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INTERVIEW

ROACH

2015.08.17UPDATE

2015年08月号掲載

ROACH

Member:taama (Vo) くぼっち (Gt) 勝也 (Ba) Daisuke (Dr)

Interviewer:荒金 良介

-今作は聴きやすくなったというか、過去最高にポップな作品になりましたね。

taama:めっちゃ嬉しいです。普通に聴きやすいということですよね。俺らもそういう印象があるよね?

くぼっち:いい意味での普遍性があるかなと。

-今回は普遍性を意識したんですか?

くぼっち:意識というか、テンポやグルーヴ感は一聴して伝わりやすいものを考えた曲もありますね。このテンポ感なら、自然と身体が動くよねみたいな。

-なぜそういう曲を作ろうと?

くぼっち:一度レコーディングするタイミングが延びたんですよ。そのあとに作った曲がそういうものが多くて。なぜだろう......単純にそういう曲にもトライしたくて。ヴォーカルもそうだけど、パッと出てきたメロディを採用したり、バンドの状態も良かったのかなと。

taama:"THICK FESTIVAL"(※SECRET 7 LINE主催のライヴ・イベント)に出たときのあの景色が忘れられなくて。やはり「HIGH FIVE!!」(2012年リリースの3rdミニ・アルバム『OKINAMERICA』収録)は後ろまで届いたんですよ。あの景色をもう一度見たいなって思ったんです。それならどんなテンポ感だったら、後ろまで届くかなと考えて。大きな会場になるほど、音も逃げちゃうし、再現度はライヴハウスと比べて難しくなる。音圧が弱くなっても、後ろまで届く楽曲を作りたいと前から話してました。それも影響してるのかなと。

-より大きな会場でも通用する楽曲を作りたくなったと。

taama:今の話の流れだと、そうなりますよね(笑)。でもそういうコンセプトで作品を作ろうと思っていたわけじゃないんですけどね。

Daisuke:初めて観るお客さんは激しい曲を聴いても、あまり伝わらないことも多くて。自分があまり知らないバンドを観に行っても、ノリやすいテンポの曲の方が入りやすいから。後ろの人まで届くというのは、そういうことなのかなと。今までは目の前のお客さんがワー!と暴れる曲が多かったんで。今回みたいなノリやすいテンポ感の曲は少ないから、その方向でいい曲を作ろうと。

taama:それでできたのがTrack.1「SPEAK OUT」、Track.2「ワイヤード」、Track.5「HIDE AWAY」、Track.6「LIFE」、Track.9「DAY BY DAY」もそうだね。

-それでスピーディな曲は減り、ミドルテンポ中心の楽曲が増えたんですね。

Daisuke:1曲だけ激しい曲はありますけどね。

-後半に収録されているTrack.10「LAST ONE」ですね。だけど、以前と比べて、これほど視点が変わったのは、より多くの人に届けたいと思ったからですか?

taama:それもあるんですけど......今回俺は楽曲にあまり携わってなくて、歌詞やメロディに専念したんですよ。『リーリヤ-never again-』(2015年3月リリースのシングル)を出したときに何となくアルバムはセルフ・タイトルでいこうと思っていたけど、内容に関しては何も考えてなくて。それで曲が間に合わなくて、一度レコーディングが延びて、曲作りが滞ったんですよ。あまりにも曲作りがうまくいかないから、こういう曲はやめた方がいいんじゃないって。

-こういう曲というのは?

taama:ラウド感のあるものや激しい曲というものが、このバンドの足かせになってる気もして。とりあえず、"こういうバンドになりたい""こういう曲を作りたい"とか、そういう考えを抜きにして、自然に出てくるものに対して、みんなで肉づけする作業をやってみたんですよ。歌詞もスタジオに行く間にケータイに出てきた言葉を入れて、それをメロディに乗せるみたいな感じでやりました。どういうお客さんに届けたいというより、自分たちの中から素直に出てきたものを形にした印象の方が強いですね。今回インタビューでも"なぜセルフ・タイトルにしたんですか?"とよく聞かれるんですよ。

-まあ、聞かれるでしょうね(笑)。

taama:正直、何となく思っただけで、そんなに深い意味はなくて。セルフ・タイトルを出すのは一発目か、めちゃくちゃ大切なタイミングのときだと思ってるんですよ。自分の中では一発目だとずっと思ってて......山嵐の『山嵐』みたいに名刺代わりの作品というイメージが強くて。そういえば、最初にそれをやらなかったなと。でも『リーリヤ-never again-』を出したあと、セルフ・タイトルを出したいという気持ちになったんですよ。まあ、ひとつの分岐点なのかなと。自分がセルフ・タイトルを掲げたり、今のメンバーでこういう曲たちが生まれたことを考えると、現体制で1枚目のフル・アルバムに相応しいですね。タイトルに導かれてバンドが進んでいったような不思議な感覚で、"これが俺たちだ!"って胸を張れる作品になりました。

-セルフ・タイトルとはいえ、必要に肩の力が入っていたわけじゃないと。

taama:より外にと思ったら、より内に向かったんですかね(笑)。

くぼっち:今年の頭に次はROACHの『ROACH』でいきたいと言われて、ああ、そうかって。これはやらなきゃいけないなと思いました。