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INTERVIEW

TRIPLE AXE TOUR'17 座談会

2016.12.19UPDATE

2016年12月号掲載

TRIPLE AXE TOUR'17 座談会

HEY-SMITH: 猪狩 秀平(Gt/Vo)
SiM: MAH(Vo)
coldrain: Masato(Vo)
インタビュアー:荒金 良介 Photo by 川村 隼也

東京/神奈川で"DEAD POP FESTiVAL"を主催するSiM、名古屋で"BLARE DOWN BARRIERS"を主催するcoldrain、大阪で"OSAKA HAZIKETEMAZARE FESTIVAL"を主催するHEY-SMITH。シーン全体から注目を集める重要なイベントを手掛ける3バンドが2012年より行っている"TRIPLE AXE"が、2017年も開催決定! 今回は1~2月にかけて全10都市を回るという過去最大規模となる同イベントの開催を記念して、3バンドのフロントマンによる座談会が実現! それぞれの出会いからイベントの成功、その親密な関係性までを掘り下げた。

シーンの勢いを感じたことが、TRIPLE AXE実現に向けて加速したきっかけになった (Masato/coldrain)

-"TRIPLE AXE"を立ち上げたきっかけから教えてもらえますか?

MAH:それぞれが2007~2008年にかけて出会っているんですよ。というか、SiMが2バンドと別々に先に出会って、HEY-SMITHとcoldrainが出会うのは遅かったんです。

猪狩:全然覚えてない(笑)。coldrainとは1回対バンしたことあるけど、たぶん話さなかった。

MAH:当時は3バンドともそんなに売れてなくて、シーン的にもまだメロコアが強かった時期ですね。

猪狩:うん。メロディック・パンクはめっちゃ多くて、そのバンドたちで固まってましたね。

MAH:この3バンドもそれぞれ別のシーンでやってたんですよ。だから、かっこいいバンドと一緒にやりたいし、同世代だしってことで、じゃあ自分たちで企画をやった方がいいなと。それから2年ぐらい過ぎて、同世代6バンドでツアーしようという話になったんですよ。

-そのときに名前が挙がったバンドは?

MAH:SHANK、NUBO、EGG BRAINですね。

Masato:"京都大作戦2010"の牛若ノ舞台にcoldrain、SiM、HEY-SMITH、NUBO、EGG BRAINが出てて、牛若がすごく埋まってたんですよ。どのバンドもそんな大人数の前でライヴしたことなかったけど、注目されているし、シーンが動き始めているなと。

猪狩:俺たちきてる! と思ったもん(笑)。

Masato:うん。初めてシーンの勢いを感じたから、それがTRIPLE AXE実現に向けて加速したきっかけになったんですよ。

MAH:俺らの世代、イケるんじゃね? という話になって。当時は6バンドでやっとライヴハウスが埋まるくらいだったから。でもその6バンドのスケジュールを合わせるのが難しくて、結果この3バンドが残ったんですよ。

Masato:それで、TRIPLE AXEは今までやっていたキャパを超えてやろうと。

MAH:1回目はちょっと背伸びしたキャパでツアーしたんですよ。当時、単体では埋められないデカさでしたね。

-1回目となると、普通は身の丈に合ったキャパを選びそうですが。

猪狩:赤坂BLITZでやると聞いたときは、"無理無理無理っ!"と言ったのは覚えてる。でも誰かが"イケる!"って。

Masato:最初のチケット予約枚数を知ったときに、撮影でちょうどこの3人が集まってたんですよ。それで、赤坂BLITZが予約枚数を超えていたから、全員揃ってBLITZで良かったねって(笑)。感動しましたね。

-どこかで"やれるんじゃないか"という自信もあったんじゃないですか?

Masato:予約枚数だけでソールドするとは思わなかったですね。だから、自分たちが感じていた以上に、この3バンドでツアーすることを、キッズが熱い! と思ってくれたのかなと。それは嬉しかった。ただ、TRIPLE AXEという名前を決めるのは大変でした。

猪狩:俺はメタル・ファンとしてBIG4(※スラッシュ・メタル四天王)に憧れがあったから、"3"、"TRIPLE"という数字は入れたかったんですよ。

MAH:最初は"MAD3"にしたかったんですけどね。

-そういうバンドがいますからね。

MAH:そうなんですよ!

Masato:俺が"AXE"という言葉を出したんだけど、最初はハードコアみたいだと言われて。

MAH:いや、当時AXEという制汗剤のCMがめっちゃ流れていたから、被るんじゃないって。

猪狩:じゃあ、"SWORD"にするかって。

-TRIPLE SWORD! メタル感が半端ないです(笑)。

猪狩:ゲームやってる奴はわかるかなと。

MAH:バンド発信で、3バンドがツアーを回ることが良かったのかなと。会社の企画ではないし、3バンド全員でアーティスト写真を撮ったりして、俺らの世代では新しかったと思うんですよ。

猪狩:俺のイメージ的には"九人の侍"ツアーみたいな感じでしたね。

-CAPTAIN HEDGE HOG、THUMB、SHORT CIRCUITのメロコア3バンドがやったツアーですね。

猪狩:あれはバンド発信に見えましたからね。

Masato:なによりタイミングが良かったよね。

猪狩:HEY-SMITHは大阪、coldrainは名古屋、SiMは神奈川という配置も良かったし。

MAH:ちょうど俺らがみんなに追いついて、3バンドの力関係も均等になってきたころだから。

Masato:逆にそのせいで赤坂BLITZは大変だったんですよ。3バンドのファンが均等に来たから、あの規模になるとファンが交ざらなくて。

猪狩:だから、しばらく赤坂BLITZでやるのが嫌やったもん(笑)。俺はBLITZに負けたと思って、"赤坂BLITZ空いてるよ?"と言われても、やめときましょう! って。

-ははは(笑)、そうでしたか。

Masato:あのツアーのあとに、あの規模の会場でやれるくらいみんな大きくなりましたからね。3バンドのツアーでバンド単体の状況も変わるんだなと。

猪狩:あと、周りから言ってもらうことが増えましたね。"あのツアーすごかったんやろ!"って。

MAH:"TRIPLE AXEのお前らか!"って言われるようになった。自分たちのバンド名の上に、さらに冠が付いたような感覚で楽しかったですね。

-TRIPLE AXEを立ち上げたときに、シーンやジャンルの壁を壊したいという気持ちはありましたか?

MAH:ここまで広がるとは思ってなかったです。3バンドで仲良くツアーをやって、お互いに成長できたらいいなぁという気持ちでしたね。

-最初は無邪気な動機だったと。

Masato:やり始めてから変わってきたよね。毎日の打ち上げがミーティングみたいな感じになって。

猪狩:ふふふふ。

-打ち上げがミーティングですか。

Masato:お互いのライヴに関しても言い合っていたし、最後の打ち上げで次の話をしてましたからね。日本武道館という名前も出てましたから。

猪狩:アホやな(笑)!

-TRIPLE AXEをやったあと、周りの反応で気づかされたことが多かったと?

MAH:ですね。それで来年もやらなきゃと思ったし。最初はずっと続くかわからなかったので。

猪狩:俺もこんなに毎年やるとは思わなかった。

MAH:2013年の2回目は無理矢理やった感じがあるもんね。