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INTERVIEW

Fo'xTails

2016.02.02UPDATE

2016年01月号掲載

Fo'xTails

メンバー:takao(Vo) 鳴風(Gt) テラ(Gt/Prog)

インタビュアー:沖 さやこ

-今作『Contrast』をリリースしてメジャー・デビュー1周年を迎えるFo'xTails。昨年は春に初の全国ツアーを行って秋に2度目の全国ツアー、計3枚のシングルをリリースされましたが、どんな1年になりましたか?

takao:本当にいろんなことを経験できました。だから2015年は壁にぶつかることが多くて。ライヴをやるたびに"自分たちはどんなバンドなんだろう?"と考えたりもして、秋のツアーあたりからもっと次の成長に繋がる具体的な何かを探すようになりました。バンドに対する向き合い方という点でも成長できましたね。

テラ:ライヴを重ねていけばいくほど自分たちの1番いいものを出せる曲やセットリストの流れとかが、良くも悪くも定着してきちゃって。いろんな見せ方がしたいし、どんな曲でもかっこよくやれたらそれが1番いいとも思うので......春のツアーはだいたい同じセットリストで回っていたんですけど、秋のツアーは全公演セットリストを変えてやってみたんです。だからバンドについてイチから考え直すことができて、秋のツアーで得たものがたくさんあったと思います。バンド人生で1番濃い1年でした。

鳴風:上京して10年になるんですけど、それまでずっとレコーディングやブッキングを自分たちでやってきたんです。でもメジャー・デビューしてプロフェッショナルな人たちと仕事をすることができて、音楽に集中できる環境に身を置かせてもらえて。より音楽やギターが好きになって、それでバンドのことももっと考えるようになって、自分がすべきことがわかってきた気がします。だからすごく楽しいです。ライヴをしていても"まだ届いてないな"と思うことはあって。それをどうやったら届けられるんだろう?と考えたり。より"頑張ろう"と思いますね。

-今回のシングルは秋の全国ツアー中に制作を行ったんですよね。表題曲「Contrast」はTVアニメ"Dimension W"のエンディング・テーマに書き下ろした曲です。主題歌の書き下ろし曲です。

takao:タイアップのお話をいただいて原作を読んだんですけど、近未来の話なので近未来ならではの事件が起きるんです。話が進むごとにどんどん引き込まれる内容で本当に面白くて。アニメの映像もすごくきれいで迫力があって、今回の機会をいただけて本当に嬉しかったです。

テラ:科学の発展で便利になっていくけれど、そのことが孕んでいる危険性とかが描かれているんです。近未来の話ではあるんですけど、すごくリアリティも感じて。この物語はフィクションとはいえ、今の自分たちの世界でこういうことが起きてもおかしくないな......と思いつつ。すごく惹かれる内容でした。いつも作曲担当は竿隊(鳴風、テラ、ベーシストの坂本尭之)なんですけど、このお話をいただいたときバンドに"今回の作風はわりとテラちゃんの得意そうなジャンルだよね"という空気はあって。俺もやりたい気持ちが強かったんですけど"あ、これは俺が頑張んなきゃいけない感じだな......!?"と(笑)。

-(笑)この作品にはこの作曲者が合いそうだ、という見極めがバンド内でもできるようになってきたんですね。

テラ:ああ、そうですね。この5人になってまだ2年ちょっとですけど、作ってくる曲の感じや、それぞれが持っているものはなんとなく全員が把握できてるところはあります。

-テラさんは"Dimension W"のどういうところに触発されて曲作りを?

テラ:俺は曲作りのイメージは絵や映像からインスパイアされることが多いんです。お話をいただいてすぐにインターネットに上がっていた"Dimension W"のプロモーション動画を繰り返し観て、頭の中で固めたイメージから曲はできて。できたんですけど......それが「Contrast」のベースにはなっているものの、アニメの制作チームさんからのリテイクの要望があったんです。それがツアー中にだんだん流れ込んで......。ツアー中に作っては送ってリテイクの要望が来ての繰り返しの中でライヴをやって。おまけに体調を崩してて、ボロボロの状態で書いてた記憶が......。頭がぼーっとしながらもひたすらメロディを考えてました(笑)。

takao:テラちゃん本当に大変そうでした(笑)。ツアーの車移動もずっとひとりでパソコンで作業してて......。

テラ:車でもライヴハウスの楽屋でもひたすらずっとPCを開いてました。その甲斐あって俺のぐちゃぐちゃーっとした感じが詰め込まれた1曲になったのではないかと(笑)。

-ははは、「Contrast」の持つエモーショナルなニュアンスはバンドのパワーはもちろん、テラさんの制作環境も影響しているのかもしれませんね。2Aにラップが入っていたり、2サビ終わりにベースとアコギが入ってギター・ソロが入るところもドラマティックだと思いました。メロディもtakaoさんのヴォーカルとよく合っている。

テラ:2Aのラップはtakao君に"ラップっぽいのを入れたいんだよね"とは伝えたんですけど......。たしかオケができてきた終盤に頼んだのかな。

takao:ぐちゃぐちゃぼろぼろすぎてあんまり記憶ないでしょ(笑)。

テラ:(笑)2サビ終わりの展開はアーティスティックに攻めました!

takao:断言するね(笑)! 最初聴いたときは複雑なメロディだなと思ったんですけど、歌ってみると意外とスッといけて歌いやすくて。そういうメロディを歌う楽しさが出てきました。

テラ:歌モノを作るうえでは歌う人の良さを引き出すことを考えるのですが、結構悩むんですよ。takao君の声を出せるわけではないし、鼻歌で歌っていいメロディだと思ってもそれがtakao君に合うかどうかはわからないし。だからすごく悩んで......。でも本当にまれなんですけど、ふとしたときにtakao君の声とともにメロディが浮かぶことがあるんですよ。でもそれに行き着くまでにはすごく時間もかかって。それはこれからの付き合いの中でもっと突き詰められたらと思いますね。