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INTERVIEW

GOOD4NOTHING

2017.06.13UPDATE

2017年06月号掲載

GOOD4NOTHING

Member:U-TAN(Vo/Gt)

Interviewer:荒金 良介

俺らはメロディックでやってきたし、これからもやっていく


-「IT'S NOT ALRIGHT」もいい曲ですね。展開も凝ってます。先ほど、『NIGHT』のときに録って入れなかったと言ってましたが、なぜ今回収録しようと?

録った曲を全部並べたときに、いい位置にハマッたから。入れるか入れないかで、メンバーとは結構揉めましたね。結果、いいフックになるから入れようと。

-「IT'S NOT ALRIGHT」のアカペラ風の歌声も新鮮だし、ストーリー性のある曲調で良かったです。それと、今作のアルバム名を"MELODIC-HOLIC"にした理由は? GOOD4NOTHINGが"MELODIC"という言葉を使ったのは初めてですよね。

一昨年から"MELODIC COASTER"というイベントを始めたんですけど。2nd(2003年リリースの『24』)、3rd(2005年リリースの『TIME TO GO』)を出した時期は西海岸メロディック・パンクがブームになって、あのころはそこに括られることが多かったから、それが嫌だったんですよ。もっと前からメロディックが好きやったのに、ブームになったあとに括られることが嫌で。俺らと同じ世代のメロディックともあえて一緒にやらずに、いろんなバンドと対バンして経験値を上げてきたんですけど。それからまた一緒にやる機会も増えて、いつかメロディックだけのイベントをやりたいと思うようになったんです。

-えぇ。

それを経たから、自分の中でも説得力というか、自信が出てきたのかな。俺らはメロディックでやってきたし、これからもやっていくんだからと。"SAKAI MEETING"THE CHINA WIFE MOTORSと一緒に立ち上げたイベントやけど、自分たちでひとつのイベントをやりたくて。昔やったら、今回のアルバム名はつけなかったでしょうね。曲を集めたときに自分たちの好きなメロディック・チューンが揃ったから、とにかく"MELODIC"という言葉を入れたくて。で、"『MELODIC-HOLIC』はどうかな?"と言ったら、メンバーみんな"ええやん!"と言ってくれたんです。アーティスト写真を含めて、ルーツにあるメロディックを俺ら風に面白くやろうかって。今の若い子って、RANCIDGREEN DAYとか知らないでしょ?

-そう、こないだ別バンドを取材したときにも、GREEN DAYを知らない世代がいるという話をしたばかりなんですよ。

昔はレコ屋しかなくて、好きな奴は探りに行ってたけど。今は便利な世の中やから、逆にオーバーグラウンドなところしか目がいかないのかなと。"俺らが聴いてたすごいメロディック・バンドがいたんだぞ!"って知ってもらいたくて。それからまたTHE CLASHSEX PISTOLSに辿り着くわけじゃないですか。自分で探るのも音楽の面白さやと思うんで。押しつけたくはないけど、あのアーティスト写真はBLINK-182を面白おかしくやってるみたいやでって。それでCDを聴いてくれたら、俺らは嬉しいですからね。ライヴ転換中のBGMで、いろんなメロディック・バンドの曲をかけたりするのも俺らなりの演出で、いいバンドを知ってもらいたいですからね。そういう気持ちが最近芽生えてきたので、このアルバム名をつけました。

-今作を聴いた人がまたそれぞれの音楽ルーツの旅に出てほしいと。

絶対楽しいじゃないですか。俺らもBLINK-182は何を聴いてたんだろと思ったら、SCREECHING WEASELのカバーをしてたから、それでCDを買いましたからね。そこからLookout! RecordsのTHE QUEERSあたりも聴いて、"ほかにもめっちゃおるやん!"って。音楽ルーツを探る旅って楽しいですからね。

-先ほど"自分たちの好きなメロディック・チューンが揃った"と言ってましたが、もう少し言うと?

例えば「IN MY EYES」(Track.6)とか、いきなり歌で始まるじゃないですか。それは90年代のスケート・ビデオのバックで流れていたメロディックのイメージなんですよね。ああいう音に自分たちは高揚していたなって。

-改めて、U-TANが思うメロディック・パンクの魅力とは?

俺が一番かっこいいと思うのはギャップですかね。フザケたMCをしていたのに、いきなりバッと曲に入ったときにドキッとしたり。格好はダサいのに、曲が始まったらめっちゃかっこいいとか。BLINK-182もワーク・シャツを着てたじゃないですか。俺らはこういう服装でもパンク・ロックをやってるんだぞ! って。見た目じゃない部分に惹かれますね。

-そして、ラスト曲「MELODIC-HOLIC」(Track.14)で最大のギャップが待ち受けているという。

メロコアちゃうんかえ! って(笑)。

-絶対イケイケのメロディック・チューンが来ると思ってました。

はははは。これ、録音する2週間前に思いついたんですよ。"MELODIC-HOLIC"という曲名の楽曲を入れたいなと。演奏するんじゃなく、曲をかけて踊れるようなエンディング曲にしたくて。でも、作ったことがなかったから、難しかったですね。ディズニー作品で流れるようなミュージカル風の曲を作りたかったけど、まずどんな楽器が入ってるかもわからなくて(笑)。THE CHINA WIFE MOTORSのNODA君(MASAKI NODA)が堺市音楽団の団長で、チューバを吹いてるんですよ。相談したら、管楽器、弦楽器、太鼓とかで成り立ってると。それから何となくドラムを作って、ホーンはHEY-SMITHのケンちゃん(イイカワケン)に吹いてもらいました。

-最後に、今作の歌詞を通して伝えたいことは?

今のキッズも俺らが歩んできた道を通るわけじゃないですか。仕事や家庭を持ったりして......そこでバンドがグラッと来る時期もあると思うけど、最終的に自分が死ぬときはひとりやし、そのときに笑えるような人生の選択をしなきゃダメだなと。その気持ちは歌詞にも散りばめてるつもりです。2週間前にじいちゃんが死んだんですけど、構えていても悲しい出来事やし。俺らは日々笑って"またな!"と言えることがすごく幸せやなと思うんですよ。だから、ちょっとのことでヘコたれていられないなと。