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INTERVIEW

Sick.

2017.03.09UPDATE

2017年03月号掲載

Sick.

Member:詩季(Vo) 風輝(Gt) 吏(Pf) Avel(Ba) 豪(Dr)

Interviewer:杉江 由紀

-ピアノができて、なおかつヘヴィなロックが好きだというタイプのミュージシャンはかなり貴重な存在だと思います。吏さんは、以前から鍵盤を弾かれていたのですか?

吏:いえ。もともとはSLIPKNOTのコピーとかをベーシストとしてやってました。

豪:これがなかなか衝撃の事実なんですけど(笑)、彼はSick.に入るにあたってピアノを始めた人間なんですよ。

-えぇっ!......あぁ、でも。そこは、例の占い師さんの"何かに新しく挑戦しようとしている人"という言葉と重なりますね。

詩季:ですね! 彼は、Sick.のデモを聴いてとっても気に入ってくれて、どうしてもこのバンドに入りたいって思ったらしいんです。そのために、メンバーとしてピアノを探しているならピアノを始めようとまで思ってくれたわけですよ。その話を聞いて、僕はまだ吏と会ったこともないうちから"絶対、彼と一緒にやろう"って心に決めてました。だって、まずそのやる気とか前向きな姿勢が素晴らしいじゃないですか。そのうえ、実際に会ってみたら背もでかいし、イケメンやし(笑)、とにかく未知なる可能性みたいなものを彼に対しては感じてます!

吏:たぶん、これはタイミングもあったんでしょうね。僕も、この話がある前からちょうど鍵盤をやってみたいとは思っていたところだったんです。そこにこういう話が来たので、"これは自分にとってめっちゃいい場所が見つかった!"って直感的に思ったんですよ。きっと、その選択は間違ってなかったです。

風輝:新しく楽器を始める人間がいたり、ヴィジュアル系をやるのが初めての人間がいたり、最初はいろいろ見切り発車なところがあったにせよ、結果的にはうまいことここまで転がってきてるな(笑)。

詩季:たしかに! メンバー探しを始めたのが去年の春、この5人が揃ったのが去年の9月、初ライヴをやって最初のミニ・アルバム『Screaming inside can kill.』を出したのが去年の11月ですけど、なんとかここに来て2ndミニ・アルバム『II i I vii』も出せることになったわけですから、思っていた以上に順調に来ていることにはなると思います。


外タレに外タレとして勝つ、みたいなやり方をしてみたい


-そんな2ndミニ・アルバム『II i I vii』を聴けば、Sick.がジャンルの壁を飛び越えるかのような勢いで、アグレッシヴで革新的なサウンドを繰り出していることはよくわかります。ただし、現状ではまだその音を耳にしていない方たちも多いわけですから、ここで"Sick.の目指す音楽的方向性"についても語っていただけると嬉しいです。

詩季:ウチのバンドの場合、それぞれ経歴とかはバラバラなんですけど、5人とも共通して"SLIPKNOTや LINKIN PARKが好き。日本だとCrossfaithとか最高だよね"という共通点があるんですよ。Sick.では、そういう世界レベルで闘えるような音をヴィジュアル系のバンドとして出していきたいと思っているんです。つまり、将来的には外タレと張り合えるようになりたいということなんです。

-だとすると、ラウドロック的な音をあえてヴィジュアル系のスタイルで出していく意味とは何なのでしょうか。

Avel:それこそ、それはSick.にしかできないことだからです。例えば、メタルコアのバンドとかって、もちろんカッコいいんですけど、捻りがあんまりないじゃないですか。Sick.に入ってからヴィジュアル系について研究するようになって、いろいろわかったんですよね。ライヴ1本をやるにしても、普通のバンドが"ただ曲を続々と聴かせていく"のとは違って、ヴィジュアル系の場合は全体的な流れを考えながら、1本のライヴに物語のような意味合いを持たせていくことができるんですよ。そういう完成度の高い表現方法を取り入れていくことによって、Sick.は他のラウド系のバンドにはない独自性を打ち出していくことができるはずなんです。

詩季:特に、僕や風輝なんかは長い間ヴィジュアル系をやってきた経験もありますしね。ラウドな音を出すにしても、日本のバンドならではの独自なかたちは何かないものかと探したときに、"やっぱり、ヴィジュアル系という方法論はアリだな"と改めて思ったんですよ。それに、よくよく考えるとMARILYN MANSONとかMOTIONLESS IN WHITEとか、向こうにはゴシック要素の強いアーティストなんかもいるわけですしね。カラフルでキラキラしたキレイ系のヴィジュアル系とは違う、ゴスでダークなヴィジュアル系としての存在感を確立していければ、勝ち目はあるはずだと思ってます。

風輝:外タレに外タレとして勝つ、みたいなやり方をしてみたいっていうことですね。

-ならば、少し意地悪な質問もさせてください。Sick.の目指すその方向性について、"音はカッコいいんだから、わざわざヴィジュアル系みたいな格好をするのなんてやめればいいのに"という意見が出てきた場合、それに対してはどのように回答しますか。

詩季:そこに関しては、僕らのMVやライヴを観てもらえればだいたいわかってもらえると思いますよ。というのも、僕らは別に顔をキレイに見せるとか、普通のヴィジュアル系のバンドが大事にしていそうなところについては、ホントどうでもいいと思ってるんです(笑)。なんなら、ライヴの照明なんて逆光とかも多いですし、個人の顔どうこうじゃなく全体としての雰囲気がいかに曲のイメージに沿ったものであるか、という部分を重視しているんですよ。そういう意味では、ヴィジュアル自体に対する考え方は既存のヴィジュアル系とはまったく違うと考えてもらった方がきっとわかりやすいです。