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激ロック | ラウドロック ポータルサイト

INTERVIEW

SCARRED

2016.10.21UPDATE

2016年10月号掲載

SCARRED

Member:Bertrand Pinna(Ba)

Interviewer:今谷 重治

-激ロック初登場となりますので、まずはバンドの紹介をお願いいたします。

SCARREDは2003年に結成され、今まで2枚のアルバム(2009年リリースの1stアルバム『New Filth Order』と2013年リリースの2ndアルバム『Gaia/Medea』)を出している。メンバーはドラムにLaurent Kessel、ギターにVincent WilquinとDiogo Bastos、メイン・ヴォーカルにYann Dalscheid、そして俺はベース担当だ。DEVILDRIVER、ARCH ENEMY、KATAKLYSM、MASTODONなど、様々なバンドのサポートをしてきて、2009年にはドイツの"Wacken Open Air""Metalcamp"に参戦し、2016年はスロベニアの"Metaldays"、イギリスの"Bloodstock Festival"、リトアニアの"Roko Naktys"、ルーマニアの"Ghost Festival"、オランダの"FortaRock"、フランスの"Europavox"に出場し、今年の秋には初の日本公演(※10月30日~11月3日まで開催の"SCARRED&DEADSQUAD Japan Tour 2016")を行うから待ち遠しいんだ!

-実に13年以上のキャリアをお持ちのSCARREDですが、活動を続ける中でメンバーの脱退など様々な苦労があったと思います。それでもここまでバンドを続けてこられた理由はどこにあるのでしょうか?

音楽ははけ口だから、バンドを続けることは個人的にも必要なんだ。俺たちは常に仕事の質を向上させ、バンドとして、そしてミュージシャンとしての目標を高く持つようにしてきた。こうしたモチベーションがバンドを統一させているんだと思う。

-先ほどもお話に出てきたように、"Wacken Open Air"や"Bloodstock Open Air"を始め、様々なフェスへの出演経歴をお持ちですが、実際にどれくらいの手応えを感じていますか? 思い出深い出来事や印象的なことがあればぜひ教えてください。

若いころメタル・ヘッドで、何か楽器を弾ける人なら"いつかこんな大舞台に立ちたい"って言い続けるようなステージだから、俺たちにとってもこのようなフェスに出場することは長年の夢だった。それを実現することができたし、"Wacken Open Air"も"Bloodstock Open Air"もオーディエンスは最高だったよ。"Bloodstock Open Air"ではCANNIBAL CORPSEと同じ時間帯での出演だったから多少不安はあったけど、それでも観客が集まってくれて、素晴らしいステージになった。遠くの方でGeorge "Corpsegrinder" Fisher(Vo)が唸っているのが聞こえたのは変な感じだったし、Laurentがドラムをバシバシ叩いていたから、ドラムテックが3人がかりでドラム・セットを押さえていたのが印象的だった。日陰でピザを食べようとして俺たちのテントに来た人がいたんだけど、俺たちの音楽をすごく気に入ってくれて、その場所を離れなかったことも覚えている。

-あなた方の出身国、ルクセンブルクは他にどのようなバンドがいますか?

RETRACE MY FRAGMENTS、ABSTRACT RAPTURE、DESDEMONA、MILES TO PERDITION、COSMOGON、KRATON、THE FILTHY BROKE BILLIONAIRESやKITSHICKERSは素晴らしいバンドであり、とてもいい友達なんだ。ルクセンブルクは小さい国のわりに音楽シーンは大きくて、様々なジャンルにおいて良いバンドがいっぱいいる。そのほとんどは同じ出身校だったり、若いころにパーティーで知り合ったりしていてお互いのことを知っているんだ。メタル・バンド以外にもMUTINY ON THE BOUNTY、NATAS LOVES YOU、MONOPHONAなどが良いね。

-SCARREDの楽曲は、硬派なデスメタルをベースに一筋縄ではいかないプログレッシヴな曲構成で他のバンドとは一線を画していると思います。このサウンドに到達した経緯とは?

最初はスラッシュ・メタルをやっていたんだけど、Jeff Jonas(ex-Ba/現マネージャー)がプログレのファンだったからプログレ・バンドに進化していった。だけど俺はテクニカルな面よりもリフに注力したかったんだよ。ヘヴィなサウンドが大好きだったからね。リフに関してはNEVERMOREの影響が強いと思う。Jeff Loomisのギター・サウンドはユニーク且つ激しくて卓越しているよ。今、次のアルバムの曲作りを終えようとしているところなんだけど、『Gaia/Medea』とは違ったサウンドになることは言える。よりパーソナルな作品で、テクニカルな面より曲の雰囲気を重視しながらSCARRED独自のサウンドを保っていると思うよ。

-そして、2ndアルバム『Gaia/Medea』の日本盤リリースおめでとうございます! 2013年にすでに本国ルクセンブルクでリリースされた作品ではありますが、改めて日本国内でリリースされると再びこの作品にも、そしてSCARREDにも注目が集まると思います。今の率直な気持ちを聞かせてください。

嬉しくてたまらないよ! これも長年の夢だったんだ。日本のリスナーはとても評判が良くて、ライヴではハメを外すって聞いているから、来日公演でアルバムの曲を演奏するのが楽しみなんだ。「Idiosyncrasy」(Track.7)、「Gaia」(Track.1)や「Psychogenesis」(Track.4)のようなライヴで映えるパワフルな楽曲もあるし。ルクセンブルクから日本に行く初めてのメタル・バンドだから、母国でも注目されるだろう。失敗できないよ。

-今作についてうかがっていきたいと思いますが、「Gaia」はメロディアスなイントロから突然のブラストビート、そこから様々なリフが刻まれていき、冒頭からかなりプログレッシヴな展開で驚きます。これはどのようにして構築されていった楽曲なんでしょうか?

この曲のオープニング(※アルバムのイントロでもある)は、地震の揺れや自然災害についてのニュース放送の音を重ねたもので、"強烈な爆発"という言葉で終わる。そこで弾いているリフも爆発や地震を意味する。最初のリフと次のリフはガイア(※ギリシャ神話の女神)が地球を照らす光のようで、この爆発や揺れに対して"地球の自然のバランスを崩すな"とガイアがメッセージを送っているみたいなんだ。

-Track.2「Cinder」は、ミドル・テンポで不穏に攻める前半から一転、後半のメロディックなリフから畳み掛けるように劇的なギター・リフを導入するという展開の持っていき方に感動しました。この曲に込めた思いはありますか?

俺たちの曲の多くにそういった二面性があるんだけど、「Cinder」もそのひとつだ。クラシックな曲構成を目指したわけではないけど、まず始まりのテーマがあって、途中で別のテーマが組み込まれる。もともとブギー風のヴァイブスを前半に入れて後半はカオティックなものにして、爆発を表現したかったんだ。曲の構成は歌詞と関連性があるよ。

-この「Cinder」はMVも制作されております。これはどういった経緯で作ることになったのでしょうか? また、制作時のエピソードもあればお聞かせください。

「Cinder」を選んだのは、MVに合う楽曲だと思ったし、曲のグルーヴ感が多くの人に響くと思ったからなんだ。ルクセンブルクにある会場を借りて、ミラー・エフェクトを出すために撮影を2回行った。後半の方で皮膚に火傷ができるんだけど、それは特殊メイクを施してもらっている。ちなみに目に付けてる黒いレンズは本物で、制作後に足したものではないんだ。撮影ではいい経験を得ることができたよ。