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INTERVIEW

Zephyren代表GEN氏

2016.08.11UPDATE

2016年08月号掲載

Zephyren代表GEN氏

Zephyren:GEN(代表)
インタビュアー:米沢 彰

-GENさんの中から独自に出てくるものですよね。

今はファスト・ファッションがきているのかな。俺はそういうことはわからないけど、流行を追いかけるのは嫌だよね。人格がなくなりそうで。よくスタッフに"何を見て作るんですか?"って聞かれるんだけど、ほとんど自分の中での妄想や想像、あとは勝手に解釈した考え、そういうもので作ってるね。

-具体的なシーンというか、この人にこういうところでこういうふうに着てほしいっていうイメージが先行しているものもあったりするわけですね。

もちろん、ありますね。友達が展示会に遊びにきて、作るときから選ぶだろうなって思っていたものを選んだら、"やっぱこの服選ぶよね!"ってなるしね(笑)。

-そういう、着る人ありきな部分もあるんですね。Zephyrenはモデルさんもジャンルが幅広いし。アーティストだけじゃなく、エクストリーム・スポーツの人もいて。あの幅の広さは、全部GENさんの個人的な感覚ですか?

そうですね。気が合った人間がたまたまミュージシャンだったっていうのがありますね。不良も大好きですし、外国人は面白いし、若い子には何かを伝えたいと思うし、撮影は楽しいです。マイナー・スポーツももっと日本で評価されていいとずっと思っていて、それで応援したいっていう気持ちも強いし。Zephyrenはファッションと音楽が好きな人が大半を占めていると思うんですけど、カタログも1万部発行しているので、いろんな人に仲間を見てもらいたいですね。それでもストリート・ブランドとかロック系のブランドって言われるの、なんか嫌ですね(笑)。

-そうすると、何ブランドって形容するのが一番いいのか、難しいですね。

うーん......なんでしょうね。昔、服がよく売れた時代があって、どこのブランドもみんなこだわりを持って服を作ってた時代がありましたけど。あのころと今の世の中を比べたときに、時代が変わったねって思うし、ファスト・ファッションが別に悪いとは思わない。ファッションってやっぱりブランドのこだわりを知るのが楽しかったりするし、そういう感じを持ってもらえたら嬉しいなって。こういう時代だって、高い服を作っても売れないってことはないし、革ジャンもよく売れるし(笑)。高いとはいえ、その価値にしては安くて、わりと気を遣った値段にしてるんだよね(笑)。こだわりと強気は違うから。いいものを出していきたいし、手に取ってもらいたい。値段で服を見るんじゃなくて、それだけの価値があるからその値段でやってる。むしろ、まだちょっと攻め足りない気がするな。

-新作はすでにずいぶん攻めてると思います(笑)。

やっぱり(笑)。

-秋冬はアウターもあって一番やりやすい時期なんだなって思いました。

もちろん秋冬が一番楽しいからね。もう無限に作れる(笑)。

-やはり秋冬が一番カラーが出ると思いますね。次はこういう方向に行こうとしてるんだなっていうのが、見えてくる気がします。

ただ、俺が作るのは流行りとか全部無視だからね(笑)。

-そうですね。流行りに乗る気ないなってのは思います(笑)。

やっぱ好きなものは変わらないし、売れなかったとしても好きなものは残すからね。流行るの待ち、みたいな(笑)。

-流行らせるというよりも、これをスタンダードにするんだ、みたいな意思は感じますね。

それはあるね。頑固だから。

-定着するまでやる、みたいな(笑)。

スタッフには"売れないものをなんで作るんだ"って言われるんだけどね(笑)。

-そこはブランドがブランドたる部分でもあって。

本来デザイナーってそういうもんだからね(笑)。追いかけるのって自分の世界だから。それは音楽と一緒。生きてる限りは足掻いてでも作ってやろうと思ってるからね。

-今後のZephyrenの目標や目指すところを教えてください。

今すぐじゃないけど、ハイライン作って東京コレクションに出したいって思っています。過去にも、ストリート・ブランドが進出しているので。実際今の東コレがどうかっていうのはわかんないんだけど、昔はよく海外ブランドのコレクションに遊びに行って、やっぱり楽しかった。今までの自分の経験とかやってきたことを誇りに思ってるんで、もっとこだわったものを全然できると思うし、作り足りないっていう思いをそういうところに向けてやりたいですね。若いころにコレクション・ブランドやりたいなと思いながらも、ストリート・ブランドになっていったんですよね。物事って仲間と環境で進んでいくじゃないですか。そのときにストリート・ブランドって枠に自分が入っていって、それを自然な形で今まで続けてきて、どっちもやりたかったことではあるんだけど。ただ、コレクションを形として残したら、またストリート・ブランドの評価が変わってくるんじゃないかなって。そんなことを最近思うようになりましたね。もちろんストリート・ブランドとしてコレクションに乗り込みます(笑)。とにかくこうやって、2年目を無事に迎えられたことがよかったです。これはほんと、みんなのおかげだし。音楽誌なのになぜか今回この企画をやらせてもらってますけど、こんなふうに生きてきたからこういう服が作れるっていうのを話せたから、よかったなって思います。ありがとうございました。