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INTERVIEW

FIREWIND

2017.01.25UPDATE

2017年01月号掲載

FIREWIND

Member:GUS G.

Interviewer:今谷 重治

-語りで繋がれるイントロ部分からライヴでも映えそうな壮大な掛け声が組み込まれたサビ、ギター・ソロからのキーボード・ソロと、"ザ・メロパワ"感満載の「Ode To Leonidas」(Track.3)ですが──

ミュージック・ビデオをぜひ見てよ。"300"みたいな素晴らしい出来だよ(照笑)。

-この曲は往年のファン歓喜の出来栄えだと思います。

昔ながらのFIREWINDからはそうかけ離れていない気がするね。俺たちのサウンドを定義づける要素がいろいろ入っていると思う。「World On Fire」(2010年リリースの6thアルバム『Days Of Defiance』収録曲)とか「Head Up High」(2008年リリースの5thアルバム『The Premonition』収録曲)みたいな人気曲のヴァイブがあるよね。俺たちのベスト的な曲が好きなFIREWINDファンだったら気に入ってくれるんじゃないかな。

-「Back On The Throne」(Track.4)のざくざくと刻む感じのギター・リフが、どこかOZZY OSBOURNE BANDでのプレイを想起させます。今作において、OZZY OSBOURNE BANDやソロ活動で得た経験が活かされている部分もありますか?

まぁ、OzzyやBLACK SABBATHには昔から影響を受けているからね。だから俺のアルバムには、BLACK SABBATHやOzzyの影響が必ずどこかしらに入っているんだ。彼のバンドに入る前からね。この曲に関して言えば、俺的には(Ozzyの)「Miracle Man」(1988年リリースの5thアルバム『No Rest For The Wicked』収録曲)を彷彿させるね。実はこの曲がハード・ディスクに入ったままだったときは、できたらOzzyに提供するつもりだったんだ。でも彼とアルバムを作るのは時間がかかるから(笑)、じゃあFIREWINDのアルバムに使うのもいいなって思ってさ。FIREWINDもいつもパワー・メタルなわけじゃなくて、ハード・ロックも結構やっているし。アルバムが単調にならないためにも、曲にバラエティを持たせる必要があったからね。

-Ozzyがカバーすればいいんですよ、きっと。それだったらいつでもできますし(笑)。

そうだね。カバーしてもらおうかな(笑)。......まぁ、彼が作りたくなる曲かどうかはわからないけどね。あとで思ったんだけど、もしかしたら彼はこの手のサウンドはもうやりたくないと思っているかもしれない。俺個人の憶測にすぎないけど、彼の最近のアルバムはもっとモダンなことをやっているから。彼ともう1枚アルバムを作るときはどんな題材を使うのか、現時点ではまったくわからないんだ。......ともあれこの曲は、今はこのアルバムに収まったんだ。

-プログレッシヴに展開しつつもしっかりとギターと歌でメロディを打ち出す「Live And Die By The Sword」や、泣きのメタル・バラードとなった「Lady Of 1000 Sorrows」でもメロディを大切にしている点が、今作をより芳醇なサウンドへと引き立たせている要因のひとつではないかと感じます。メロディというところであえて意識した部分はありますか?

俺にとってはとにかくいい曲をいろいろ作ることが大事だったんだ。同じような曲ばかりが10曲も並んでいるアルバムなんて聴きたくないからね(笑)。バラードとかゆったりした曲も必要だし、いろんなビートも試してみたいし、いろんなキーで書いてみたいし......ということでいつもそういう要素を探しているんだ。ただ、FIREWINDの場合は、新しく足を踏み入れられる領域が限られているというのかな。俺たちはスタイルが確立されているから、一定の方向性にフォーカスしてそれを見せつける必要がある。実験的なことはここではやっていないんだ。だからバラードが必要だ、速い曲もいくつか必要だ、あとは壮大な長い曲も......というのは念頭に置いてアルバムを作っていたよ。でも一番大切なのは、いい曲であることだね。それは絶対だ。

-それぞれの曲に独自性を持たせて、なおかつ全体的にはメロディに流れを作るということですね。いいパッケージだと思います。

そうだね。そう言ってくれて嬉しいよ。全体のパッケージをしっかり考える必要があったからね。過去にはそうだな......もう少し"アーティスト"だったかもしれないけどね。"頭の中に思い浮かんだものは何でも書くんだ!"みたいなさ(笑)。でも今はパッケージ的なことを重要視しているんだ。究極的には、さっきも言ったけど、ファンが望んでいるものだしね。コンセプトもパワー・メタル・ファンが好きなものの範疇に入っているんだ。英雄とか戦いとかね。パワー・メタルはファンタジーを取り上げることが多いけど、今回の作品はさらにクールだと思うよ、歴史上の実際の出来事だからね。

-これを聴いてギリシャの歴史の本を読もうとか、あなた方の国のことをもっと知りたいと思う人も出てくるでしょうね。

そうなったら嬉しいね。俺もちょっと本を読んだんだ。インタビューの準備にね(笑)。歴史家たちは、"サラミスの海戦"が人類史上最も重要な戦いのひとつだったかもしれないと言っているらしい。たしかに、もしペルシャ人があのときギリシャを征服していたら、今のヨーロッパはまったく違う状態になっていただろうし、世界の文化も今とは全然違っていただろうからね。