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INTERVIEW

NoGoD

2016.03.31UPDATE

2016年04月号掲載

NoGoD

Member:団長(Vo) Kyrie(Gt)

Interviewer:荒金 良介

-この言い方が正しいかわかりませんが、忘れ物を取りに行くような感覚に近いですか?

Kyrie:今では絶対出てこないであろうアイディアもありますからね。それに改めてハッとすることはありました。やりたいことを詰め込んで、成立してる曲は今まで収録してきたんですよ。今回はやりたいことを詰め込んだうえで、さらに何かをプラスしないと成立しない曲たちを入れられたと思います。

団長:ウチらのインディーズ時代が好きという人もいるけど、そういう懐かしさも入ってると思います。メジャー・デビューしてから、やらなくなったことも多いですからね。今回はどんどん無駄を削ぎ落としたので、初期衝動感が強いアルバムだなと。アートワークをクールにしたのも心機一転じゃないけど、単純に1周したから、2周目にいこうかっていうことで。衣装も赤と黒の10年前のイメージカラーに戻して、今っぽくしようと。今回はいろんな時代のいろんな要素が凝縮されてると思います。10年間の雰囲気をギュッとオリジナル作に入れられたから、不思議なアルバムですね。ヘンなものを作っちゃったなと(笑)。

-ああ、そういう感覚なんですね。

団長:メタラーが聴けばメタルと言うだろうし、ヴィジュアル系が好きな方はそれっぽいと言うだろうし、ポップスが好きな人はポップスのアルバムと言うかもしれない。いろんな側面が凝縮されてますね。だけど、NoGoDの中で1番勢いのある作品に仕上がったと思います。それはレコーディングの方法を変えたところも大きいんですけどね。

-何を変えたんですか?

団長:クリックを使わずに録ったんですよ。だから、楽曲のパワーは相当あると思います。

-今作はNoGoDの音楽ルーツにあるハード・ロック/ヘヴィ・メタル愛が炸裂してる気がします。

団長:ギリギリのラインの愛ですかね。この人(Kyrie)は好きなバンドのオマージュをよくやりますからね。玄人がフフフとなる要素を散りばめてます。

Kyrie:いつもなんですけどね。アイディアは無から生まれるものではないですからね。自分が音楽を作るうえで、完全に新しいものをやろうというつもりはなくて。自分が聴いて、かっこいいと感じるものをやろうと思っています。

-今回、Kyrieさんのギターはさらにメタル度が増してるなと。

Kyrie:そうかもしれないですね。音の作り方というか、構築の仕方がすっきりしてるんですよ。ウチはギターが2人いるけど、お互いの棲み分けがどんどんはっきりしてきているから、そうなってるのかもしれない。Shinno君が入ってすぐのころは、ギターのレコーディングに関しても僕がベーシックを作っていたんですよ。去年数多くのツアーを回る中で、お互いのスタイルをはっきりさせる方向に動いていましたし。今回はギターの重ねも少ないし、常に2人で弾いてる感覚を大事にしたかったんです。

-去年は畑違いの人たちとも積極的に対バンしてますよね。そこで受けた刺激も大きいですか?

Kyrie:そうですね。近くで言うと、LUNKHEADと2マンをやらせてもらって、お互いの曲をカバーしたんですけど、同じ曲をやってるつもりでも違うんですよね。彼らが持ってるニュアンスを違う形でしか出せない。そのことでより自分たちらしさを考えましたね。

団長:結局このバンドは土臭いんだなって。若いころは土臭さや泥臭さを排除して、いかにかっこよく見せるかをいろいろと試行錯誤してたんですよ。でも、我々も10年を経て、シンプル且つストレートにやりたいことをやるバンドだなと。やっとスタートラインに立った気持ちですね。だから、今はメンバー全員シンプルな思考になってます。

-NoGoDの土臭さはどこからきているんですか?

団長:俺が土臭いじゃないですか(笑)。埼玉には海がないし......。

Kyrie:着飾るのが得意じゃなかったんですよ。作ることと偽ることの境界線は曖昧で、その曖昧さに整理をつけるのが自分たちの中で難しくて。僕らも常にニュートラルでいるわけではないけど、ニュートラルに近い方が自然に音楽ができるなと。

-Kyrieさんは自分の中にあるどのあたりのルーツが出ていると思います?

Kyrie:僕にとって大切なことは自分が何にインスパイアされて、その曲を作ったのかを自覚することなんですよ。それがわからないまま、やっちゃうことが1番嫌だから。目指すなら、トコトンやりたいですね。

-当時インスパイアされた音楽を思い出しました?

Kyrie:「方舟」(Track.6)はDjent系の音楽を聴いて、こういうものをNoGoDでやったらどうかというアイディアから発展させたものですね。さらにルーツを辿ると、違うものも出てきて、この曲はどこに位置づけようかなと。

-「方舟」は今作の中でも異色ですよね。団長のエフェクトをかけたヴォーカルも含めて新鮮でした。

団長:今までそんなことはやったことがなかったですからね。

Kyrie:Djent系の曲をやろうと思ったけど、音を録る過程で目指すところはそこじゃないなと。"あっ、これだ!"というものが見えたときに録音が進みますからね。