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INTERVIEW

TWO-nothing

2017.04.19UPDATE

2017年04月号掲載

TWO-nothing

Member:satoshi(Vo) muuu(Gt/Cho) kazuma(Dr)

Interviewer:吉羽 さおり

北海道・小樽発の5ピース・バンド TWO-nothingが、2ndフル・アルバム『It's Never Goodbye.』をリリースする。90'sのUSエモや激情ハードコア、また哀愁の旋律を力強く響かせるメロディック・バンドの血統を受け継ぎつつ、さらにナイーヴでセンチメンタルな濃度を増した曲が、切なさを呼ぶバンドだ。小樽で結成し十数年、様々なバンドを地元に呼び、また地元の音楽シーンを守りながら活動をしてきたという5人。4年ぶりのアルバムには、いつでも帰れる場所にしたいという故郷に対する思いはもちろん、この音楽が心の故郷になれるような思い、そして音楽への信頼が刻まれている。

-2004年結成ということですが、どういう感じで始まったバンドなんですか。

kazuma:僕が初期の方からいるメンバーなんですけど。最初は3人編成で、地元のライヴに出ようという音楽好きが集まって結成したバンドでした。

-どんなバンド、どんなサウンドをやるのかというイメージは、具体的にありましたか。

muuu:最初は全然なかったですね。そのあと、僕が途中加入して、ヴォーカルのsatoshiが加入して、そこからいろんな地方にツアーに行ったりと、バリバリ活動していくようになりました。

-この5人になったことで、音楽的なところでの変化はありましたか。

muuu:5人になってメロディック寄りになったと言いますか、最近はヴォーカルのsatoshiが曲を作るようになって。satoshiのやりたいことを、みんなで表現していく感じですね。

-バンドとしてよりも、satoshiさんがやりたい曲をやっていくんですね。

satoshi:そう思って曲は作ってるんですけど、意外とみなさん、ストライク・ゾーンが狭いので、"こういうのじゃないとイヤだ"って、曲作りは結構揉めますね。それぞれ良いねっていうところと、良くないねっていうところが微妙にズレていて(笑)。それをなんとか修正して、5人みんなが良いねっていうところに落ち着ける作業が大変かなと思います。

muuu:それぞれいろんな音楽が好きで、共通の音楽が好きで集まったメンバーではないんです。小樽は狭い街なので、"ライヴしたい人"が集まったメンバーなんですよね。

kazuma:年齢も全員違うんです。

-みなさんそれぞれどんな音楽を聴いてきたんでしょう。

satoshi:僕は洋楽のロックが多いんですけど、Michael Jacksonにはめちゃくちゃ影響を受けました。曲には、全然活かしてないですけどね(笑)。

muuu:僕は、札幌のメロディック・シーンのバンドとかがずっと好きですね。キッズ育ちです。

kazuma:僕はX JAPANに始まり、それからずっとメタルばかり聴いてました。今は逆に、なんでも好きな感じです。

-強いて挙げるなら、5人の共通点はなんですか。

muuu:うーん。みんな、いい奴ですね。

-その感じも曲に出ますかね(笑)。

satoshi:こういう音楽やりたいよねっていうのは、あまりないというか。そこから作ったことがないんですよね。


音楽を続ける意味は何かと考えたら、"人"なんですよね。人との繋がりなんです


-今回リリースする2ndフル・アルバム『It's Never Goodbye.』は、コンセプト・アルバムだということですが。コンセプチュアルな作品にしようというアイディアは、いつごろからあたためていたんですか。

satoshi:今回は4年ぶりのアルバムなんですけど、前作『SAVE US REGIONS』(2013年リリース)のツアーが終わるころから考え始めていましたね。次は、自分と音楽の距離感を表現できるものを出したくて。4年間、そのことだけは心に留めて曲作りができたかなとは思います。

-その4年という時間の中でも、何か心境的な面での変化や強く思うようになったことなどはありましたか。

satoshi:4年前のツアーは全国を45本回ったんですけど。それから4年間は、ほとんどの街に行けなくて。"また来ます"と言って各地でライヴをしていたんですけど、やっぱりなかなか行けないところもあったんです。4年ぶりというのは、僕にとっては長い期間だったんですけど。この4年間、またちゃんと会いに行けるようにとか、次に会いに行ったときは、ちゃんと僕ら自身が変わって会いに行けるようにとか、そういう思いは強かったですね。さっと行くこともできるんでしょうけど、期間が空いてしまうとなかなか行きづらくなってしまったりもしていて。ちゃんと自分の中で音楽と向き合って、準備をして、それから会いに行きたいなって思ったんです。

-そうだったんですね。

satoshi:もともと自分の音楽との距離というか、音楽を続ける意味は何かと考えたら、"人"なんですよね。人との繋がりなんです。約束したのに、何年も会いに行けないこととか、また行きたい街とか、ふと思い出して無性に寂しくなって、戻れるわけでもないあのころに帰りたくなってしまったりとか。そんな思いをちゃんと曲にして、センチメンタルな部分をみんなと共有できるように、また遊びに行きたいなと思ってました。

-その思いは、ちゃんと1曲1曲の歌詞になりましたね。

satoshi:したつもりですね。今までは、歌詞を書くのがすごく苦手だったんですけど、とにかくたくさん書き出して、これはどういうことなのかっていうのを、自分にまた落とし込んで。それでまた違った歌詞になったりもしたんですけど、言いたいことは、今回のアルバムで言えたつもりです。

muuu:実は、アルバム全体でsatoshiの曲でいこうってなったのは、今作からなんです。

satoshi:このバンドはたくさん話し合いをするんです。その、話し合って共有したものを僕が曲として作ってくるという感じですね。

-思いを凝縮させると、よりセンチメンタルなものになってしまう?

satoshi:そうだと思いますね。東京や札幌ではわからないですけど、結構、小樽に似た街ってあると思うんです。進学や就職で都会に出てしまって、なかなか会うことができなくなる人がいたり、寂しい思いをすることもあって。出ていくことはいいことなんですけど、その人が地元やライヴハウスに帰ってきたときや、ふと帰ってきたくなったときに、いい環境を残しておきたいんです。匂いや景色と同じで、音楽を聴くことで、あのころにまた戻れるようなアルバムを作りたかったんですよね。