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INTERVIEW

the GazettE

2017.03.08UPDATE

2017年03月号掲載

the GazettE

メンバー:RUKI(Vo) 麗(Gt) 葵(Gt) REITA(Ba) 戒(Dr)

インタビュアー:KAORU

3月8日にリリースされた『TRACES VOL.2』は、全曲が再録音された"バラード・ベスト"という内容となっている。そこで焦点となるのは、原曲とどう違うのか? ということであり、どうして違うのか? ということだ。その答えは"ひとつひとつの音"、"ひとつの音に対するニュアンス"すべてに表れている。音を可視化できるのは楽譜だけだ。その大前提において、本テキストは、いささか感覚的な言葉が多くなっているが、the GazettEというバンドの極めて神聖なクリエイティヴの集大成である本作品に込められた"音"に対するアンテナの感度を高めるもの、すなわち、聴き手のクリエイティヴ、想像力を働かせ、the GazettEの音楽を楽しむという行為がより豊かになることに繋がれば幸いだ。そして、結成15周年を迎えるにあたってのテーマとなっている"異端"。バンドの原点を象徴するその精神性が、未だ過剰なまでの反骨精神に則っていることがわかる。

-この作品は、全曲を再録したバラード・ソングのベスト・アルバムという内容ですが、どうして今、バラードをやろうということになったんですか?

RUKI:15周年ということでベスト盤を出そうという話から始まって、個人的には既存の曲をそのままベストに入れるのはあんまり好きじゃないから、再録しようという話になったんですが、ヘヴィな曲を再録してもあまり良くなる傾向にないので。

-と、言いますと?

RUKI:ヘヴィな曲だと、当時の勢いとかが反映できないんで。だとしたら、バラードならいけるんじゃないか? という感じでしたね。

戒:みんなでミーティングをしたときに、"これはガラッと変えた方がいいんじゃん?"とか、アイディアがたくさん出てきて、いろいろと話しながら盛り上がりました。

-選曲はどのように行ったんですか?

RUKI:これまでのバラード曲を出していって、そこから選んでいったんですけど、全体を見た中で、これはバラードとは言えないなってものや、(再録を)やる必要がないとか、変えようがないとか、変えない方がいいな、というものを省いていきました。

-レコーディングにとても時間がかかったそうですね。去年には終わっている予定だったとか?

RUKI:最初の予定では(笑)。新曲を録るときは、プリプロ作業も含めてちゃんとヴィジョンがあるんですよ。でも、昔の曲を録るとなると、他の神経を使うんですよね。新しいものを最新の形でっていう考え方ではないですし、時間はかかりましたね。

-具体的にはどの工程に時間がかかったのですか?

RUKI:ミックスですね。

麗:でも、実際にミックスと言われる期間自体はそんなに長くなかったんですよ。

RUKI:そうね。ライヴとか、他の仕事も並行してやってたから、集中してという感じじゃなかった。

麗:映像作業とかもね。

-わかりやすくアレンジが変わった部分というと、例えば「Cassis」(Track.2)は、イントロがピアノになっていたり、歌詞が足されている曲があったり、フェードアウトだった締め方が、ジャーンという終わり方になっていたり。曲の締め方を変えたのは、ライヴを意識してということですか?

REITA:フェードアウトで終わらせた曲もありますけど、ライヴと同じように終わらせたのは「Cassis」とかですね。

-作品と同じ曲順で原曲のプレイリストを作って聴き比べてみたのですが、アレンジをガラッと変えたというより、とても細かいニュアンスの変化を感じる部分がたくさんありました。演奏面においても、ヘヴィな曲とは違う、バラードならではの見せどころ、バラード特有の難しさがあると思うのですが、どういうところにそれを感じますか?

葵:(ギターを弾く手の)"タッチ"ですね。右手も左手も。ごまかしが利かないですし、過去の曲であるとかも関係なく、神経を使うところです。

-今のスキルだからこそできた表現などを感じるのはどういうところですか?

葵:全体的に自然になった気はしますね。フレーズひとつにしても、昔はかなり頑張ってた感じがあるし、これ必要だったか? って感じるところもあるし。あとは、歌との兼ね合いでシンプルになっている部分もあります。

-「絲」(Track.11/初回限定盤のみ収録)は、原曲にはない16分(音符)でギターの音を足していますよね。

葵:これはAメロが変わってるので、みんながジャッジャッジャッて弾いてもどうかな? と思って乗っけてみたんですけど、それが最後まで残ってたっていう(笑)。

-とても印象的な音ですし、かっこいいなと思いました。

葵:だと思いたいですね。

-麗さんはいかがですか? 例えば「reila」(Track.5)では原曲に入っているギターのリフが抑えめになっていますが、どういう意図でそのようにしたのでしょうか?

麗:今回はミックスのボリュームのバランスを自分で調整したので、(弾き方として)あんまりギターを突いたりしなかったんですね。"ガッ!"てくるフレーズで、意図的にギターを"グッ!"と持ち上げていたところを、逆に突かないんですよ。エンジニアの人にお任せすれば、"おいしいところ、ここ欲しいんじゃない?"って調整してくれるんですけど、自分でやるとなると、わりと"空気"で、というか。

-主張するより、全体として融合させることを重視するということでしょうか?

麗:そうですね。フレーズそのものは主張してるんだけど、(バランスとして)そこまで前面に出なくていいよという感じでした。


それぞれが主張している音で、全部が溶けてもいい音像ではないんです


-ラウドな曲の場合だと、音がぎっしり詰め込まれているので、音に"隙間"みたいなものをあまり感じないのですが、バラードでは隙間こそが肝心なのかな? というイメージがあります。実際はどうなのでしょうか?

麗:ギターだけじゃなくて全体像の印象なんですけど、バラードって、音の隙間がありそうで、全然なかったりするんですよ。ギター、ベース、ドラム、歌......とにかく音の種類が多いし、さらに裏でシーケンスが流れたり、オケもきたり。それぞれが主張している音で、全部が溶けてもいい音像ではないんです。だから、"隙間"っていうところだと、ラウドな曲よりもないんですよ。どれも消えちゃダメな音だから。