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INTERVIEW

Zephyren代表GEN氏

2016.08.11UPDATE

2016年08月号掲載

Zephyren代表GEN氏

Zephyren:GEN(代表)
インタビュアー:米沢 彰

-Zephyrenを立ち上げてから、最初の"A.V.E.S.T. project vol.8"には10-FEET、マキシマム ザ ホルモン、ROTTENGRAFFTY、MEANINGを始め、本当に多くのバンドが集まって、全7会場でのサーキット・イベントになって。ブランド主催で、幕張などで超大規模でやるイベントはあっても、こういったやり方でここまでの規模でやることって他に例があるかな、って思いました。

渋谷開催にこだわりたいっていう気持ちがあったんで。最初は5会場でO-GROUPだけでやろうって話だったんですけど、Zephyrenを立ち上げて1回目のA.V.E.S.T.ってことで初心に返るじゃないけど、昔オールナイトでやってた旧A.V.E.S.T.を思い出して。まずメタル・バンドが2バンド出て、FLOW、10-FEET、妄走族、ラッパ我リヤが出て、それが原点というか、斬新だったので、新しいことをスタートするのに今までと同じことやっても面白くないので。あと、やっぱり今までイベントに出したかったけど出せなかった仲間がいて、そういう人もみんな出れるようにしようって思っていたら会場がどんどん増えていって。最終的には7会場47アーティストになりました(笑)。

-本当に幅が広くて、渋谷clubasiaはヒップホップの会場になっていたのも印象的でした。

でも来年A.V.E.S.T.をやるときは、会場を分けずに混ぜようと思っています。もっと一緒にやりたいとか、もっと絡みたいってみんなが言っていたし、ロックのお客さんにも、ヒップホップ聴いてもらいたいし、来年はそういうヒップホップも充実させてみたいなって気持ちが強くて。夜帯だけじゃなくて昼も観に来てほしいなって思いますね。

-今はヒップホップ復権の兆しもありますしね。

今熱いですね。旧A.V.E.S.T.がなくなったあとも実はヒップホップのイベントは続けていて、そしてふとロックに戻っていった。そのときもなんとなくそうなっただけで、自分の意志というか流れみたいな感じですね。服もそうなんですけど、自分の好きだったものがいい感じで混ざってきていて。自分で作っておきながら"こういう服は自分では着ないな"って思いながらも、作る心地よさも感じるようになって。若い子だったり大人だったり、いろんな人にモデルをお願いして、"こういう人がこういう服着てたらカッコいいな"っていうのが自然とできるようになったのは、自分が大人になってからですよね。

-ある意味、ブランドに人格ができ始めたという感じがしますね。

ブランドは生き物ですからね。いろんな感情が混じっていて、喜んだり、苦しんでいる、わかりづらいブランドかもしれないですね(笑)。

-今回、AWの商品ラインナップを発表しましたが、ひとつのブランドとは思えないくらい幅がありますよね。モデル・カットを見てると、雑誌を見てるような感じすらしてきます。

これからもっと振り幅は広くなりますよ。昔はテーマを考えて方向性を決めて、意図的にブランドの雰囲気を作ってたけど、今はそれがなくなっている。流れを無視して自分の感情を優先している。変わったって言う人がいるかもしれないけど、これも俺が作る服ですしね。

-今回の新作の中でもGENさんが特にこだわったポイントやよく見てほしいところを教えていただけますか?

いろんなことをこだわってやっているので、普通に全部見てほしいですね。あと、革ジャンは絶対に買ってください。素材もパターンも細部に至るまで、最高なものを使ってすべて国産です。毎シーズン形は違うんだけど、いつも自分と仲間のために作っているやつです。手前味噌ですが完璧です(笑)。

-革ジャンは年単位で着るものですしね。

どんな服でも永く着てもらいたいですね。それこそ自分の子供に引き継いでもいいし、時代が変わると形も変わるけど。服を作るときに何を考えているかというと、例えば何年後かにタンスから出したときもやっぱりカッコいいなと思ってもらえる服にしたいなと。いいものは普遍的になるんですよ。何年も前に作ったものを、カッコいいなって着てもらえたら嬉しいし、そういう服を作るっていうのが始まりだったから。やっぱり古着とか好きなんで、"その当時こんなカッコいい服があったんだ"とか思えるような、そういうのもデザインに落とし込んでるし。あとは、グラフィック。手描きでデザインすることが多いんですけど、パソコンでやるのとは味わいが違うし。陰影のつけ方も、線でやるのか点でやるのか、ぼかすのか、ひとつひとつ考えてやっています。よく見てもらいたいですね。すごく時間をかけて描いてるので。

-今はみんなデジタルですからね。

俺はアナログが好きなんだけどね。

-線1本とっても、手描きとデジタルはやっぱり違いますしね。

全然違うと思いますね。ひとつひとつの服の作り方っていうのが、サイズ感もそうなんだけど、全部自分で1着1着試着してサイズも決めているし、定番も毎シーズン微調整して。国内で最高レベルのモデリストにお願いしているし、服の形も見てもらいたいな。全部オリジナル・パターンなんで。あと、好きなアーティストの佇まいとかをよく見て、こういうふうに着てくれたら嬉しいなって思いながら作ることが多いかもしれないですね。過去のアパレルの経験と、自分がカッコいいと思う人、そういうのが全部ミックスされてると思います。