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INTERVIEW

ALL OFF

2016.12.20UPDATE

2016年12月号掲載

ALL OFF

Member:so-hey(Vo)

Interviewer:吉羽 さおり

-メロディや歌詞についても、みなさん思ったことは言うんですか。

歌詞に関して言えば、日本語でいい言葉、詞が書けるようになりたいという憧れがあったんです。それで「ありがとう」(Track.10)や「Sorry」は最初、全編日本語詞で考えていたんですけど、それをやっちゃうと、もうALL OFFじゃないなとなってしまって。だからたとえひとりにしか伝わらなかったとしても、偽りのない形で、自分の武器である英語を出したいと思ったんです。それは、メンバーやスタッフとの話し合いで気づかされたんですよね。

-メジャー・シーンで、より多くの人に聴いてもらえるようにと考えると、日本語詞でやることは大きなポイントにもなりますが。

そうですね。でも、英語詞でやりたくてもやれない奴はたくさんいるし、英語詞はALL OFFらしさのひとつでもあるから。そこは、自信持って英語で書けばいいんじゃない? って言ってもらえて。それまでは、安易に英語詞にすることが、逃げだと思っていたんです。ラクな方を取ってるみたいな感覚があったんですけど。自分にしかできないやり方でやろうと思いました。

-では「ありがとう」での、日本語と英語の折衷感は、ちょうどいいところなんですね(笑)。

そうですね。

-「ありがとう」のような、直球の思いを日本語で書くことには、照れはないんですか。

それはよく聞かれるんですけど、まったくないんですよね(笑)。僕は、育ちがアメリカで。自分でも気づいてなかったんですけど、スタッフやメンバーと話していたとき、"長年付き合ってきてわかったけど、お前は中身が日本人じゃない"と言われたんです。"完全に、外国人だよ"って。僕は日本人だと思っていたから、それが衝撃だったんですよね。"ありがとう"とか"愛してるよ"みたいなことも、僕はポーンと人に言っちゃうんですよ。でも日本の方ってそれはちょっと躊躇するじゃないですか。

-そうですね、すっと口にするのはなかなか難しいです。

そうですよね(笑)。わびさびとかが美徳とされるような国だと思うんですけど、僕はそうじゃなくて、曲の中でもそれを言うことに、抵抗はないんです。逆にサビだからこそ、シンプルにドンと伝えたいという。サビや日本語のところは、よりわかりやすくいきたいなというのはありますね。

-なるほど。では、こちらは英語詞ですがTrack.11「Hey Mom」で母への感謝の想いをまっすぐに歌えるのも、そういうマインドだからなんですね。

そういうマインドなんです。狙っているとかではないんですよね。心からそう思ってるという、単純なことで。実はこの曲も、最初は全編日本語詞だったんですよ(笑)。でも、さすがにそれはやべぇってなって。

-あぁ(笑)。それは、だいぶ照れますね。

英語詞に変えて正解だったと思いますね。結果的に自分たちらしい曲になったと思いますし。

-この「Hey Mom」をアルバムの最後に持ってきたのは、何か理由があるんですか。

これは、僕たちのライヴを想定しているところがあって。これまで、身体がノるライヴをずっとやってきて、僕はお客さんをすごく煽るし、そういう曲も多いんですけど、それだけでは虚しくなってきちゃったんですよね。大きなところでライヴをやるとか、多くの人に届けようとなったら、もっと心を乗せなきゃダメなんじゃないかって。本質的な部分に、改めて気づいたというか。じゃあ、心を乗せるようなライヴで、最後にやる曲はどういう曲だろうと思って書いたのが「Hey Mom」だったんです。自分の素直な気持ちなんですけど、きっと誰しもが持っている気持ちで。僕が煽らなくても、共鳴したら一緒に声を出してほしいという願いで、アルバム最後の曲にしました。

-エネルギッシュな曲で、ライヴでは一体感が生まれると思うんですが、これってすごくパーソナルな内容の曲でもありますね。一体感を生むものとして、個に向かっているのは面白いです。

表面的でなくて、僕を通して自分が思っていることを出してほしいというか、気づいてほしいというか。僕なりの言い方で言っているけど、みんなもそういう気持ちがあるはずだと思っているので。他の曲もそうですけど、そういう部分で、共鳴できたらいいなという。それはアルバムのタイトル"Re:sound"(読み:リサウンド)にも繋がるんですけど。

-タイトルの"Re:sound"は、共鳴感という意味合いですか?

もともと、英語では"レザウンド"と読むんですが、響き渡るとか共鳴するという意味で、どこまでも音が広がっていくイメージでつけました。且つ、"Re:=返信"で、自分たちなりの音楽に対する答えという思いも込めて、造語っぽくしているんです。身体を乗せるという今までの流れを1周して、そのターンは終わって。もっと心に寄り添っていられるような音楽を作りたいと思って、今回はそういう願いが全体に漂っています。