MENU

激ロック | ラウドロック ポータルサイト

INTERVIEW

DIMLIM

2017.05.22UPDATE

2017年05月号掲載

DIMLIM

Member:聖(Vo) 竜弥(Gt) 烈(Gt) 翼(Ba) 壱世(Dr)

Interviewer:KAORU

-「虚妄の歌」の歌詞を読んで、ヴィジュアル系のファン、いわゆるバンギャの人に向けて書いているのかな? とも感じたのですがいかがでしょうか。

聖:そこも少し意識しましたけど、いじめとかですね。すべての曲が暗いんですけど、身近にある暗いテーマを書こうと思って。自分が幼少期にいじめを受けていたということもあったので、それも踏まえて。みんな助けを求めているんじゃないかな? とか、いろんなことを思いながら書きました。そういうときって、自己愛に走ってしまうから。自分を守ろうとして。そういうところを強く出してみました。

-なるほど。聖さん自身、自己愛が強いということですか?

聖:いや、そうでもないんです。

-そういうことを批評的に書いたということですね。

聖:はい。自分は諦めモードになっちゃうんで。

-SNS世代特有のいじめも背景にありましたか?

聖:それもあります。あとは教室でも階級ってあるじゃないですか。

-歌詞にある"ヒエラルキー"という部分ですね。

聖:そういうものを意識しました。聴いた人によって場面は違うと思うんですよ。会社だったり、バンギャだったり、友達だったり。その中で誰が私を助けてくれるんだい? っていうののが多いと思うんですよね。

-たしかにそうですね。それからヴィジュアル系のファンは外側から見るとヒエラルキーがかなり独特なイメージもあります。

聖:たしかにそうですね。

「THE INVISIBLE」(Track.2)は、少しアメリカンというか、SLIPKNOTなどを彷彿とさせる感じというか。

壱世:何も考えずに2~3時間で作りました。ちょっとエモい感じで。ストレートでノりやすいというか。

-たしかにリズムはストレートですね。DIMLIMのサウンドの印象として、不協和音を巧みに取り入れているので、協和音/不協和音の概念とか音楽理論に詳しい人が曲を作っているのかな? と思っていたのですが、短2度や長7度などの不協和音とされている音程を入れてみようとか、そういうことを意識したりは?

壱世:いや、全然。あまり難しいことは意識してないんですけど、不協和音ってヴィジュアル系っぽいじゃないですか。だから入れたいなっていうのはあります。ここで一発ふぬけた音を入れてみようとか、そんなノリで。

-ふぬけた音とおっしゃいましたが、そこがとても引っ掛かるところ、インパクトが強い音なんですよね。それでは一連の曲について各パートごとの聴きどころを教えてください。

竜弥:「虚妄の歌」は、結構やりたいようにやりました。サビ前のセクションで烈君がピロピロやってる後ろにきれいめなコードを入れてたり、サビ終わりの付点8分(音符)のディレイとかは、僕が好きな音楽、辿ってきたうえでの欠かせないフレーズですし。もともと速弾きより空間系のエフェクトをかけたきれいな音色が好きなんですよ。

-ディレイのかけ方という部分でしょうか?

竜弥:そうですね。音が返ってくる回数や返ってくる音のバランスとかにこだわっています。でも、バンドを始めてからレコーディングでディレイを使ったのは初めてでした。

烈:この3曲の中だと、「アハレワタ」のAメロは難しい部分でかなり考え抜きました。ああいう流れるようなフレーズが好きなんですよね。D.I.D.に影響されているということもあるんですけど。「虚妄の歌」のサビのリード・ギターもメロディアスで流れるようなフレージングになってるので、ぜひ聴いてほしいです。

翼:レコーディングではシンプルに弾くんですけど、あとあとになってライヴとかスタジオでは自分の感覚で新しいフレーズを作っていって、これ入れちゃおう! っていうのが多いです。レコーディングされてる3曲もすでに変えてますし、「『初潮』」(Track.6)も音源と違う形ですでにライヴで弾いてますし。基本的に音源とライヴでは絶対に違うものを弾きたいと思うタイプなんですよ。前のバンドのときからそうなんですけど、そうでないとお客さんが飽きちゃうと思うので、聴かせるという部分においては必ず意識してます。あとは(ギターとの)ユニゾンを、いかにちゃんと弾くかっていうところですね。

-そのユニゾンも、だいぶ難易度が高そうですよね。

翼:たしかにムズいですね。LOUDNESSのベースの山下昌良さんの言葉なんですけど、"ユニゾンっていうのは、聴いたときにそれがギターなのかベースなのかわからないくらいきっちり弾いてこそのユニゾンなんだ"というようなことを言ってて。だからレコーディングでも必ずきっちり同じように弾こうとは思ってるんですけど、気持ちだけで追いついてないからまだまだ精進しないといけないですね。

壱世:ドラムはトリガーを使ってます。音色はキックをバチバチにしてたり、使われそうで使われてない音色を意識しました。

-「アハレワタ」のMVは14万回を超える再生回数になっていますが、コメント欄を見ると海外の人も多く書き込んでいますね。

翼:やっぱり音楽的にも海外方面から受けてるんじゃないですかね。

-海外進出も意識されていると思いますが、出てみたいフェスなどはありますか?

竜弥:"Download Festival"とか"Warped Tour"ですね。それと僕がDeviloof在籍時に決勝大会で惜しくも負けてしまったドイツのフェス"Wacken"ですかね。

翼:"KNOTFEST"! 日本でも。

壱世:あぁ、"Taste Of Chaos"とかありましたね。

"SCREAM OUT FEST"も合いそうですよね。

竜弥:そうですね。"SCREAM OUT FEST"は僕が好きないわゆるメタルコアのバンドが多く出ているのでなんとしても出たいですね。TRIPLE VISIONに所属しているバンドに知り合いが多いんですけど一番に悔しいって気持ちもあるし、やっぱり仲良くしてもらってるLast Day DreamVictim of Deceptionと一緒にやりたいです。ジャンルは違うけれど絶対楽しいと思うので。

-ラウド系のバンドとも交流があるんですね。DIMLIMはサウンド的にはその界隈に近いと思いますが、ヴィジュアル系で活動するにあたっての良い面と悪い面についてどう考えているのかを教えてください。

壱世:良い面については自由度が高いっていうところですね。俺はヴィジュアル系っていうのは音楽ジャンルだと思うんですよ。

-と、いいますと?

壱世:化粧してない人がやっていたら、あれ? っていう曲がいっぱいあると思うし。

-歌い回しであったり? サウンドのみでということですか。

壱世:そうですね。歌い回しだったり、雰囲気だったり。

翼:たしかに、なんでもできるっていうところは大きいですね。あとはやっぱり見た目を使って表現できるっていうところは強いと思います。ステージングも他のジャンルとは違いますし。一時期ハードコアのバンドをやったことがあったんですけど、ヴィジュアル系のステージをそのまんまやったら、メンバーにもPAさんにもお客さんにも、"ダサいからやめてくれ!"って言われたんですよ(笑)。"まじか!? これがヴィジュアル系だったらかっこいいのに"と思って。あとはメイクをして名前を変えて違う自分を演じられるというか。ライヴのときは役者をやっている気分でもあるんです。

-演じてる、という感覚なんですか。

翼:基本的に自分のことが大っ嫌いなんですよ。だから、自分が好きな自分を演じてるっていう気分ですね。"DIMLIMの翼"っていうものを演じてかっこよく見せられるっていうことが好きだし。イヤなところは"ヴィジュアル系=ヘタクソ"っていうイメージが定着しちゃってるじゃないですか。どんなに上手い人でもヴィジュアル系だとヘタクソって思われてディスられるし。ノクブラはその概念をぶち壊してるから、そこは尊敬します。若い子とかは、例えばthe GazettEでも(ヴィジュアル系だから)ヘタって思うんですよ。昔は正直自分もそう思ってましたけど、実際に"漆黒"のライヴ(※2016年2月開催の"the GazettE LIVE TOUR 15-16 DOGMATIC FINAL -漆黒- LIVE AT 02.28 国立代々木競技場第一体育館")を観に行ったときに、やっぱりこれだけ売れてるのは上手いからだって思いましたし。だからヴィジュアル系のデメリットは技術がないって思われてしまうところですね。俺の周りのハードコア系のバンドマンもそういうふうに思ってますし。