけど。身体ってすごいなと。あと、今回はシングルを集めた『Fixed Engine』(2016年リリースの4thアルバム)に伴うツアーだったから、今まで通り過ぎていった仲間たちも背中に乗せて、ライヴをやったんですよ。それまでに抱えていたヘンなわだかまりも解けたし、最後は感謝の気持ちで終わることができました。

-ヘンなわだかまりというと?

辞めていくときはドラマがあるから。それを何度も味わうと......出会いがあれば別れありと言うけど、別れはパワーがいるんですよ。ステージで残像を見ながら、ライヴをやってました。特にR・O・N(※2012年脱退)を含む3人でやっていた時期......彼が残してくれた曲がたくさんあって、改めて彼の才能に気づきました。すごくメロディがいいんですよ。彼の愛情を引き継いで、より強いものを出そうと。そういうポジティヴなパワーに変えられたのが良かったですね。以前はいなくなった奴の曲をやるのかって、ちょっと引っ掛かってましたから。それがなくなって、OLDCODEXの曲として、ナチュラルに捉えられるようになりました。

-それは大きな出来事ですね。ひとつの事実として素直に受け入れられるようになったというか、許せるようになったんですか?

自分を許せなかったんでしょうね、ヘンに反省モードだったから。自分を受け入れないと、前に進めないので。

-今回のツアーはライヴハウス、ホールとミックスした形式でしたけど、その難しさはありましたか?

そうですね。ライヴハウスはスタンディングで、ホールは椅子がありますからね。ホールでどう距離感をゼロにさせられるかなと。ホール自体も初めてだったから、難しかったです。後ろの席まで歩くと、実際の盛り上がりもわかるわけですよ。逆にライヴハウスの方が前と後ろで温度差があるのかな、と思うこともあったし。ホールをやってみて、改めてライヴハウスの大切さもわかるようになりました。あと、以前はホールはなしだろと思い込んでいたけど......ナメてましたね。ホールでやる可能性も感じられたんですよ。ライヴハウスとホールの境目もなくなりました。ただ、ホールでの戦い方は今後もっと考えなきゃいけない。

-ホールでも観客席に入り込んで、パフォーマンスする場面もありましたね?

気づいたら行ってました(笑)。ホールは顔がよく見えるんですよ。後ろで寂しそうな顔してるお客さんがいると、こっちから行きたくなっちゃって。あと、ライヴハウスとホールでは音の鳴りも違いますからね。それを踏まえて、セットをどう作るのか、それも考えました。照明の使い方はホールの方が自由度が高いなと思いました。だから、スタッフと一緒に舞台を作るうえで、密に会話できるようになりました。OLDCODEXの見せ方も、これをやりたいとかじゃなく、こういう見せ方をしたい、とはっきり舵を取るようになれてきたかな。

-見せたいヴィジョンが明確になってきた?

そうですね。スタッフを含め、みんなと景色を共有しなきゃいけないですから。それが結果的に来てるお客さんにも届くだろうし。具体的にここは赤で塗りたい、とか示すこともありました。"FIXED ENGINE"ツアーで、舞台セットもギアというシンプルなものに落とし込めたのも良かったですね。前よりもテーマに寄り添えるようになりました。

-今は自分が表現したいものに、より素直になってる?

もともと素直なんですけど、それを伝える手段が下手だったなと(笑)。今回ツアー会場のなかにホールを入れたことで、また考えることが増えたんですよ。以前はライヴハウスだけだったしわざわざ説明しなくてもわかるだろう、と思ってましたからね。力任せすぎたところがあったなと。今はもう少し丁寧に作り込んで、来てくれたお客さんにアプローチしようと思ってます。

-巨大なギアを含む舞台セットに取り掛かる前に、YORKE.さんは"絶望から始まった"と言っていたのが、妙におかしかったです。

すでに次のツアー用のセットに取り掛かっているんだけど、あれよりも描く面積が大きいですからね。これ3日間でも塗りきれないだろうというサイズで、普通じゃないですよ。セットを制作するアーティストでも、3日間で引き受ける人はいないと思います。それが現場に行くと、できるっしょ! って空気になるんですよ。でも夕方まで何もしなくて......これ終わらないよって。周りから"YORKE.ならできるよ"って言われ続けて。気づいたらいつも完成してるんですよね(笑)。