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INTERVIEW

ALL TIME LOW

2017.06.02UPDATE

2017年06月号掲載

ALL TIME LOW

Member:Alex Gaskarth(Vo/Gt)

Interviewer:鈴木 美穂

かつてFALL OUT BOYのPete Wentzは、人気若手バンドの5 SECONDS OF SUMMERに、"クールなバンド"としてALL TIME LOWを薦めていた。現在、ALL TIME LOWは、サウンド、ルックス、バンドの姿勢、すべての面において、新世代のポップ・パンク・バンドの中で、おそらく最もクールな存在と言えるだろう。前作『Future Hearts』は、全米2位、全英1位を達成し、ツアーも規模が拡大されて、大きな成功を収めた。その前作から2年、待望の新作『Last Young Renegade』が、新しく移籍したFueled By Ramenより発表される。色鮮やかで瑞々しいのに、切なさや郷愁も感じるエモーショナルなアルバムで、ひと続きの青春映画を見ているような心地にさせられる大作だ。ヴォーカルのAlex Gaskarthに、電話取材した。

-こんにちは、お元気ですか?

すごく元気だよ。取材してくれてありがとう。

-こちらこそ、取材を受けてくださってありがとうございます。

もちろんだよ!

-ニュー・アルバム『Last Young Renegade』を聴きましたが、最高の出来ですね! 前作以上に、ALL TIME LOWのサウンドが進化したのを感じます。今までどおりに親密な感じは保ちつつ、最高にワイドで普遍的なサウンドに仕上がっていると思いました。

どうもありがとう! 嬉しいな。僕たち、このバンドを続けてほぼ14年になるんだ。だから、新しいことを試して、サウンドをよりビッグにしたかったんだよ。過去数年で、僕たちのショーの規模がかなり大きくなって、アリーナやフェスティバルでやることが増えたんだ。だから、このアルバムで、より大きな会場向けにサウンドを変化させたかった。僕たちがこれまでに作った曲を超越するような、大作になる曲を作りたかった。制作に取り掛かるにあたって、そこにフォーカスしたんだ。

-実際に、どんな新しいことを試みたんですか? 新しいプロデューサーと組んだとか?

そうなんだ。実は、僕らの友人のプロデューサーたちと組んだんだよ。長年の友人なんだけど、プロデューサーとして仕事をしてもらったことはなかったんだ。ひとりはColin Brittainで、実は彼、ONE OK ROCKのアルバム(2017年1月リリースの8thアルバム『Ambitions』)をプロデュースしたんだよ。

-そうなんですね!

うん、ONE OK ROCKと僕たちは、今ではレーベル・メイトだからね。それで、彼らのアルバムでColinがやったことをすごく気に入って。彼はPAPA ROACHの新作(2017年5月リリースの9thアルバム『Crooked Teeth』)も手掛けたんだけど、その新作も素晴らしいサウンドなんだよ。それで、彼と一緒にたくさん仕事したんだ。もうひとりは、Blake Harnageで、彼はPVRISのアルバムとか、他にもいろいろとクールな作品を手掛けてるんだ。このふたりと一緒にやったことで、僕たちはたくさんのクールな新しいサウンドを作ることができたと思う。このアルバムを繋ぎ合わせている要素のひとつが、"ヴィンテージ感"なんだ。古いアナログのシンセサイザーを使って、80年代のサウンドを入れたんだよ。だから、それでもALL TIME LOWらしいアルバムになってると思うけど、そこに新しいサウンドが入ってるんだ。それによって、新しいフィーリングが加わったんだよ。

-素敵なシンセ・サウンドだなと思ってましたが、80年代のシンセだとは、気づきませんでした。 

(笑)そうなんだよ。

-プロデューサーたちは、作曲にも関わったんですか?

うん、僕たちはレコーディング・スタジオでもよく作曲してるから。レコーディング前に、たくさんの曲を書き上げてたんだけど、スタジオに入ってからいろいろ書き直したから、作曲には彼らも関わってたよ。このアルバムのすべてが、コラボレーションのようなプロセスで作られた。僕が一緒に仕事したい友人たちが、いろいろと助けてくれた。仲間と一緒に作ったからいい感じになったことが、アルバムに表れてると僕は思う。ポジティヴで、クリエイティヴな環境で作られたおかげで、このアルバムの曲にはすごくいいエネルギーがあるんだよ。

-えぇ、すごく高揚感がありますね。それから、あなたのヴォーカルも新しい感じになってますよね。今までよりもメランコリックな感触がありますが、そのあたりは意識して歌ったんでしょうか?

うん。このアルバムでは、今までよりもダークで、物悲しいテーマを開拓した気がしてる。それは僕たちがあまりやらない、ちょっと新しい領域なんだよね。それで、このアルバムではその領域をもっと開拓したかったんだ。だから、音楽がその方向に向かっていたから、その雰囲気に合わせて僕のヴォーカルも少し変化したんだ。曲に宿る感情を、より正確に表現するためにね。さっきも言ったことに繋がるけど、僕たち自身に挑戦して、新しいことを試したんだ。キャリアのこの時点で、今でもクリエイティヴになる新しい方法を見つけて、新しいことに挑戦できるのは、すごくクールなことだって感じてる。僕はシンガーとして自分を向上させたいし、よりダイナミックなシンガーになりたいんだ。