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INTERVIEW

THREE DAYS GRACE

2015.06.11UPDATE

2015年06月号掲載

THREE DAYS GRACE

Member:Neil Sanderson(Dr)

Interviewer:山本 真由

-3年ぶりのニュー・アルバム『Human』が、日本でもリリースされることとなりました。本国では3月にリリースされていますが、周囲の反応はいかがですか?

最高だよ。時間をかけて作ったアルバムだから、出すことができただけでも嬉しいのに、こんなに絶賛されるなんて、俺たちにとってすごくワクワクすることなんだ。今回は、感情的にものすごく深いところまで掘り下げた、ものすごく感情の込もったアルバムでね。自分たちの人生や個人的な経験が反映されているものになるように、念入りに作ったものなんだ。そういう音楽にみんなが耳を傾けてくれて、それぞれの人生に照らし合わせて考えてくれるようなものにすること。THREE DAYS GRACE(以下:TDG)はそういうことに情熱を傾けている。そして、いよいよ海外でもアルバムが発売されることになった。今までなかなかそういう機会がなかったんだ。日本やその他の国でも発売されるなんて本当にワクワクするし、これで地球の裏側でもプレイする機会ができるかもしれないと思うとね......。今まで十分にそういうことができていなかったから。

-この3年の間に、オリジナル・ヴォーカリストであるAdam Gontierが突然脱退するという、バンドにとっては危機的な状況にもなったと思いますが、予定されていたツアーをキャンセルすることもなく、すぐに後任ヴォーカルを選んで、バンドが立ち止まらずに活動することができたのはなぜだったのでしょうか。

理由のひとつは、俺たちがこのバンドを14のころからやっているからじゃないかな。俺たちは全員で協力して曲を作っているし、全員ギターが弾けるんだ。TDGの音楽はみんな、全員の人生が反映されている。全員がソングライターだし、何より、どの特定のメンバーよりもバンド全体の方が存在が深いんだ。今回こういう変化が起こったわけだけど、これからも前進していくっていうことには何の疑いもなかった。新しいシンガーのMatt WalstはベースのBradの弟だから、そもそもファミリーの一部だし......俺たちはいつもメンバー同士コラボしながら曲を書いているんだけど、実はMattは今までもTDGのアルバムで曲作りに参加してくれていたんだ。それに一緒に育ったし、あいつが加入するのがごく自然な流れだった。あいつが入ったところで将来どうなるかは特に見当がつかなかったけど、リハーサルを始めたり、今までよりも長い間一緒に過ごすようになったら、本当に自然な流れに感じたんだ。人生ってチャプターの積み重ねみたいなことがあるよね。変化はつきものだ。Mattと一緒にプレイするようになったらすぐ、新しいエネルギーが湧いてくるのを感じたよ。自然にね。すごくいい気分になれたし、未来にワクワクできるようになったんだ。そのあと、ツアーが始まったから(Mattと)ショーをやるようになって、ファンも俺たちと同じように新しいエネルギーにワクワクしてくれているのがわかった。それで、新しいエネルギーも新生TDGも持続できそうだなって確信できたんだ。

-それほど自然な流れだったわけですが、彼が加入する以外の選択肢というのはあったのでしょうか?

それが、まったく考えなかったんだよ。(Adamが脱退したのは)急な話だったし......クリスマスの4日前のことだった。5週間後にはSHINEDOWNとの大規模な共同ヘッドライナー・ツアーが控えていたんだ。だからちょっとショックだったね。それで、BradとMattが昼飯を食っていたところに俺がBradに電話をかけたんだ。"今何が起こったか知ってるか?"ってね。"これは深刻なことだよな。どうする?"とBradが言ってきた。人生は短いからくじけている暇はない。ゴールに向かう歩みをやめるなんてのは、俺たちにとって論外なんだ。だから"とにかくどうするか考えよう"って話になって、考えたんだ。考えすぎずにね。ソングライティングのプロセスも自然だったね。Mattとはすでに曲を書いたことがあったからしっくりきた。どのアルバムもそうだけど、あとは音楽そのものが語ってくれるはずだ。今回は新しく生まれたエネルギー、新しく生まれた攻撃性がある。それを世界中とシェアすることができるなんてハッピーだよ。

-Walst兄弟は、音楽の方向性も近く、とても仲が良さそうですね。2人とも子供のころから同じような音楽を聴いていたのでしょうか?

そうだね。BradはTHE DOORSに夢中なんだ。あと、RADIOHEADもね。Mattは......まぁメンバーそれぞれ聴く音楽が違うけど、その違いを受け容れている感じなんだ。Mattはシアトル発祥のムーヴメント、例えばPEARL JAMとか、THE SMASHING PUMPKINS、もちろんNIRVANAも好きだね。ショーの前にはみんな好きな曲をかけるんだけど、他のメンバーに無理やり聴かせるんだ(笑)。大抵はショーの前にヘヴィなやつをかけて、ショーのあとにはもう少しソフトな、チル・アウトできるような曲をかけるね。俺はいつも最後にBob Marleyをかけるんだ。ショーの前には気持ちを高揚させるようなもの、あとにはチルできるようなもの。みんな違うものが好きだけど、気持ちは同じなんだ。性格はもっと違うね。Mattはちょっと潔癖症気味でね。Bradが菌を持ってるんだろうな(爆笑)。

-メンバーになる以前からTHREE DAYS GRACEの作曲に参加していたMattですが、彼はバンドにどのような影響を与えていますか?

1番大きいのは......俺たちTDGはいつもコラボで曲を書いているんだ。自分たちの人生経験についてね。親しい人を亡くしたこととか、苦しい闘いとか......俺たちみんな中毒に苦しんだ時期があったからね。まぁ、そういう、誰でも経験するようなことだ。周りの人々の人生についても書いている。Mattはファミリー・メンバーだから俺たちと一緒に育っているし、そういう意味でも俺たちと同じクソみたいな経験(笑)をあいつも通っているんだ。だから曲の内容をよくわかっているし、作曲も一緒にしてきた。ある意味、あいつが唯一の選択肢だったようなものだよ。知らない新しいシンガーを探しに行くことは考えもしなかった。バンドをやることの醍醐味は、メンバーそれぞれが結びついていて、一緒に楽しい時間を過ごすことができて、お互い信頼し合うことができるってことだからね。プロセスを楽しめるような環境にあることが大事なんだ。成功はあとからついてくる。1番大切なのはバンドでいて、みんなで曲作りを楽しめて、ツアーで最高の時間を過ごして......そういうことだからね。そして、そこでできる絆だ。だからまったくの他人を入れるなんてことはあり得なかったんだよ。