－ちなみにタイトルの『INPUT ∝ OUTPUT』の間の"∝"は何のマークですか？ またタイトルにはどういった意味が込められてるのでしょうか？

w-shun：これは数式の"比例"のマークです。自分が吸収したものを、アウトプットにして作品にしているという意味なんです。去年もたくさんライヴしてお客さんからインプットさせてもらったところもあったし、日常生活からインプットしたこともたくさんあって、それを僕の中でアウトプットできたのが楽曲制作であって、そういう思いを1曲1曲並べたんですけど、音楽ってやっぱり他の方からすれば日常生活の中で聴く、エンターテイメントなわけじゃないですか。こういう音楽とかメッセージが聴いてくれた人のインプットになって、仕事だったり何かのアウトプットに繋げられる、起爆剤というか後押しできる作品になればいいなというのが理想なんです。インプットがあるからこそアウトプットがあるわけで、インプットだけでもアウトプットだけでもダメだし凄く比例してるなと思ったんです。

－今までの作品のタイトルもすべてw-shunさんによるアイデアですか？

w-shun：そうですね。僕が考えてます。数式が好きなんです。記号を入れたがるタイプで（笑）。

－この記号、Wordで打っても出てこないので苦労しました（笑）。

w-shun：僕も最初探したんです。"このマークいいな"と思って、1回消した後に"あれ？あのマーク何て言うんだっけ？"ってなって。とりあえずいっぱい探して、意味を調べたら"比例"って意味でした。

－なるほど。フル・アルバムで全11曲収録ということもあって、バラエティに富んだ作品になっていますが、最初からこういう作品を作ろうとしていたんですか？

ナオミチ：そういうわけではないですね。

亜太：これ良くない？ みたいな感じで自然に、ですね。

ナオミチ：最終的にどれを入れるか選んでってっていう形です。このアルバムに収録されなかった曲もありました。

－取捨選択するぐらいの曲数はあったということなんですね。

w-shun：そうですね、めずらしく。

亜太：あ、じゃあ空っぽじゃないじゃん！ 2曲だけある（笑）。

－それでは楽曲に関してお聞きしていきます。Track.1の「Prologue ～Battle against the Apes～」ですが、壮大な映画のようなオープニング・トラックですが、どういうアイデアから生まれた曲ですか？

w-shun：ライヴのSEを自分たちオリジナルのもので始めたくて、前回のミニ・アルバムから、全部先に楽曲ができてから、その雰囲気に合うようにSEを作るようにしてるんです。今回はあまり壮大な感じは意識してなかったんですけど、とにかくワルそうなギターが鳴っててほしくて、そうなったら超メタルっぽくなりました（笑）。

－映画のサントラなどのイメージよりは、80年代とかのオーセンティックなメタル作品のプロローグのイメージですか？

dEnkA：ギターの雰囲気は割りとそういう感じなんですけど。

w-shun：でも最初のイメージは映画の方が近いかもですね。映画のヒーローものとかSFものとか、そういうかっこいいSEになればいいなと思ってました。

dEnkA：毎回SEはちょっとワルそうなギターの音を入れるんですけど、今回1番ワルそうな重い音に仕上がりました。

w-shun：割とTrack.2の「I still」がハードな曲なので、それに繋がるような感じが出せたらなと思ってました。想像以上に荒ぶってるSEになったのですが、それはそれでよかったかなと思います。

－もちろん今後のライヴはこのSEで始まるわけですね。

亜太：そうですね、ツアーはこれでいきたいなと。

－ワクワク感を煽りますね。

w-shun：SEから盛り上がってるバンドって超かっこいいなと思って。SEからお客さんが"オイ！オイ！"言ってグチャグチャになって、"いや、まだ出てきてないやん！"って（笑）。自分が観たライヴでもそういった鳥肌が立った経験があって、あれは忘れられなくて憧れもすごい感じましたね。

－先ほども話に出たリード・トラックの「I still」ですが、強力なフックとグルーヴを感じさせるダイナミックなロック・サウンドですね。スタジアムや大きな会場で映える曲だと思いました。

w-shun：他のバンドじゃできないというか、やらなさそうなことをやりたかったんです。制作当時、Aメロでギターがクリーンでチャキチャキ鳴らして刻んでるっていう、どちらかといえばTHEE MICHELLE GUN ELEPHANTとかBLANKEY JET CITYとかああいう系統のギターの音に魅力を感じてたので、それをあえてラウドなものに対して同時進行で鳴らすことができないかなと思ってて。そういうチャレンジをしました。

dEnkA：異なるロック感というか、僕らが前のアルバムでやってたロックとはまた違う観点でやってみました。

－THEE MICHELLE GUN ELEPHANTの名前があなた方から出てくるのは予想外です。

w-shun：かっこいいじゃないですか、表現は違えども。少なからずああいう表現に刺激を受けてるので、そこを融合させるのって面白いんじゃないかと思って。