－なるほど......わかる気がします（笑）。そして、"耳なし芳一"を題材とした「耳物語」は......"story of the ear"って狙ってますね？

橋兄さん：楽曲完成当初のタイトルはまさに"耳物語～story of the ear～"でした（笑）。僕は語呂が良くてすごく気に入ってたんですが。なんでやめたんでしたっけ？

新宅：深い意味はないけど、"なんか露骨かなー"と思って。歌詞読んで、わかった人だけニヤリとしてくれればいいや！

－その「耳物語」と続いての「カンダタ地獄変」は、楽曲の中に台詞が入っているのも面白いですね。台詞を読むのは、歌うのとは違った難しさがあるんじゃないでしょうか？

茂さん：少しだけ筋肉少女帯をリスペクトしておりまして、そんな雰囲気を感じてもらえたら幸いです。難しさというよりは気恥ずかしさとの勝負ですかね。

－「カンダタ地獄変」は、芥川龍之介の小説"蜘蛛の糸"の世界観ですが、シンセサイザーも取り入れた、壮大なアレンジになっていますね。各プレイヤーの見せどころが詰まった、間奏の複雑に入り組んだアンサンブルも印象的な楽曲ですが、レコーディングに苦労はありましたか？

ダヴィデ：この曲と「Catcher in the cage」でシンセを弾いてくれてるのは、僕の別バンドの"六合"の八木（俊介）君なんですが、"本業の仕事が忙しすぎて納期に間に合わない。他の人を当たってくれ"って言われたときはさすがに焦りました。他に頼める人もいないし、八木君の天才的なセンスにかなり期待してたので......。結果ミックス当日に間に合ったのですが、最高な出来に仕上がりましたよね！

新宅：この曲は8～9年前に作った古い曲なんですけど、今回大幅に編集し直して再録に挑みました。とりわけシンセサイザーのおかげで、昔よりかなりカッコよくなったと思います。この場を借りて、八木さんありがとうございました！

－そして、ラストを飾る「Catcher in the cage」は、リンネ堂さん制作の人気フリー・ゲーム"獄都事変"の公式テーマ曲ですね。このコラボが決まったきっかけは？

茂さん：ダヴィさんがどこからともなく引き受けてきたお仕事です。

新宅：経緯はともあれ、人に頼まれて曲を作るという経験が初めてだったため、かなり気合を入れて作曲に挑みました！ 歌詞の面でも、ゲームの世界観をよく表現できたのではないかと思っています。タイトルは"ライ麦畑でつかまえて"の原題"The Catcher in the Rye"のオマージュで、この曲の"誰か私をつかまえて"という歌詞もそこに掛かっています。

－誰もが親しめるテーマと実力派なメタル／メタルコア・サウンド、且つそれぞれ個性的なアプローチの5曲が揃った今作ですが、メンバーそれぞれのお気に入りの楽曲はどれですか？

茂さん：「マリア様がふまれてる」ですね。みなさんと一緒に叫びたいです。

橋兄さん：僕も"マリふま"です。突っ走りまくってる感じが聴いてて気持ちいいですね。「耳物語」のドラム・フレーズも結構気に入っているのでぜひ聴いてほしいです！

ダヴィデ：「耳物語」ですね！ 歌詞にストーリー性があるし、歌っていてやりがいがすごいある。イントロのTOOLっぽいリフも大好きです。

Diamond 拓人：私は、「Catcher in the cage」ですね。曲展開、歌メロ、あとはそれぞれがわりと自由にアプローチしてますが、個人的にハマってます。

新宅：松平くんと同じく「Catcher in the cage」です！ この曲を仕上げるのはかなり苦労したので、思い入れが強いです。DIR EN GREYが大好きなんですけど、この曲は結構DIR EN GREYを意識してます。"全然ちゃうやんけ！"って声が方々から飛んできそうですが......。

－リリース後には、名古屋と東京でのライヴも予定されていますね。特に、東京での公演は自主企画ですが、どんなライヴになりそうですか？

橋兄さん：どのバンドも個性ありまくりなメンツで非常にボリューム満点なライヴになりそうです。一方で転換時はおとなしいBGMを流しておとなしくしてます。ライヴで疲れた耳を休ませていただけます。それから、くじ引きで豪華景品を用意しております。

茂さん：そうそう、サイン入りコシヒカリの抽選プレゼントなど、プラス・アルファでみなさんに楽しんでもらえるよういろいろと小ネタを考えてます。最初から最後まで楽しんでもらいたいと思いますのでご期待ください！

Diamond 拓人：個人的には、今回のイベント・タイトル"地獄の果てまでイッテQ！"も気に入ってます。

－今作で初めて極楽浄土を知るリスナーも多いんじゃないかと思いますが、これから"もっとライヴをやってほしい！"というファンが増えた場合であっても、今後も解散を繰り返すのでしょうか......？

茂さん：そういうことになりますね！ みなさんと一緒に解散の向こう側に行けたらと思います。

－最後に、激ロック読者へのメッセージをお願いします。

ダヴィデ：とにかくライヴに来てほしい！ ライヴハウスでお会いしましょう！

茂さん：めちゃめちゃいいCDができました！！ ぜひ聴いて、ライヴにも遊びに来てください！ 聴いてくれない人の家には化けて出ます！