INTERVIEW
lynch.
2016.09.09UPDATE
2016年09月号掲載
Member：葉月（Vo） 玲央（Gt） 悠介（Gt） 明徳（Ba） 晁直（Dr）
Interviewer：吉羽 さおり
－葉月さんは悠介さんの作る曲に対して、どういうイメージや評価を持っていますか。おふたりは違うタイプですよね。
葉月：評価ですか（笑）。最初に作り始めたときは、違いはなかったんです。なんとなくlynch.の音楽性を意識して作ってきてくれていたんですけど、そうするとやっぱり違う人がやる意味がないから、"好きにやってちょうだい"と話して。違いが出てきたのはそれからですかね。助かります（笑）。僕は得意なことをやっていればいい状態になるから。
－今お互いが得意なことをやれている状態なんですね。
葉月：そうですね。
－自由度が増しているのはバンドとして重ねてきた時間があるからですか。
葉月：自由度というより、熟練度みたいなものはすごいと思います。面白いのが、曲を作るにあたって、例えばやりとりの戦いというか、メンバー内での切磋琢磨みたいなものってないんですよ。たぶんそういうことを聞かれたのかなと思うんですけど。
－はい、そうですね。
葉月：ないんです。それぞれがぶつかることなく、曲をベストに持っていくというスタンスな感じがしていて。そういう意味では、そんじょそこらのバンドにできない形がとれていると思うんですよね。みんながみんな尊重しているからか、自分のやることに全力を注げる。若いバンドや結成して日が浅いバンドにはなかなか難しいと思うんですけどね。俺はこうしたい、俺はもっとこうしたいとかあると思うんですけど、このバンドはそういうのがないんです。
－それは、時間を経てなくなっていったものですか。
葉月：昔はあったと思うんですよ。みんながみんなのことを知っていって、なんならデモを作る段階から、この人はこうというのがある程度想定されているんですよね。だから、こんなの嫌だっていうフレーズは最初からないし。それを踏まえたうえで、みんなが自分のフレーズを持ってくるので。そこはすごいんじゃないかなって思います。
－アルバム・タイトルの"AVANTGARDE"はどういった意味合いでつけたんですか。
葉月：これはもう、タイトルを決めなきゃいけないですよって急かされてからつけたものなんですけど（笑）。ずっと心の中にはあった言葉で。たまたま"AVANTGARDE"というローマ字表記を見て、"こんな字面なんだ、きれいだな"っていうのは心に残っていたんですね。で、今回のアルバムは"パンキッシュ"がヒントになっているというところで、僕の中ではアヴァンギャルドとパンキッシュに同様のイメージがあったんです。アヴァンギャルドというと"前衛音楽"、"現代音楽"というイメージだと思うんですけど、僕の中ではそうではなくて。ただ、あまりにもありふれている言葉だったのでタイトルにするのはどうかなと思ったんです。でも本来の意味は、フランスの兵隊さんの最前列の精鋭部隊の人たちのことを言うらしくて。それが、シーンがどこかもわからないところでやっている、このバンドに当てはまるなという感じがしたんです。決め手は作品というより、今のバンドの状態がアヴァンギャルドだなというところからでしたね。
－どこに立っているのかわからないけれど、最前線で臨戦態勢だという。
葉月：そうですね。
－今年メジャー・デビュー5周年を迎えて、その5周年記念のイベントが、東名阪での完全無料ライヴ（※9月14日、15日、20日に開催される"MAJOR DEBUT 5TH ANNIVERSARY 「THE RECKLESS MANEUVER」-完全無料東名阪-"）となります。大きな会場での無料ライヴというのは思い切ったものだと思いますが、このライヴにはどのような思いがあるんですか。
葉月：多少、興味はあるけどお金払ってまで行きたくないなっていう人って、いっぱいいると思うので。そういう人にも、一度観てくれれば好きになってもらう自信があるから。まぁタダなら来てくれるのではないかという願いを込めて。あとは、単純にデカいハコでやれば、たくさんの人に来てもらえますから。
