MENU

激ロック | ラウドロック ポータルサイト

INTERVIEW

SiM

2015.12.09UPDATE

2015年12月号掲載

SiM

Member:MAH(Vo) SHOW-HATE(Gt) SIN(Ba) GODRi(Dr)

Interviewer:増田 勇一

-MAHさんのMCによれば、あれはPaul McCartneyが来日公演の際にしたことのパクリだったそうですが。(※来日時、各公演で後方の客席にいたファン数名に"Paulからのプレゼント"として、スタッフが最前列のチケットを手渡したという実話がある)

MAH:はい、完全にパクリです(笑)。あの話を聞いて"カッケえ!"と思って。今回のライヴでは席によって値段も変えてたし、その競争倍率も全然違ってたし。そういったことも踏まえながら、そういうサプライズがあってもいいのかなって思って。

-ああいうサプライズならいつでも大歓迎ですよ。サプライズといえばGODRiさんがドラム・ソロ中にワイヤーで宙吊りになるという演出にも驚かされました。

GODRi:しかも(MÖTLEY CRÜEの)Tommy Leeみたいにドラムごと飛ぶんじゃなく、自分の身体だけ飛ぶという(笑)。MAH君と一緒に呑んでるときに"武道館どうする?""GODRi、ドラム・ソロするの?"みたいな話になって。お互い呑んでたんで、なんかこう悪ふざけで"俺だけ飛ぶとかどうかなあ。ははっ!"みたいな感じで喋ってたら、なんかMAH君がホンマに"それ面白いじゃん!"みたいな感じになって。で、後日、"GODRi、ホントに飛んでもらうからヨロシク!"みたいなことをMAH君が言ってきて。

MAH:水面下で準備を進めてたんですよ、本人には言わず(笑)。いいアイディアじゃん、と思って。でもホント、決まったのはギリギリだったよね? もうそろそろセットリスト決めよう、ぐらいのときに言ったね。"ここのドラム・ソロのときに飛んでもらうよ"って。

GODRi:"もう業者さん、用意してるから"って。人吊り屋さんを(笑)。マジか、と(笑)。

-もはや逃げようがなかった。というかむしろ嬉しかったわけですよね?

GODRi:もうホントに(笑)。ちょっと"どうなるんやろうな?"とは思ったけど。でもね、人生の中でそう何回も飛べるもんじゃないし(笑)。飛ばせてもらえるなら飛ぼうかな、と。

MAH:超面白かったのが、ゲネプロ(※本番さながらの通しリハーサル)をやり始めて、スタジオに業者さんとか来てくれて最終打ち合せみたいなのがあって、用意された図面書を見てみたら......そこに黄色い字で"ドラムの子が飛びたいそうです"って書いてあって。

一同:(爆笑)

MAH:あれはサイコ-だった。

SIN:うん。でもね、あれはちょっと羨ましかったですよ。

SHOW-HATE:羨ましかったし、本番のリハのときも言ってたもん。"めっちゃいいなあ"って(笑)。だけどドラマーっていうのはステージで動けない立場だし、"いつもGODRiは我慢してるんだから、今日ぐらいは飛びな!"って(笑)。

GODRi:いや、まあ、我慢してるわけじゃないけども(笑)。

-そういった仕掛けの他に、先ほどちょっと話に出たアコースティック・セットも印象的でした。あれは、武道館公演に至るまでのツアーでもやっていたんですよね?

MAH:そうですね。4本のZeppツアーでもやってたんですけど、そのときは「come together」はやらず、次のアルバムに入る新曲を1曲、アコースティック・バージョンでやって。それと「Same Sky」(2013年リリースの4thシングル『EViLS』収録)ですね。「come together」は武道館だけで。

GODRi:あそこのパートは、自分たちでもめっちゃ気持ち良かったです。

SHOW-HATE:その前にめっちゃ緊張するんだけど、やっぱり自分たち自身が音楽に入り込めてるほどお客さんに伝わるはずだから、とことん入り込もうと思って。すごく気持ち良く演奏できましたね。ホントに音が響いてるというか、みんなに聴かれてるんだってことが実感できて。それによってすごく神経が昂ぶるというか。

MAH:なんかZeppツアーのときも、アコースティック・セットはすごく手応えがあって。というのも、お客さんがちゃんと聴いてくれてるのが自分でもわかるというか。やっぱ音の数がすごく少ないから、隙間が生まれるじゃないですか。俺らの場合、なにしろバンド名が"Silence iz Mine"の略なわけで、それはすなわち"音の隙間を自分たちのものにする"っていうところに由来しているんで。それをまさに実践できてるというか。しかも必要最小限の音数でね。1番"音楽してるな"って実感できるというか、ああいうときこそ1番バンドの真価が問われると思うんですよね。

SIN:なんか他の曲のときは、ちょっと地に足がついてない感じでふわふわしてるような感覚があったんですけど、アコースティック・セットでようやく音楽に入り込めたって感じがしましたね。ようやくそこで、集中できた状態でやれました。