MENU

激ロック | ラウドロック ポータルサイト

INTERVIEW

ゆくえしれずつれづれ

2016.06.17UPDATE

2016年07月号掲載

ゆくえしれずつれづれ

Member:◎屋しだれ まれ・A・小町 英艶奴 子子子

Interviewer:吉羽 さおり

-実際に、ゆくえしれずつれづれがやっていく曲をもらったときにはどう感じたんですか。

しだれ:最初にもらったときは、"あぁ、こういう系か"と思いました(笑)。パンクもあまり聴かなかったですし。私が好きなのはTHEE MICHELLE GUN ELEPHANTや ART-SCHOOL、syrup16gだったので最初は戸惑いました。ただ、始めてすぐにこういう曲が好きになったのは、なんででしょう? やっぱり天性なんだと思います。

小町:もともと私は、RADWIMPSしか聴いてなくて、ほとんど音楽に触れてこなかった人間だったんです。今はゆくえしれずつれづればかり聴いていますけど。最初は、"シャウトって何?"っていうところから始まりました。

-あとから加入した子子子さんはどういったきっかけで、加入することになったんでしょう。

子子子:ゆくえしれずつれづれの存在は、前のメンバーで1回目のライヴが終わったくらいのときに知ったんです。"なんだろうこのアイドルは"と、衝撃を受けて。アイドルってやっぱり"かわいい"イメージだったんですが、初めてゆくえしれずつれづれを見たときにかっこいいと思ったんです。私は歌を歌うのが好きだったので、歌を歌いたいと思ったし。こんなシャウトもやってみたいと思って応募しました。

-艶奴さんはもともとどういう音楽が好きだったんですか。

艶奴:私は全然ゆくえしれずつれづれとは違うんですけど、普段はよくストレイテナーさんを聴いています。ゆくえしれずつれづれを最初に知ったのが、1stデジタル・シングル「凶葬詩壱鳴り feat. ぜんぶ君のせいだ。」のMVだったんです。普段の私とは真逆な感じなんです。脱力系のゆるい部分は同じなんですけど。

しだれ:たしかに、艶奴は脱力系(笑)。

艶奴:激情の部分というのが、私にはまったくないものだったので。生きてるのがつまらないし、変わりたいって思ったときにちょうど見つけちゃって(笑)。"これは"と思ったんです。ちょうどオーディションもやっていて、入るしかないなって。

-やはり、"激情"に引っかかったんですね。アイドルではあるけれど、歌の雰囲気はダークなものですし、孤独感というのもすごく感じる。表現していくにあたっては、歌詞を読んで自分たちで解釈をしていくんですか。

しだれ:そうです。作詞家の方に、"この歌詞はどういう意味ですか"と訊いたことはなくて。自分たちで、自分なりの解釈をしていった方がいいかなと思っているんです。だから、4人それぞれのイメージを持っているかもしれないし。

小町:曲によっても、それぞれ思っている感じが違うのかなと思います。

-いわゆるアイドルの歌とはまったく違った表情を持った曲ばかりですが、抵抗感はないんですね。

しだれ:そうですね。最近はロック・テイストだったり、バンド・サウンドのアイドルさんが増えてきたと思うんですけど。そこにも当てはまりたくないというか、はまれないと思うので。確実に、ゆくえしれずつれづれだけのジャンルを築き上げてきたんじゃないかなと思います。群青のみなさま(※ゆくえしれずつれづれファンの総称)には、"叙情派ハードコアだ"とよく言われるんですけど。わたくしはそんなに音楽に詳しいわけではないので、叙情派ハードコアなのかどうかは、わからないんですけども(笑)。ただ、どんなアイドルよりもエモーショナルで、どのアイドルよりも音楽を愛している、音と暴れているということには自信があります。

-お話の感じだと、CDでの作品性とライヴのあり方は、また別物という感じですか。

しだれ:CDでは、秘めた激情を感じられると思うんですけど。ライヴに来ていただけたら、その秘めた感情、わたくしたちの感情がバーンと出ていると思います。脱力よりも、激情が――

子子子:激情は8割くらい。

しだれ:解放されちゃいますね。

-"激情"だけに表現の難しさもあると思います。その部分をどう伝えるかなど、考えることも増えているのでは?

小町:そうですね。今まではあまり自分と向き合ったことがなかったんですけど、自分と向き合う時間が本当に増えました。

しだれ:小町はもしかしたらそれが苦痛な時間もあるかもしれないですね。向き合うことってすごくつらいこともあるから。

-今まで見たことない、見たくなかったような自分の闇の部分も見ることになりますもんね。

しだれ:ライヴでも自分と向き合って自分を曝け出すから、ときどき思い切り泣いちゃうこともあるし......今もちょっと泣きそうなんですけど。

小町:今も!?

しだれ:ちょっと思い出しちゃって。すみません(涙)。

-「凶葬詩壱鳴り feat. ぜんぶ君のせいだ。」の歌詞は、"つらいこともあるし、孤独感も抱えているけれど、前を向く"というものになっています。それは、歌の心強さでもあるし、ちゃんと自分とシンクロしている部分なんでしょうね。だからこそ感情が爆発してしまうことがある。

艶奴:あれ、本当に泣いてるの?

しだれ:今までの自分が本当に嫌いだったから、今やっと少しずつ自信を持てて頑張っていられるのが、すごく嬉しいです。

-自分の心を映したような歌に共感してくれる人がいて、一緒に叫んだりできる。それは日常ではなかなか味わえないものだと思うし、音楽ならではかもしれない。

しだれ:すごく幸せなことだと思います。

子子子:今は毎日、今まで全然感じたことのない感情ばかりが湧くので。いろいろ考えなきゃって思うことも多いです。

艶奴:私は脱力系の感情は、もともと全身にあるのですが(笑)。激情系の感情がまったくなかったんです。でも初ライヴのときに初めて激情系の感情が生まれたというか。終わってから泣いちゃいました。普段は全然、泣くことないんですけど。