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INTERVIEW

MEMPHIS MAY FIRE

2016.11.30UPDATE

2016年12月号掲載

MEMPHIS MAY FIRE

Member:Matty Mullins(Vo)

PAPA ROACHのJacoby Shaddixがゲスト・ヴォーカルとして参加したシングル曲「This Light I Hold」のミュージック・ビデオをご覧になっただろうか? "Alternative Press Music Awards"に出演後Jacobyが覆面集団に拉致され、その容疑をかけられたのがステージで共演していたMEMPHIS MAY FIREのMatty Mullins(Vo)。手錠をかけられたMattyが裁判に出廷している様子を眺めていた犯人がマスクをとると、なんとその犯人はDanny Worsnop(ASKING ALEXANDRIA/WE ARE HARLOT)だったというなんとも豪華且つスリリングなストーリーで、続編待望の声もたくさん上がっている。そんな話題曲も詰め込んだ彼らの通算5作目『This Light I Hold』について、Mattyに話を訊いた。

-USツアーが終わったばかりですけど、いかがでしたか?

素晴らしかったよ。THE DEVIL WEARS PRADAやSILVERSTEINなどが参加してくれて、どの公演もたくさんのオーディエンスで埋め尽くされていたんだ。

-ポモナ公演へ行こうと思ったんですが完売で。もしかしてPAPA ROACHのJacoby ShaddixやMY AMERICAN HEARTのLarry Solimanが飛び入り参加したのでは? なんて思ったのですが......。

たしかJacobyはサクラメントに住んでいると思うから、ポモナからは遠いんだ。ポモナ公演の前日にサンディエゴ公演を行ったんだけど、そこではLarryがステージに上がって一緒に歌ってくれたよ。すごく楽しかったな。

-おぉ、そうだったんですね! あなたはしばしばMY AMERICAN HEARTを最も影響を受けたバンドのひとつとして挙げていますが、新作での共演はある意味あなたの夢がひとつ叶ったわけですか?

そうだね。ヴォーカリストとしてLarryに憧れていたんだけど、ここ数年はライヴ会場などで会う機会があって友達になったんだ。僕はワシントン州で育ったんだけど、Larryとのコラボを知った僕の地元の友人からはたくさんのリアクションがあったよ。とても光栄なことで、興奮しているよ。

-今回は前作『Unconditional』(2014年リリースの4thアルバム)よりも時間をかけて制作されたそうですが、それによって今回のゲストとのコラボレーションなどにも時間を割けたのではないでしょうか?

そうだね。バンドにとっては、ツアーを休んで制作にじっくりと時間をかけることって金銭的に大きなリスクでもあるんだよね。僕らに限らず、僕らに携わる人たちにとっても。それでも時間をとって制作するということは、これまでで最高となるアルバムを絶対に作るっていう確信だったんだ。今回は4ヶ月のオフ期間を設けたから、作曲やレコーディング、ミキシングなどに時間をかけられたし、コラボレーションするチャンスを確実に掴むこともできた。

-4ヶ月もオフ期間を設けたんですか! 実にチャレンジングなことでしたね。それを今回のアルバムで行った理由とは?

ツアー中はいろんなことが起きて忙しいから、楽曲制作に集中する時間を確保するのが難しいんだ。だからツアーのときはツアーだけに集中している。でも今回はこれまでで最高のアルバムを作れるっていう確信があったから、ツアーを休んで制作に集中して。前準備なく、スタジオに入ってから曲作りをするバンドも多いけど、僕らはそうしたくなかった。すべてを完璧に進めるために、スタジオ入りする前から曲作りなどの準備をしたんだよ。時間はとてもかかったけど、振り返ってみてもそうすることの価値はあったと思う。将来また同じ制作方法をとると思うよ。

-このアルバムのために何曲ほど作ったんですか?

13曲作ってそのすべてをアルバムに入れたよ。

-ということはその13曲に対する迷いがなかったんですね。

もしかしたら1、2曲はカットするかもって思ったんだ。13曲っていうのは僕らのこれまでのアルバムの最多収録数で、だいたいいつも11曲くらいだからね。どの曲にもすごく感情移入してしまっていて、どれもカットできなかったんだ。だから全曲入れることにした。

-Track.6「This Light I Hold」はアルバムを象徴する楽曲とのことですが、その思いに変わりはありませんか?

「This Light I Hold」は間違いなくフェイバリット・ソングのひとつだよ。アルバム・タイトルになったっていうコンパス的存在で、アルバム全体のヴァイブスを象徴している感じかな。まだこの曲を書いていないころにマネージャーから"アルバム・タイトルを「This Light I Hold」にしようと思うんだけど、どう?"ってアイディアが出て、それにみんなが即賛同したんだ。これまでのどのアルバムよりもイージーなプロセスだったよ。普段は15個くらいあるアイディアの中から決めるんだけど、今回はまったく迷いがなかった。僕は今でもそのことに興奮しているよ。

-「This Light I Hold」を聴くと、今のアメリカが抱えている問題について想起させられます。特に大統領選挙後、異人種や移民が受けている心ない発言など......それ以外にも様々な問題に直面している人々にとって、ある種あの曲が救いになっているのではないかと。

僕らの音楽は、人々が人生をポジティヴに変化させられるように、希望を持てるように、常にインスパイアすることを究極の目標にしているんだ。選挙のあと、多くの人々が希望を失ったと思うんだよね。僕らの音楽が目指しているのは、希望は実現するんだって伝えること。今はとてもクレイジーなときだよね......僕はどちらの候補者もまったく偉大だとは思えない。なんていうか、まるでサーカスみたいだったよ。でもね、大統領の価値は僕の価値を決定するものではない。僕の言いたいことがわかるかな? 誰が大統領であろうと関係ない、僕は同じ人間だ。すべての嫌悪や怒りを沈下させるために人々が手を繋ぐべきだと思う。大統領がなんと言おうと、僕らは国民として繋がって立ち上がろうって。誰も僕らを打ちのめすことはできないってことに気づいてほしいね。