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INTERVIEW

Vorchaos

2017.02.07UPDATE

2017年02月号掲載

Vorchaos

Member:淳(Vo) yuzo(Gt) Kaz(Gt) Fuji(Ba) Masashi“USHI”Ushijima(Dr)

Interviewer:米沢 彰

どんな曲やどんなスタイルでも、僕たちが演奏すれば、それはVorchaosになるんだって思ってます


-たしかに(笑)。で、改めまして、メジャー・デビューおめでとうございます。

一同:ありがとうございます!

-メジャー・デビューが決まった経緯はどのようなものだったのでしょうか?

Kaz:2013年にインディーズでの1stアルバム『Vortex of chaos』をリリースしたんですけど、これに関しては、売れるとか売れないっていうことを全然気にしてなくて、とにかく自分たちのやりたいこと、ただ作品を作りたいっていう衝動だけで作ったアルバムなんです。そのあと、2ndアルバムの『Singularity』(2015年)を出して、僕たちの音楽をより多くの人たちに聴いてほしいって思うようになりました。それから、さっき挙げた憧れたり影響を受けたりしたような人たちと同じフィールドで、自分たちの力がどのくらいのものなのかを確かめたくなって。それで僕たちにはメジャーが必要不可欠だと思うようになり、僕たちの音楽をどういう形で広めていこうかと考えながらやっていくなか、今のディレクターの方がライヴを観てくれて、"こういう曲はできないのか"とかアドバイスをもらって、それに対して曲で返してっていうのを続けていき、"じゃあ次のアルバムは、KING RECORDSから出しましょう"って言っていただきました。僕たちにとってもそれが必要だと思っていたタイミングだったので、うまく噛み合ってこのアルバムのリリースに繋がりました。

-「O.D.ORE」(Track.9)ではラップっぽいノリもあったり、「rinne」(Track.10)ではお経のようなフレーズで入ってきたり、「遠く・・・」(Track.5)ではミッド・テンポのバラード調だったり、ジャンルレスというかそれこそカオスな音楽性、捉えどころのない音楽性という印象が非常に強いです。これはそもそもバンド・コンセプトから来ているのでしょうか?

Kaz:バンド結成当初のコンセプトで、"ひとつに決めない"とか"ニ面性"っていうキーワードがあって。光があったら影があってとか、青と赤だったり、白と黒だったり。そういうものもあれば、同じものを見ても人によって見え方が違うっていうのはいいんじゃないかって。なので、楽曲も"Vorchaosってこうじゃなきゃ"っていうことを僕たちは決めないんです。曲を作ってメンバーに投げると、それぞれ解釈が違って。例えば僕が、"これはメタルな曲だ"って思って作ったものを淳に聴かせて、"歌詞できたよ"って全然違うものができるっていう。これがいいことだと思ってまして。そうやってずっと作ってきたなかで、今回、「O.D.ORE」はUSHI、「rinne」はyuzoなんですが、彼らから来たものを最初聴いたときに、"あ、カッコいいじゃん! これ、Vorchaosでやったらハマると思うよ"っていうイメージができたので、アルバムでやろうって話をして。バラードはアルバムに1曲ぐらいは入れたかったので。ただ、どんな曲やスタイルでも、僕たちが演奏すれば、それはVorchaosになるんだって思ってます。

-その感覚はわかる気がします。ところで、これだけ音楽的な幅が広くなるなかで、制作はどのように進めているのでしょうか?

Kaz:制作は曲にもよるんですが、基本的には僕が思いついたものをある程度形にしてみんなに聴いてもらって、それに対してみんながアレンジとか、それぞれのパートのフレーズとかアイディアを盛り込んでくれて、最後に淳が歌詞をつけてくれる。それで、みんなで演奏してできたものを1回聴いて、"ここをこうしよう、ああしよう"っていうアレンジを全員でやってます。

-そのプロセスで個人の個性がいろいろと入ってくるってことですね。

Kaz:そうですね。

-個人的には「LET IT DIE~おまえに届くまで~」(Track.3)のノリが好きです。アグレッシヴな曲が好きなので。

Kaz:ありがとうございます。その3曲目と7曲目の「Abanthrash」に関しては、それこそデビューが決まる前に、ディレクターに"Vorchaosはスラッシュ・メタルのルーツを感じるけど、それだけじゃなくてメロディアスな武器も持ってるから、ラウドなバンド・サウンドに対してキャッチーなメロディだったり、パンチのあるシャウトだったりを融合させた曲もいいんじゃない?"って言っていただいて、"お、なるほど"と思って。そこに向かって作った曲なんです。

-それはすごくわかりますね。"メタル meets J-POP/J-ROCK"っていう感じがあって。

Kaz:僕もスラッシュ・メタルはすごく好きですし、Vorchaosとしてはyuzoが生粋のメタラーなので(笑)、彼の弾くリフはカッコいいです。僕が考えるんだけど、彼が弾くっていう関係で(笑)。

一同:(笑)

-ツイン・ギターはそういう関係なんですね。ドラムに関しては?

USHI:今回は、特に隙間を作ろうと思っているので、たぶん前作、前々作より叩いてる数は減ってるはずです。おいしいところはガーッと叩くんですけど。実は、「Unlimited」(Track.4)なんかも、最初はもうちょっと音数が多かったんですけど、どんどん減らしてこうと思って。っていうのも、やりすぎるとバスドラがうるさいっていうのを発見しまして(笑)。そんなに踏んじゃうとそっちに意識を持ってかれちゃうので、もっと違うところを聴いてほしいというか、"音の単価を上げる"というか。それでちょっと聴きやすくなってる部分はあるかなと。

淳:1音1音が大きいぶん、込めやすいというか。少しのズレを作りやすいとかもあるんで、そういうのは面白いかなと。