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INTERVIEW

UROBOROS

2016.04.18UPDATE

2016年04月号掲載

UROBOROS

Member:黒瀬 圭亮(Composer/Manipulate) 上木 彩矢(Vo)

Interviewer:山口 智男

-新しいヴィジュアル・イメージは前回よりもインパクトあるものになりましたね。

黒瀬:はい、かなりショッキングに(笑)。

-そのために上木さんは眉毛を剃ったそうですが。

上木:ええ。今回、ダーク・ファンタジーという彼(黒瀬)の世界観を具現化するために衣装も含めた全体的なコーディネイトに合わせて、眉毛ない方が人間っぽさがないし、ダーク・ヒーローを演出するにはいいんじゃないかということで思いきって剃りました。

-そもそも何かコンセプトやイメージがあったんですか?

黒瀬:上木も人間っぽさがないと言いましたけど、とりあえず今回は"人間やめましょう"っていうところから(笑)、ゴシックな世界に振りきってみました。前作以上にヴィジュアル面でも目を惹くものにしたかったんです。もちろん、曲もこのメンツでやるからには攻撃的に振りきったときに、どんなサウンドになるのかというところを追求しました。

-"人間やめましょう"っていうのは、人間離れしているという意味なのでしょうか?

黒瀬:そうですね。サウンドにしてもルックスにしても、人間が本当にやっているのかと思えるようなものにしたかったんです。

上木:歌詞の面でも今回は、光や太陽を権力とか、そういうものに喩えてるんですけど、それに"反逆する者"っていうのがテーマになっていて。「ZODIAC」(Track.4)のMVでも我々UROBOROSが地の底から這い上がってきて、権力や地位に立ち向かっていくみたいなことを表現しているんです。"人間やめましょう"っていうのは、そういう歌詞の内容を表現するためのひとつの演出なんです。

-"地の底からの太陽に対する反逆"というコンセプトはどんなところから?

黒瀬:UROBOROSを始めたきっかけに、今の時代にあまりないものを作りたいという思いがあったんですよ。メタル色が濃い女性ヴォーカルの音楽が世の中から減ってきているという認識が僕の中にあって、そういう音楽の勢力をもう一度、アンダーグラウンドからフォアグラウンドに持ってきたかったんです。権力との戦いももちろんなんですけど、僕の中では今の音楽シーンに対して、見せ方としてゴシックなものやハードなものを表に持ってきたいという意味合いが強いですね。

上木:私はやっぱり、15年、音楽をやらせてもらっていて、上木彩矢として今年で10年目になったんですけど、生きていくことって大変だと思ったんですよ。音楽人として生きていくことももちろんなんですけど、いろいろな価値観を持った人がいる中で、生きていくっていうか、共存していくってすごく難しいと思うんです。だからって、何があったか、ここで語るにはたくさんありすぎるんですけど(笑)、でも、同じようなことがUROBOROSを聴いてくれてる人にもきっとあると思って、そのうえで私たちUROBOROSは音楽を通して、何を伝えたいのか考えたんですよね。恋を歌う人もいるだろうし、ピースフルに手を取り合おうという人もいるだろうし、そういう中で自分たちはどういう表現方法をしていくのか。それを考えたとき、やっぱり強さだったり、悔しさだったり、憤りだったり、怒りだったり......。

黒瀬:反骨精神だよね。

上木:怒りから生まれる悲しみや悶々とした感情を言葉にしたいという思いがあって、もちろん自分が感じてきた悔しさとか、"あいつ、こんにゃろ"みたいなものももちろんありますし(笑)、そういうものを込めていきたいと思いました。だから、ソロでやってきたこととは違う、UROBOROSだからこそ表現できるものを書いているつもりなので、歌詞はやっぱりちょっと暗いです。私が書いた日本語の歌詞をアドバイザーの方と英語に訳すんですけど、思わず心配になるぐらい暗い歌詞を書いてるらしくて(笑)。"大丈夫? 病んでるの?"、"いや、病んでない病んでない"っていうぐらいギリギリのラインをキワキワに攻めていこうかなっていう意識はあります。

-でも、それはネガティヴな――

上木:ものではないですね。"這い上がれない"とか"立ち上がれない"とかっていうことがネガティヴだと思うんですけど、そうではない。自分の中の葛藤や劣等感を怒りやパワーに変えて表現しているので、むしろ超ポジティヴだと思います。

黒瀬:めっちゃポジティヴだよね。今の世の中、ハッピーなものだけがポジティヴだと思われがちだけど。

上木:そうじゃない方法があってもいいんじゃないかって思ってます。

-今、おふたりがおっしゃった反骨精神、悔しさ、憤りは前作でも歌っていたと思うんですけど、昨年リリースの前作『ANOTHER ARK』(1st EP)を作ったことでそういうテーマがよりはっきりしてきたんでしょうか?

黒瀬:前作に関しては、"UROBOROSの誕生"というところにテーマを置いていたんです。タイトルの"ANOTHER ARK"っていうのは、新しいものを作って、そこにみんなを連れていくための箱舟っていう......。

-船出をイメージしたとおっしゃっていましたね。

黒瀬:はい。船出をイメージして作りました。もちろん、そこに反骨精神も込められてはいたんですけど、今回はUROBOROSがさらに意思をひとつにして、闘いに赴くというイメージで、ターゲットがよりはっきりしてきたんです。例えば権力だとかルールだとか制約だとか、そういう縛るものがいろいろあるわけじゃないですか? 縛るものに対しての反骨が明確になったというところはあると思います。