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INTERVIEW

FOO FIGHTERS

2017.09.13UPDATE

2017年09月号掲載

FOO FIGHTERS

先日、"SUMMER SONIC 2017"のヘッドライナーとしてファン待望の来日を果たした世界的ロック・バンド、FOO FIGHTERS。彼らが完成させたニュー・アルバム『Concrete And Gold』では、AdeleやBeyonceらを手掛ける稀代のメロディ・メイカーで、Dave Grohl自身がかねてよりファンであり、良き親友でもあったというGreg Kurstinをプロデューサーに迎えて楽曲制作を行うという、かつてない試みにも挑戦している。今作から正式に新キーボーディストが加わり、6人編成となった彼らが魅せる新境地とは。Dave GrohlとNate Mendelのふたりがそれぞれ語ってくれた。

Dave Grohl (Vo/Gt)

曲を書きながら"今の世の中の空気感を纏ったものになるだろうな"とは確信していた

-新作のアルバム・タイトル"Concrete And Gold"に込められた想い、もしくはアルバム・タイトルの由来を教えてください。

アルバム・タイトルはアルバムの最後の曲からきているんだ。面白いのが、このアルバム用に歌詞を書いていたときのことなんだけど、先に曲を全部書いていてね、インストゥルメンタルが15、16曲あった。歌詞のアイディアはいくつかあったけど、ちゃんとした形になっていたものはなかったんだ。それで都会から出て、1週間くらい田舎の一軒家を借りた。ポータブルなスタジオ機材とギターとマイクと、あとワインもね。それをセットアップして、音に合わせて歌い始めたんだ。歌詞は必ずしも紙に書いていたわけじゃなくて、頭に思い浮かんだものをそのまま歌った感じだった。感情の赴くままに歌っているのをあとで聴き返してみたら、とても素晴らしかったんだ。何のフィルターもなく、何を歌っているかも考えずに、感じたままを歌っていた。それを録音してみたら、このアルバムを締めくくるのにパーフェクトなフィナーレができていたんだ。希望が感じられるものだったからね。人間の心は金(ゴールド)なんだって感じた。そして俺たちの住んでいる世界は、何層にも重なったコンクリートに取り囲まれているような気がする。でも俺たちの根っこは想像以上に力強いものだ。都会のストリートに生えている木みたいに、コンクリートを突き破って成長できるものなんだ。それが人生の意味だからね。DNAやアメーバの小さなスペックから、山や木にまで大きく成長できる。そして、絶望や生き延びること、愛情......そういった紆余曲折を進んだあとに"希望"という概念がアルバムを締めくくっているんだ。すべての最後に希望があるっていうのが好きなんだよ。

-今作は何かコンセプトがあるのでしょうか?

曲を書きながら"今の世の中の空気感を纏ったものになるだろうな"とは確信していた。自分自身に語り掛けたいもの、他の人に語り掛けたいものがあるのはわかっていたんだ。時には歌で伝えるのが一番いい方法だったりするからね。ミュージシャンっていうのは、何かを表現することがいつも最優先課題なんだ。それがリアルであることも大事だね。自分が本当に思っていること、本当に感じていることを歌う。歌詞は最後の6ヶ月くらいで書いたかな。それで思ったのが"人類"という一般的な意識が何だか複雑になったな、ということだった。時にはひどく軽蔑的だったりしてね。美しく希望に満ちているときもあるけど。......そうだね、身の周りの人生にインスピレーションを受けたんだと思う。父親として、アメリカ人として、ミュージシャンとして、そして筋金入りの変人として(笑)。そういうものが作品に影響していったんだ。

-新作のプロデューサーとして初めてGreg Kurstinとタッグを組んで、一番印象に残っている思い出やエピソードを教えてください。

実は、彼がプロデューサーだって知る前から、Gregの音楽のファンだったんだ。彼はTHE BIRD AND THE BEEというバンドをやっていて、俺は彼らの1stアルバムの虜になってしまった。何ヶ月もの間、1日3回とか聴いていたよ。音楽のセンス、楽曲、アレンジ、ハーモニー、メロディ、どれをとっても、今まで俺が聴いてきたどんなものよりもとにかく深くて魅力的で美しかったんだ。THE BEACH BOYSや、George Martinが手掛けたTHE BEATLESの作品みたいな感じ。プロダクションをじっくり聴いて、"ワオ! これは本当に、本当に美しいじゃないか"と思った。そんなある夜、彼をレストランで見掛けた。彼がプロデューサーだって俺は知らなかったから、ただ彼に駆け寄って"なんてことだ! THE BIRD AND THE BEEは俺のファッキンお気に入りのバンドなんだ。あなたがここにいるなんて。こんなところで何を?"って......ちなみにそのときはハワイにいたんだけどね。彼に"THE BIRD AND THE BEEはどうなったんだい?"って訊いたら、"またアルバムを作るつもりだけど、その前にSiaやAdele、Beyonce、P!nkのプロデュースがあるんだ"って言うんだ。そこで俺は初めて、彼がそんなに地位を確立したビッグ・プロデューサーだってことに気づいた。そうして友達になって、何年もの間ひたすら音楽談義をしていた。ロックンロールの話もしたし、ジャズの話もした。彼はジャズ・ミュージシャンなんだよ、それも一流のね。で、新しいアルバムを作ることになったとき、THE BIRD AND THE BEEのジャズ・ミュージシャンと、とてもファッキン・ヘヴィな曲を一緒に録音したらどうなるだろうって思ったんだ。パーフェクトなペアリングだと思ったよ。ハーモニーとメロディのセンスが豊かな楽器編成に、ファッキン・ヘヴィなリフを乗せたらどうなるだろうってね。彼の仕事ぶりを見ているのは驚きの連続だったよ。あんなに音楽の知識がある人と仕事したのは初めてだったね。例えば、何かにハーモニーを乗せようと思ったら、他のFOO FIGHTERSのアルバムだったら2、3パートのハーモニーを入れるところを、Gregは5、6パートのハーモニーを入れるんだ。いや、7パートかも。まるで合唱団が歌っているかのように聞こえるんだ。まったく度肝を抜かれたよ。彼の仕事ぶりを見ているのは、熟練した職人の仕事を見ているようなものだった。ものすごくインスピレーションになったね。彼はファッキンな天才だよ。本当に、本当に素晴らしい。

-今作からFOO FIGHTERSは6人編成になりました。前々作で5人編成となりギタリストが3人に、そして9thとなる今作でキーボーディストのRami Jaffeeが正式加入し6人編成となりましたが、ロック・バンドであるFOO FIGHTERSにとって、キーボードの存在とは?

面白い話があるんだ。Ramiに出会ったのは......というか、FOO FIGHTERSの中で起こる出来事っていうのは、だいたい偶然なんだよね。洗練されたプロフェッショナルな決断っていうのはあまりやらないんだ。たいていは成り行きに任せる感じだね。どんなものが良いか悪いかはわかっているから。Ramiとは家族の友達を通じて出会ったんだ。15年くらい前かな? 昔の話だよ。あいつは別のバンドをやっていて、優れたスタジオ・ミュージシャンでもあった。あいつに"キーボードが必要になったら言ってくれ"と言われたんだ。でも、そんなことありえないって思っていた。FOO FIGHTERSにはキーボードなんていらないってね。ところが13年くらい前、アコースティック・アルバムを作った。そのとき、ハモンドのB-3オルガンやピアノ、メロトロンなんかが必要になって、"そうだ、あの男に声を掛けてみよう"と思った。それでRamiが来て一緒にプレイし始めたんだけど、それ以来あいつはFOO FIGHTERSの新しめの曲の大事な部分を担うようになったんだ。例えば「The Pretender」とか、6thアルバム(2007年リリースの『Echoes, Silence, Patience & Grace』)の曲とかだね。そのころあいつがジョインするようになって、このバンドの中でより大きな役割を占めるようになった。今じゃそうだな......12年ほどのファッキン長い間、一緒にいるんじゃないかな。だからあいつは、バンドの一部だってずっと考えていたんだ。最近別のインタビューを受けたとき、"Ramiと一緒の写真を見ましたけど、正式メンバーになったんですか?"って訊かれてさ。俺は"あぁ。10年くらい正式メンバーだよ"って言ったんだ。俺たちにとって、スタジオでやることをライヴでも再現できることはとても大事だから。Ramiがアルバムへプラスしてくれたこともたくさんある。あいつには存在を発揮してほしいんだ。ファミリーの一員だからね。人間的にもみんな似てるし、俺たち6人でギャングの一団みたいなものなんだ。