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INTERVIEW

SLIPKNOT (Jim Root)

2014.10.10UPDATE

2014年10月号掲載

SLIPKNOT (Jim Root)

Member:Jim Root (Gt)

Interviewer:村岡 俊介(DJ ムラオカ)

-6年ぶりの新作『.5: The Gray Chapter』完成おめでとうございます。全曲聴かせていただきましたが、まさにSLIPKNOT以外の何者でもない素晴らしい作品に仕上がっていると感じました。自分たちでは今作を完成させたことに対する達成感はいかがなものですか?

もう新しい作品に取りかかりたい気分だよ(笑)。いや、早くツアーに出たいって言った方が正しいかな。何か忙しくしてたいんだ。アルバムが完成し、ミックスも終わって、自分たちの手から離れて、世の中が"判断"してくれるために出ている今、リハーサルが始まるまではわりと時間が空いているんだ。

-6年ぶりとなると、前作からだいぶ時が経っていますが、制作において前作までと大きく変化した点や新たに試みた点がありましたら教えてください。

今俺たちは新たな進化をしていて、成長痛みたいなものを感じている。状況が変わったから、もちろんプロセスも変わったわけで、このアルバムは多少なりとも学習曲線になったと思う。支離滅裂ではなく、もっと団結し、もっとバンド重視するように心がけたと思う。まあ、アルバムをやる度に違うから、答えるのが難しい質問だね。

-プロデューサーやエンジニアはセルフでしょうか? 或いはどなたかとタッグを組んだのでしょうか?またレコーディング環境など今作を制作するうえでのバックグラウンドも教えてください。

今回は『VOL.3:(The Subliminal Verses)』でエンジニアをしてくれたGreg Fidelmanと共にプロデュース・エンジニアリングとエンジニアリングをしたんだ。もちろん俺もすごくインプットをして、スタジオで意見をぶつけ合ったりしていたので、一緒にスタジオで何時間も過ごした。クリエイティブ・プロセスの在りかたって、プロデューサーが来て、すべてに自分のラベルをつけて、自分が好きな音に仕上げていくのが普通だけど、Gregに関しては、すごく理解があって、俺たちのこともよくわかっていた。彼と一緒に仕事がしたいと思ったのもその部分があったからなんだ。音に関して、俺はプロデューサーやそれ以上の意見があるから、誰かに任せることは非常に難しいんだ(笑)。俺たちが作った音楽の音を誰かの感覚で作られるのは抵抗があるけど、Gregはそういうところもすべて理解してくれていて、同じ意見だからやりやすかったよ。

-これはアイオワ州でレコーディングしたんですか?

いや、デモはフロリダにある自宅のガレージでやったんだけど、そのあとLAに行って、すべてそこでレコーディングした。3つのスタジオを使い分けてレコーディングしたんだ。最初の予定では大きな家を借りて、そこに住んで作業をするつもりだったけど、俺たち全員とクルーと機材と、すべてをひとつの屋根の下に納めるのって難しいよ。もちろんそれをいいレコーディング環境にするのもね。マリブとか探したけどやっぱりなくて、Sound Factoryでプリプロダクションはやって、ドラムとリズムのメイントラッキングはSunset Soundでレコーディングした。それからまた数曲作ったから、最後はWestlakeというスタジオで完成させた。

-『.5: The Gray Chapter』というアルバム・タイトルについて詳しく教えてください。

この先何をやろうとしても、Paul Gray は俺たちの一部だったし、ずっと一緒にやっていくつもりだったから、このタイトルは今の自分たちに敬意を表し、立ち直りの時期を受け入れるという意味があってつけたんだ。何をやっても学ぶ時期なんだ。最初はPaulがいないツアーに慣れないといけなかったし、次のステップは彼がいなくてもアルバムを作ることだった。

-Track.1「XIX」ですが、Paul Gray(#2)に捧げた曲とのことですが、曲調といい、Coreyのヴォーカルといい、とてもやるせない気持ちにさせる悲哀に満ちた曲ですね。このインスト曲を頭にもってきた理由を教えてください。

Clownがかなり前に作った曲だったんだ。Paulの葬儀で俺たちはみんな棺を担いだんだけど、そのときに頭に浮かんだ曲だった。スタジオでそれを聴かせてくれてからCoreyが歌詞を書いた。

-今作は次の展開で予想できない目まぐるしく変化していく楽曲が多いように感じましたが、作り手側としてはそういう点は認識していましたか?

俺が曲を作るときって、結果はまったくわからないで作っているんだ。ギター・リフを考えて、それがどう展開していくか自然に任せている。あまり計画は立てないで、流れがあるようにしている。プログレ・ミュージックは大好きだけど、ただそれだけにしたくないんだ。曲に様々な展開が必要だなって思うと、それを入れるだけで本当にあまり深く考えたりしないんだ。でもソングライティングにはちゃんと取り組むという姿勢は大事だし、SLIPKNOTのアプローチも取り入れないといけないと思っている。あまり"一般的"だと思われてしまうようなことは避けているよ。わかるかな。