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INTERVIEW

OLDCODEX

2016.08.17UPDATE

OLDCODEX

Member:Ta_2(Vo) YORKE.(Painter)

Interviewer:荒金 良介

-なるほど(笑)。

YORKE.:俺も帯は大事なものという発想で作るようになりました。それはTa_2の影響ですね。帯に意味があると思わなかったけど、それは違うんだなと。

-作り手に対するリスペクトを忘れずに?

Ta_2:そりゃそうですよ! アーティストやデザイナーの意思がそこに込められてるわけだから。これからやろうとしている世界に対して、失礼ですからね。

-他のものに対しても、こだわりはあるんですか?

Ta_2:丁寧にしすぎることが、必ずしも大事にすることに繋がるとは思わないから。自分なりの大事の仕方というか。

YORKE.:(Ta_2は)iPadとかはブン投げるからね。それがよくわからない(笑)。まぁ、ブン投げてるからって愛情がないとも言えないんだけど。

Ta_2:たぶん壊れないかなって(笑)。CDケースが傷ついたら、ほんと頭にくるんで。同じケースを見つけて、それに入れ替えますからね。

-この話は止まらないですね。

Ta_2:はははは。

-お互いが惹かれ合う理由はわかったんですが、それでもアーティストとデザイナーという立場を踏まえて、関係性を続けていくのが一般的ですよね。

Ta_2:世界的に見ても、いろんなバンドがLED、プロジェクション・マッピング、デザイナーとか入れてません?

-専門の人を雇い、チームみたいな形でやってる場合が多いですよね。

Ta_2:そうそう。でもバンドで完結したら、もっといいじゃないですか。最初からメンバーとして入れた方がいいと思うから。

YORKE.:俺自身はいろんなミュージシャンとセッションしてたんですよ。それこそ最初はクラブで、照明が当たらないような場所にキャンバスを用意されて。当然、誰も見てないわけ。それでもデカい絵が描けるからいいやと思って。でもそのうちステージを見ていると、"なんであのミュージシャンはダルそうにリハーサルをやってるんだろう? 引きずり落としてぇ、俺が上がるべきだな"って思うようになったんです。じゃあ、ステージに上がるためには俺は何をするべきかなと。それで歌舞伎とかめっちゃ観に行きました。

-歌舞伎ですか!

YORKE.:女形がなぜ女形に見えるのか。その手が色っぽいのは女性を研究しているからだし。街で掃除してるおじさんの手が美しく見えるのは、あの手が本気で仕事しているからだなって。俺もそういう手にしなきゃいけない。で、大きなステージで初めてスポットライトを浴びたのはMIYAVIのライヴで、彼が俺をステージに上げてくれてね。すごく緊張したのを覚えてる。それからいろんなミュージシャンが誘ってくれるようになりました。OLDCODEXでは5、6年やってきたけど、今はこれがナチュラルなスタイルですね。昔は"なぜヴォーカルとペインターなんですか?"と聞かれても、うまく答えられなかったけど。

-あぁ、そうなんですね。

YORKE.:OLDCODEXを必死で守らなきゃいけないという気持ちが強くて。過去にINORANさんが曲を作ってくれたけど、まだ置いていかれてる感じがして、ヘンな劣等感みたいなものも感じてましたからね。

-イロモノ扱いというか、目立ちたいだけでやってるんじゃないか、という偏見を持たれることもありました?

YORKE.:それはあると思います。まぁ、もちろん目立たないと見てもらえないわけだからね。あと、今までは絵を描いて、個展をやって、人が集まったら最高だと思って生きてきたけど、それをやっても人が集まらないことがよくわかったから。Ta_2が歌って、自分も目立って、それから絵を見てもらう。人を混乱させたいって感じですね。"Ozzfest Japan 2015"に出たときもシーンと静まり返った中で絵を描かせてくれと。どんだけパニックになるのかなって(笑)。俺はOzzy Osbourneの顔を描いたんだけど、そこでザワザワさせられたら勝ちだなって。それはギターの一発の音で"オオッ!"と思わせるよりも、強いんじゃないかと。

-2012年に発表された5thマキシ・シングル『カタルリズム』のときにYORKE.さんは初めて作詞をされたんですよね?

YORKE.:そうですね。当時はメンバー3人だったけど、脱退してしまって。俺はまだ諦めきれなかったから、歌詞を書かせてくれって感じだったかな。

-それはどういう気持ちから?

YORKE.:全然やったことがなかったけど、やれる気がして。絵を描きたいのと同じように、とにかく歌詞を書きたくて。これからはふたりで完結させなきゃダメだから。曲を聴いたときに、"カタルリズム"という曲名をパッと思いついたんですよ。だから、歌詞も書かなきゃいけないなと。当時、「カタルリズム」の歌詞を書いたときに、ブース内ではなく、みんながいる卓の前で爆音で歌ってやったんだよね。そしたらディレクターがちょっと涙ぐんで、それはすごく覚えてますね。

-それから作詞するようになったんですよね?

YORKE.:そうですね。1回やってみたら、絵を描くのとはまた違う魅力があって、もっと勉強しなきゃいけないなと。ふたりで今後の話をしたときに、Ta_2が曲を書いて、俺が詞を書いて、ふたりでクレジットを並べようって話になったんですよ。それで今の形になりました。

Ta_2:YORKE.が"Ta_2の作った曲を聴きたい"と言ってくれたし、その期待に応えたくて。いろんなことを諦めなくてよかったなと。10年ぐらいやってるバンドが経験することを数年で体験した気がしますね(笑)。