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INTERVIEW

The BONEZ

2015.03.25UPDATE

2015年04月号掲載

The BONEZ

Member:JESSE (Vo/Gt) T$UYO$HI (Ba)

Interviewer:村岡 俊介(DJ ムラオカ)

-うんうん。

JESSE:「Hey, You」かっこいいよね! あれもっと短かったんですよ。最後のドラムだけになるところをヴォーカル録りのときにやっぱり短いなと思って、勝手につけ加えてみんなに送りました。却下されるかなって思ったんだけどみんな"いいね!"って言ってくれて(笑)。ドラムが16小節あってフェード・アウトして終わらせたんですよ、HELMETみたいに。そしたらT$UYO$HIが最後にサビをまた持って来て、ベース・ラインもちょっと変えて、そしたらすげぇ素晴らしくなって!

T$UYO$HI:それも画が見えたんですよ。最初俺はドラムだけの部分もなく、スーパー・キャッチーでコンパクトな曲にしようと思ってたんですけど、JESSEが歌入れて送ってきたファイルには終わりにドラムが入ってて、そのままそのあとに今のバージョンが頭に浮かんで、Zeppの2階からそのパートで客がステージにダイヴしてる画が見えたんですよ。それでかっこいいと思って付け足したんです。

JESSE:ライヴでファンに送る最後の曲かな。RIZEでいう「カミナリ」とか、アンコールの曲とかそういうイメージかな。なんとなく作ってるように見えても、ちゃんとピースができているし。「Ray」もなんとなくだけど1曲目かなって思ってたら実際そうなったし。

-アルバム冒頭の「Ray」の始まりがJESSEの息を吸う音と対を成すように、アルバム最後の「Hey, You」の終わりにZAXさんがスティックを置く音が入ってるのもいいですよね。

T$UYO$HI:あれJESSEにめちゃくちゃ怒られたんですよ(笑)。

JESSE:いやいや(笑)。ZAXがあの音を消したいとか言うから、"だったらお前、録るときに無音のままにしとけよ!"って。"録音されたものなら、それが全部アリだと思う勢いで録れ!"って。アイツよくふざけて"フゥー!"とかって言うんですよ、で、あとで消してて。『Astronaut』のときも"ヨー、チェキチェキ!"とか言ってあとで消してるから、"消すなら言うなよ!"って(笑)。でもそういうのがメンバーに言えるのって本当に嬉しいんですよね。俺、RIZEだったらあっ君に言えないもん(笑)。

T$UYO$HI:「Hey, You」にも最初にドラが鳴って"アチョー!"って声をつけてたんですよ。それも入れるか入れないかで迷って。俺らの世代だからだと思うんだけど、やり尽くしちゃったことに感じてたの。だけど逆に今の子はそういうことしないんだろうなって。だからそれぐらいの余裕をぶちかましてもいいかなって思ったんだけど、前の曲が結構シリアスだったんでさすがにそこに"アチョー!"はないなって止めました(笑)。

JESSE:そういう笑いや意味がないものも人間必要ですよ。すべて意味があって、すべて理由があるのもわかるんだけど、たまには何の理由もなくフラットでいたいし。そこがこのバンドにはあるからワクワクするんだと思う。

-さっきのヴォーカルのピッチ修正の話に近いですけど、最近のバンドはすべて完璧にしておかないといけないっていう強迫観念に近い感覚を持っているのかもしれないですね。

T$UYO$HI:いやぁ、きっちりしすぎ!

JESSE:今の時代、やりたいことがデジタルでできちゃうんですよ。昔だったらやりたいことでも自分ができなかったらできないんですよね。

-うんうん。話は変わりますが、Track.5の「Hello Monster」はNAKAさんが作った曲ですよね。これ思いっきりグランジですね。

T$UYO$HI:最初収録する予定ではなく、NAKAが"ちょっと曲があるんだよね"って弾き始めて、"これ、いいじゃん!"ってそのまま作ったんです。Track.4の「Escargot」はJESSEとZAXがジャムって作ってできた曲です。メンバー全員が曲を書けるってのは強みですね。

-Track.3「Memory」とTrack.4「Escargot」は対になってるように感じました。

JESSE:未だに曲順で思うのが「Memory」の後に「Escargot」と「Hello Monster」のどっちが良かっただろうなって。順番によってだいぶ変わるんだけど、どっちでも合うと思うんだよね。「Hello Monster」が不思議なのが超オールド・スクールなグランジなんだけど、サビはまったく違う突き抜けるものになってて。

-「Memory」は歌い上げるタイプのバラード寄りの曲ですね。

T$UYO$HI:バラードってわけではないんですけど、エモ度全開の曲を作りたくて。それと同時に「Sun forever」を極力封印したくて。ライヴのセットリストに歌モノを入れたいときに「Sun foerver」を毎回入れるんじゃなくて、それに代わる歌モノが欲しいと思って作ったんです。

-恵比寿LIQUIDROOMのツアー・ファイナル含む10本のワンマン・ツアーが決まっています。

T$UYO$HI:俺にとって1番大きいのがワンマン・ツアーだということですね。The BONEZの楽曲は結構振れ幅があるから、The BONEZを観に来た人にフル尺で見せられるのでそれは楽しみですね。自分たちのやりたいことを出し尽くせる。イベントだと"あと2、3曲やらせて欲しいなぁ......"って思ったりするので。もちろん対バンも今後やっていきたいけど、今回はThe BONEZを観たい人にたっぷり観せたいんです。あとZAXもそうだけど、ZeppでPay money To my Painのライヴをやったのがでかいですね。あのときは『gene』をリリースするので忙しいってのもあったし、Pay money To my Painが宙ぶらりんのままThe BONEZをやってて"お前どっちなの?"みたいなことも言われたし。ファンもそうで、The BONEZのライヴに来てるけど、Pay money To my Painのことも心のどこかにあって。そういう溜まってたものはZeppのライヴでぶちまけたかなぁ。あれはやっぱりやらなければいけないライヴだったし。で、俺の中でもうひとつでかいことがあって、去年の年末ぐらいにLAに行ったんですよ。新婚旅行も行ってなかったから嫁とふたりで行ってきたんですけど、Kが住んでたところを嫁にもずっと見せたかったのもあって。10年前ぐらいにKと一緒にふたりでLAに行ったことは、初めてバンドというものに出会ったときと同じぐらい衝撃的な旅だったんで。そこにもう1回Kと行った様な感覚になって、それがすごくでかかったかな。Kのお母さんから連絡あって、Kが亡くなったって聞いたときにショックだったけど正直涙は出なかったし、けどそのLAの旅行の最終日にCOLDPLAYを聴きながら初めて涙がすごい出た。浄化みたいなのがあったな。Kに対しても"俺は次に行くよ"っていう感じになれた。そういう意味で『Beginning』ですね。

-前作でなく、今作のタイトルが『Beginning』になった意味がよく解りました。

JESSE:『Astronaut』のツアーには、RIZEのファン、Pay money To my Painのファンはあまり来れてはないと思うんですよ。"だったらPay money To my Pain観てぇよ!"、"だったらRIZE観てぇよ!"ってヤツがいてもそれはそれで正解だったと思うし。けど最初はそういう気持ちでいても今はThe BONEZを観に来てくれてる人もたくさんいて。そのスピードは俺らでは上げられないですし。でも"次はどうなるんだろう?"って思わせるスピードは上げていけると思う。