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INTERVIEW

メトロノーム

2017.03.15UPDATE

2017年03月号掲載

メトロノーム

Member:シャラク(Vo) フクスケ(Gt) リウ(Ba)

Interviewer:杉江 由紀

ピコピコした無機的な電子音と、ザクザクした有機的な轟音を大胆に混ぜ合わせてみせる前衛的音楽集団が、突然ここに来て再起動を果たした。昨年秋、無期限活動休止期間を終え実に7年ぶりの再起動を果たしたエレクトロ・ポップ・ヴィジュアル系バンド"メトロノーム"が、このたび3月15日に9年ぶりに発表するのは、その名も"CONTINUE"と冠されたフル・アルバム。いよいよ3月25日から始まるワンマン・ツアー"現代MONO/POLY"でも、彼らは奇想天外且つ不敵な音を思い切りまき散らしていってくれるに違いない。CONTINUEボタンが彼ら自身の手で押されたことにより、斬新で摩訶不思議なゲームが今新たに始まったのだ。当然ながら、これを楽しまない手はない!

-昨年9月、メトロノームは約7年ぶりに再起動をしました。また、今回はなんと9年ぶりになるというアルバム『CONTINUE』も発表となります。この数年でも世の中の音楽的な流行り廃りにはずいぶんと変化がありましたけれど、メトロノームの作品作りに対する姿勢については、以前と比べて何かしらの変化が生じたところはありますか?

フクスケ:メトロノームのスタンス的に、各自の曲は各自が責任を持って仕上げるという大前提があることを考えるとですね。僕の場合は、普段から激ロックさんで扱われているようなラウド系の音楽もわりとよく聴くものですから(笑)、この7年間でそっち方面に対する視野が以前よりも広がりまして、実際にこのアルバムを作っていくうえではその影響もちょっと出た気がしています。

リウ:僕に関しては、活動休止前と変わったところは特にないですね。まぁ、さすがに7年も経つと音楽の世界でも流行とかっていろいろ違ってきているとは思うんですけど、自分自身が好きで聴く音楽の種類はそんなに変わっていないので、基本的にはメトロノームでの曲作りでも姿勢とか方向性そのものは以前とそんなに変わっていないです。ただ、この7年間の中でいろいろな経験をしてきたことによって、やれることの幅は多少広がったかな。その都度吸収してきたことが、自分の作る音楽に反映されたところはたぶんありますね。

シャラク:僕も、基本的な姿勢自体はあまり変わっていないと思うんです。でも、テクノ系での流行りで言えば、近年はEDMの世界がすごく盛り上がっていたというのがありますから、今回はあえてそこを取り入れてみたりもしています。あえてやってみる、というところに自分ではちょっとした面白さを感じていたんですよ。

-そもそも、今作『CONTINUE』を作っていくにあたっては何かコンセプトやテーマのようなものはあったのでしょうか。

フクスケ:アルバムとして全体的にどうするか、というような事前の話し合いは特にしていないですね。まずは個々で作った曲を持ち寄って、そこからそれをアルバムとしてどうまとめていくか、という作り方をしています。

-だとすると、曲を持ち寄った時点でみなさんはそれぞれの作ってきたものに対してどのような印象を感じられました?

シャラク:リウさんとフクスケさんの持ってきた曲たちを聴いて思ったのは、"昔に比べると、売れそうな曲を作るようになったな"ということでした(笑)。ちゃんとしたメロディの存在感がある曲が多いな、と感じましたね。

リウ:逆に、シャラク君の作ってくる曲に対してはいい意味で"昔と変わらないな"と思うところが多かったです。そして、そういう部分こそがメトロノームの根底に必要なものなんだろうな、というふうにも思いました。聴く側からしても、シャラク君の作る曲はきっとメトロノームの持っているパブリック・イメージに一番近いんだろうし、僕もシャラク君の作ってくる曲を聴くと、なんか妙に安心するんですよ(笑)。

-メンバーをも納得させる、安定のメトロノーム節がそこにあるのですね。「ボク募集中」(Track.3)や「豆腐メンタル」(Track.8)は、特にその傾向が強い仕上がりだと言えそうです。

リウ:その一方で、フクスケ君の作ってくる曲は"昔と違う激しさがあって、そこが面白い"と感じるものが多かったです。とはいえ、ここまでにADAPTER。(※フクスケのソロ・プロジェクト)で作っている曲とかも聴いてはいたので、"なるほど、あの過程を経てこうなっているんだな"と、そこもすごく納得できる感じでした。

-フクスケさん作曲の「空想ヒーロー」(Track.7)と「惨敗生活」(Track.10)は、個々にテイストは違えど揃ってロック・チューンとしての強いアタック力を持っている楽曲たちですものね。

フクスケ:僕はそんなにいっぱいは弾きたがらないくせに、もともと意外とメタル・スタイルのギターだったりしたんですよ(笑)。それが、ここに来て前よりは少し弾くようになっちゃったので、ちょっと激しめの曲がより目立つようになったところはあると思います。

-無機的なデジタル・サウンドと、有機的なディストーション・ギターは対比が大きいだけに、メトロノームの音像をより刺激的なものにしているのは間違いありませんよ。

フクスケ:もちろん、リウとシャラクが7年の間にやってきたこともそれぞれの曲にしっかりと反映されているなと思いましたし、『CONTINUE』はメトロノームの新しいアルバムとして考えると、かなり面白い作品になったなと自分でも感じてますね。


メトロノームとは......ピコピコ面白おじさん、ですかね(笑)


-なお、この記事を目にしてくださっている方たちの中には"メトロノームというバンドがいることを初めて知った"という層も、おそらく多々いらっしゃると思うのですよ。そのような人々から、もし"メトロノームとは何ぞや"という質問が投げ掛けられたとして、メトロノームとしてはそれに対し、いかなる回答を返しますか。

シャラク:メトロノームとは......ピコピコ面白おじさん、ですかね(笑)。

リウ:打ち込みとか、ピコピコっていうのはやっぱりイメージとして一番大きいと思います。ただ、僕のベースとかフクスケ君のギターの音まで含めると、結構ゴリゴリしたところがあると思うので、実はこの激ロックさんの読者層にも楽しんでもらえるような音楽をやっているバンドだと思います。そういう意味では、慣れない人からすると音と見た目のギャップを感じる人も結構いるかもしれませんね。

フクスケ:音楽的には、もともといろいろなジャンルを詰め込みがちなところがあったんですよね。しかも、再起動してからは昔よりそれぞれのできることが増えているぶん、より雑多でカオスになってきているところがあるんですよ。でも、その中身をわかりやすい言葉で伝えるのはとても難しいので、まずは"ピコピコ面白おじさん"ということでいいと思います(笑)。

リウ:これがまた、おじさんたちはまだまだ元気なんですよ。若い者には負けません!