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INTERVIEW

Unlucky Morpheus

2017.02.01UPDATE

2017年02月号掲載

Unlucky Morpheus

メンバー:天外 冬黄(Vo) 紫煉(Gt) 小川 洋行(Ba)

インタビュアー:米沢 彰

実力派プレイヤーを揃えつつ、コミケを中心にリリースを重ねるという独特なスタイルで活動を続けるUnlucky Morpheus、通称あんきも。ジャパニーズ・カルチャーの産物という側面を持つ彼女らのスタンスは異色にも映るが、そのサウンドは緻密に積み上げられ、真摯にメタルを追及するマインドが音にもよく表れている。現在のスタンスへと至ったきっかけから、今作のレコーディングまで、その独特なアプローチに迫った。

-初のインタビューとなりますので、Unlucky Morpheusがどういったプロジェクトなのかを教えていただけますか?

天外冬黄(以下:Fuki):Unlucky Morpheus(以下:あんきも)での活動のときだけ"天外冬黄(テンゲフユキ)"名義としていますが、LIGHT BRINGERのヴォーカルでもある私Fukiと、妖精帝國と電気式華憐音楽集団でも弾いているギターの紫煉(シレン)のふたりが出会って始めたプロジェクトです。

紫煉:たぶん、そういう分野に馴染みのない方でもコミケ=コミック・マーケットって聞いたことがあると思うんですけど、そういうところでCDを自主制作で販売するところから始まったプロジェクトです。最初は、ふたりで始めたんですけど、ライヴをやるようになって、メンバーを集めていって、レコーディングにもそのメンバーが参加するようになって......っていう感じでどんどんバンドっぽくなっていきました。"東方Project"っていうゲームのBGMをメタル・アレンジすることから始めて、途中からオリジナル曲も作るようになってきて、という感じで活動しています。

-おふたりが出会ったきっかけは?

Fuki:2007年ごろに、LIGHT BRINGERの楽器メンバーの一部と私と紫煉さんで、アニソンをコピーする息抜きバンドのようなものをやろうという話になって、そこで初めて紫煉さんと出会いました。そのアニソン・コピー・バンドを1年くらいやって、すぐに解散して、そのあとに"まだ一緒にやりたいね"っていうことで始まったのがUnlucky Morpheusです。

-出会ったきっかけ自体が、今やってることに近いんですね。

Fuki:そうですね。もともとアニソンのコピー・バンドで出会ったのも含め、オタク同士で気も合って(笑)。

-ライヴハウス中心にやっているインディーズ・バンドとはまったく違う考え方、活動の方法だと思いますが、一方でメンバー単位ではいわゆるバンド活動をしていますよね。今の形態のプロジェクトとしてやっているからできることや面白いこと、メリットなどはあるのでしょうか?

紫煉:コミケで活動すると、同じ趣味の人たちが、同じタイミングで作品を発表するんですよ。夏コミ、冬コミと、M3(音系・メディアミックス同人即売会)というイベントが年に2回あるんですけど、その4つくらいのイベントをちゃんと見ておけば、そのシーンで活動してる人たちが、いつCDを出しているのかが、だいたいわかるという。

Fuki:買い手に優しいですね。イベントがあって、そこでリリースするために作品を作るっていう人たちの集まりなので。例えば、コミケでメロディック・スピード・メタルをやってる同人プロジェクトがたくさんいると、その人たちは近くに固められるんですね。フリー・マーケットみたいな感じを想像してもらえたらわかりやすいんじゃないかと思うんですけど、隣同士、こっからここまで10メートルくらい全部メロスピを扱ってるっていう感じで並んでいるので、買う人は、自分の好みの音楽との出会いがすごく多い、出会いやすい場なんですよね。なので、私たちのことを知らなくても、コミケのその場に来てくれて、試聴して、"あ、かっこいい! 買おう!"っていう一期一会の出会いがあるのが、すごく面白いし、メリットだと思います。

-前回のコミックマーケット91の"東方Project"の音楽ブースを調べてみたら、サークル数が183もあると知って、驚きました。

Fuki:それを聞いて、"少ない! 減ったな~"って思っちゃいました(笑)。 紫煉:昔は、もっと多かったんですよ。

-そうなんですね。

Fuki:まぁ、流行り廃りがあるので......。でも、たしかに183って改めて聞くと多いですね(笑)。180以上のバンドが一斉にCDを売るって考えると、ものすごいことだと思います。だいたいみんな、コミケに合わせて新しく作るんで、183枚の新譜が並んでよりどりみどりって感じなんです。

-手に取ってもらえる確率で考えると、普通にバンドをやるより競争率が高いんじゃないかと思いました。

Fuki:そういう考え方もありますが、どんなに知名度がなくてもチャンスがあるので、むしろいいんじゃないかと思いますね。CD屋さんの方が、180どころじゃない数が並んでいるって考えると......。あとは、本人が立って売り子をしているっていうこともあって、目に止めてもらいやすい。なので、むしろ売り手側にとっても"売りやすい、出会ってもらいやすい"って感じはしますね。

紫煉:まぁ、そもそもが、どっちがいいとかそういう基準で始めていないので(笑)。

Fuki:たしかに(笑)。

紫煉:最初は、自分たちで作ったCDを流通にかけたりすることなく、いろんな人が聴いてくれるチャンスがある場所で出せるっていうことが面白いと思ったから始めて。その結果としてたくさんの人が聴いてくれるようになったし、自分たちの中で発展性もあったから、こうなっていってるんです。なので、最初からそんなに戦略的にやってたわけじゃなくて、そう言われてみると"なるほどな~"って思うけど、成り立ちからすると、たまたまそうなったって感じですね。

Fuki:もともと、手焼きのCDから始まってるんですよ。自宅でCDのジャケットも頑張って両面印刷して、切って、入れて......っていうのを200枚とか作って。

紫煉:WEB上にちょっと試聴音源とか上げてたくらいだったんですけど、初めて出たイベントでその200枚が全部売れちゃって。"お! これは嬉しい!"ってなって(笑)。

Fuki:普通のインディーズのバンドがライヴに出て、物販でCDを200枚1日で売るって、そもそもお客さんが200人も来ないことを考えると難しいじゃないですか。お客さんに直接自分で手渡しで売れるしっていうのも含めて、こういう即売会は、今のところデメリットがひとつもないんですよね。