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INTERVIEW

G-FREAK FACTORY

2016.09.01UPDATE

2016年09月号掲載

G-FREAK FACTORY

メンバー:Hiroaki Moteki(Vo)

インタビュアー:荒金 良介

今作も素晴らしい出来ですね。特にTrack.1の表題曲「ダディ・ダーリン」はこれまでのG-FREAK FACTORYにはないどっしりした曲調ですが、楽曲自体は前回のシングル『Too oLD To KNoW』(2016年4月リリース)のときからあったそうですね?

そうなんですよ。4曲ずつ2回に分けて録ったんですけど、その中からいい曲を選びました。

-この曲を前回のシングルに入れなかった理由は?

やっぱり「ダディ・ダーリン」が強烈だったから。前回のシングルは約2年ぶりの音源作品だったじゃないですか? それでいきなりこの曲を出すよりは、次のシングルに入れた方がいいだろうと。

-Motekiさんが"強烈"と感じた部分は?

曲の良し悪しは人それぞれだろうけど、自分が気に入ってるかどうかはわかるじゃないですか。この曲を元旦に何度も聴いて修正を図ってみたけど、修正できなくて。もう少しリズミカルに韻を踏んでみるとか、いろいろ考えたけどできなかったんですよ。じゃあ、この曲はこのままでいいんだなと。リリックに関しては時間をかけたものほど気に入るし、ギリギリまでもっと良くなるように考えるタイプだけど、「ダディ・ダーリン」は最初に書いたものが一番良かった。それは初めてのことですね。

-そうなんですね。

逆に、"こんなに悩まなくていいの?"って(笑)。でも、聴きながら涙が出てきたから、これはいい曲だなと思ったんです。そこが判断材料でした。誰がなんと言おうと、自分が感じたものをそのまま曲に出せたので。録音したあとも変えたいパートはなかったですからね。

-最初に溢れ出てきたものが最高の形だったと。この曲はどういう背景から生まれてきたんですか?

単純に4分の3拍子が好きで。アコギで曲を作るんですけど、"ラララ"という仮歌もこの曲にはなかったんです。

-えっ、そうなんですか?

はい。「Too oLD To KNoW」(シングル『Too oLD To KNoW』表題曲)の歌詞がもともと5倍ぐらいの長さがあったので、そこから拾い上げた歌詞なんですよ。そのリリックを4分の3拍子で気取ることなく曲にしたら、こういう曲になりました。だから、字余りだったり字足らずだったりするところもあるけど(笑)。

-それさえも気にならず?

そうですね。あっという間にできました。「Too oLD To KNoW」の延長でできた曲だから、同じ曲名でもいいと思ったぐらいで。ただ、MVの監督さんと打ち合わせをしたときに、"過去に問い掛けた内容だけど、悲しいストーリーになるよりは、それを未来にどう反映させるのかをテーマにしよう"という話に落ち着いたんです。それであのMVができたんですよ。MVを観たら、なおさらこの曲が好きになっちゃって。

-MVもメッセージ性が強くて、心に残りました。

今の時代を生きる葛藤はありますからね。でも、昔にヒントがたくさんあって、今も絶対未来へのヒントがあると思うんですよ。この時代にどう生きたら、自分は納得して死ねるかなって。じゃあ、過去の人はどうだろうと考えて、冒頭の歌詞を書きました。

-なるほど。

10年前から危機感はあったけど、その中で危機感を忘れたい自分もいるんですよ。空気だって安心できる時代じゃなくなったから、自分も今の時代と向き合おうと。20代でアメリカに行ったときに相当食らいましたからね。それから日本人というものに対して、すごくこだわりを持つようになったんですよ。日本もどんどん変わって、住みやすい国かと聞かれたら、誰も住みやすいとは言わないと思うんです。税金、原発とか、いろんな問題が露骨に出て......でもここで生き抜かなきゃいけない、命を繋げなきゃいけない。日本人が日本のことをちゃんと考える時代になったと思いません?

-そうですね。

この先はもっと変わると思います。もう一度、人間はアナログに回帰しますよ。利便性の方に行ききったから。敗戦国というレッテルのない教育で育って、当たり前のように夜も歩けるし、いい暮らしをしてきたと思うんです。食品の賞味期限を偽装しないとか、メディアが騒いで広まったけど、俺がガキのころはもっと劣悪な環境にあった魚を食ってるはずなんですよ(笑)。でもそれを食べて、おいしいと言ってましたからね。今はセシウムを疑って食品を選ぶとか、単純に食って"うまい!"という幸せさえも遠のけている気がして。いろんなことを調べて、何もできなくなる。それがそいつの幸せならいいんですけどね。何が幸せなのか? それは全員違うし、自分が決めることだと思うから。日本でも、それが責任になってきたと思います。その時点で変わってきたなと。すみません、話が逸れました。

-いえいえ。"平和を願う気持ちがわからないんです"という歌詞はインパクトがありました。率直な心情を書いているだけに、より一層考えさせられます。

そうっすね。僕も戦争に行ったことがないから、"平和っていいよね"と言ってもリアリティがない気がして。戦争がないことを願っているのは、戦争をしている国の人たちだと思うから。でも、平和は望んでますからね。日常にしっかりと"ありがとう"が言えたら、それが幸せだと思うから。全員が幸せの確認をできたらいいですね。

-資料に"嘆きの手紙"のような曲だったと書いてありますが、これは?

俺らは富をいっぱい手に入れたけど、感謝する時間はあまりなくて。それは教育で教えるべきだし、伝えなかった世代があるから伝わってないのかなと。まぁ、全部を伝えることで、不幸せになることもあるから。嘘くさいかもしれないけど、疑うよりも信じられるものがあった方がいいなと。なぜ信じられない奴に一票入れるんだろう、なぜ信じられない国で暮らしてるんだろう、という葛藤はありますからね。信じるものがあるなら、家族が絶対に守られるなら、俺も戦争に行くだろうしね。

-なるほど。曲調的にはピアノ、ヴァイオリンの音色が印象的ですね。

ヴァイオリンを弾いてもらったのは広島の奴なんですよ。こういう曲をやるなら、広島の人とやりたいなと。"ゆーこときカズ"の(金築)利和がshuly to 104kzというバンドをやってるんですけど、そのバンドのヴァイオリニスト(横山愛実)に弾いてもらいました。

-ポエトリー風の歌声に、ゴスペル調の女性コーラスを重ねたアレンジもいいですね。

女性コーラスは今まで入れたことがなかったですからね。そのコーラスは地元の女性に歌ってもらいたかったんですよ。女の人の嘆きを入れたかったから。

-あと、"ダディ・ダーリン"という曲名にはどんな意味合いが?

この曲はじいちゃんのことを書いたんですよ。父ちゃんから見たダーリンみたいな。まぁ、ダディもダーリンも同じ意味合いで、愛しい人にリスペクトを込めて使う言葉ですからね。このシングルの発売日が9月7日で、じいちゃんが生きててくれればちょうど100周年なんですよ。"やった!"と思って、勝手に嬉しくなっちゃって。