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INTERVIEW

極楽浄土

2017.08.07UPDATE

2017年08月号掲載

極楽浄土

Member:茂さん(Vo) ダヴィデ(Gt/Vo) Diamond 拓人(Gt) 新宅(Ba) 橋兄さん(Dr)

Interviewer:山本 真由

日本史ネタ業界はパイの取り合いが激しくて......おいしいネタを先に取られないようにしたいです


-音楽性はまったく違いますが、同じく日本史を題材にしている、池田貴史さんの"レキシ"は、CM出演など今ノリに乗ってる感じですが、ファンからも比較されたりしますか?

橋兄さん:"比較"というよりは"対バンしてほしい!"という声はちらほら上がってます。

ダヴィデ:絶対無理や!

橋兄さん:ですよね(笑)。それからバンド内でも、曲に対していい題材が浮かんだ際に"レキシさんとネタ被ってないか?"とか確認することはよくあります。

-また、日本史ネタというと、「本能寺の変」など"踊る授業シリーズ"動画でお馴染みのダンス・ユニット、エグスプロージョンが子供を中心に大人気ですが、この流れに乗って、極楽浄土の新作も話題になりそうですね! そういった期待はしていますか?

新宅:だったらいいんですけどね! 橋兄さんも言ったとおり、日本史ネタ業界はパイの取り合いが激しくて、最近だと水曜日のカンパネラとかもガンガン日本史ネタの曲を作っているので、おいしいネタを先に取られないようにしたいです。もう周回遅れな気もしますが......。

-そう考えると、結構激戦区な業界ですね(笑)! とういうことで、新作ミニ・アルバム『GHOST IN THE WELL』の完成おめでとうございます。まず、この"GHOST IN THE SHELL"っぽいタイトルには、どんな意味が込められているのでしょうか?

新宅:ありがとうございます! タイトルは和訳すると"井戸の中の幽霊"ということで、1曲目の「ディッシュカウンターお菊」に関連したものになっています。そしてお気づきのとおり、名作SF映画"GHOST IN THE SHELL"(※"攻殻機動隊"の映画版)に引っ掛けています。

-題材とする史実や古典は、どうやって選んでいるのですか?

新宅:1年ちょっと前から僕は島根県松江市に住んでるんですけど、松江は日本の怪談を編さんした小泉八雲ゆかりの地でもあり、その関係で2曲ほど今回のアルバムには怪談関係の曲が入っています。"怪談はテーマとしてありだな......!"と思いまして。次は"四谷怪談"をテーマにした「ポイズンデッドお岩」って曲を作るつもりです。

-その古典怪談がテーマとなっている楽曲のひとつ、「ディッシュカウンターお菊」は、"皿屋敷"がモチーフとなっているわけですが、怪談話というホラー感はなく、主人公・お菊寄りの目線で冤罪への怒りを激しく表現し、またエモーショナルなメロディでは悲劇の主人公への同情が表れているようです。題材の解釈の方向性は、作詞を手掛けた茂さんと新宅さんがふたりで考えたものですか?

茂さん:この曲に関しては"ディッシュカウンター"という言葉が出てきた時点で方向性が定まりまして、そのあとは完成までかなり早かったですね。お菊の追体験をしようと井戸の中で歌詞を仕上げたような気がします。

新宅:この曲はほとんど茂さんが作詞してます。怪談をテーマにしながらもコミカルな感じに仕上がったのは、彼が無類のB級ホラー映画好きだからだと思います。

-続く「マリア様がふまれてる」では、隠れキリシタンの苦悩が表現された、これまたキレッキレなメタルコア・サウンドで、サビの"わたしじゃない!"の合の手がいいですね! 「ディッシュカウンターお菊」の"dish! dish!"もそうですが、ライヴでは大合唱になりそうな。そのあたりも意識して制作されているのでしょうか?

新宅:この曲は完全にIN FLAMESとかSOILWORKみたいな北欧メタルを意識して作りました。"わたしじゃない!"のパートは僕がひとりで叫んでて、ところどころ声が裏返ってしまってるんですけど、他のメンバーが"命乞い感が出てて逆にいい"と評したため、そのまま採用しています。ライヴでみんなと一緒に命乞いできたら嬉しいです!

茂さん:ちなみに"許してください"を繰り返すパートは、"エヴァンゲリオン"の劇場版でアスカが"死ぬのはイヤ"って繰り返すシーンをイメージしてます。