INTERVIEW
BLUE ENCOUNT
2014.01.29UPDATE
Member：田邊 駿一 (Vo/Gt) 江口 雄也 (Gt) 辻村 勇太 (Ba) 高村 佳秀 (Dr)
Interviewer：沖 さやこ
－ライヴで進化する曲は多そうですね。BLUE ENCOUNTは感情で音を鳴らすバンドだと思うので。
田邊：それでしかないです。テクニックがないのは自負しているので......だからこそテクニカルな「アンバランス」は挑戦だったんですよね。"こんなこともできるんだぜ"的なところも見せたかった。そういうのも遊び心のひとつというか。遊び心で真面目にやってみました、という曲が気付けば推し曲になってました。やらないで後悔したくないからいろんなことをやってみて。そこからうちらの楽曲の幅は出てくると思うんです。幸いにもそれを"いいよいいよ！"と言ってくれる人がいて、いまのうちにそれをやらせてもらえてるのは有り難いですよね。少しずつ名前が出始めたこのタイミングで振り幅しかないこのアルバムを出させてもらえたのは、うちらにとって本当に感謝しかなくて。......絞れなくてすいません！
－（笑）
田邊：最近毎日聴いているんですけど、こういう作品を出せたのは改めて嬉しいです。でもそういうことをさせてもらえたのは"お前頑張れよ"と言われてるってことだとも思うし。応援してもらえばしてもらうほど返していかなければいけない。それをいかにできるのかがバンドとして成功するかしないかのところだと思うんですよ。まだ僕らはそこまでにはなっていない。ちゃんといろんな人に"心からBLUE ENCOUNTと出会って良かった"と言ってもらえるように成長したいですね。だから結果的に、うちらは不安の渦の真ん中にいて良かったんだなと思います。普通なら通り過ぎてしまうことも、不安のお陰でたくさん有り難いと思えるのは、なかなか幸せなことで。
辻村：そうだね、そこは今後も変わりたくないところでもあるよね。
田邊：その嬉しさのままライヴできたらと思うんですよね。お客さんをもそういうところに一緒に連れていきたい。昔はなんか言ってるだけだったんですけど、いまはBLUE ENCOUNTはそういうバンドだといまは自信をもって言えます。だから今年はこのアルバムでいいスタート・ダッシュを切らせてもらえるなと思ってるので......このアルバムがちょっとでもいいと思ったら大事にしてほしいですね。
江口：これを聴いて"嫌い"と言われたら仕方ない。それくらい自分ら的には納得した1枚になりました。
－そうですね。これがBLUE ENCOUNTだ、という1枚になっていると思います。新曲で歌っている内容も、弱者による強さや強くなりたいという想い――1stミニ・アルバム『the beginning of the beginning』の頃から変わっていないとも思って。
田邊：再録した曲は"当時言いたかったこと"なんですけど、それは"いま言いたいこと"なんです。昔はライヴでMCの後にハマればいいと思っていたことだったんですけど、いまはMCで言っている、まさに僕が言いたいことをそのまんま曲にできた。だからそういう意味でも、僕の発信者としての集大成でもありますね。だからいままで来てくれてたお客さんが"なるほど"と思ってくれる歌詞になっていると思うし、そういう意味でもライヴを投影してくれる曲になっていると思います。新しいことを言うのは、このアルバムを携えて6月7月で回るツアーでできればいいなと思っています。
－その"言いたいこと"はライヴで見えてくる？
田邊：ライヴだけでなく、日々の生活ですね。生活のなかに常に潜んでいるメッセージがあって、だからみんないろんなことにすがっているのかなとも思います。不安のかたちはみんなそれぞれですし、僕が次の不安に対してどう言えるかも大事だと思うんですよ。だからツアー・ファイナルの渋谷CLUB QUATTROまでの半年間、しっかり傷ついていきたい......それはすごくあります。ここで天狗になってたら普通のことしか言えないんじゃないかなぁと思うんですよね。だから今回の歌詞はいつも通り。それをしっかり表現できたと思います。
高村：（田邊は）自分の思っていることを代弁してくれてるなと思います。
田邊：この4人は聴いている音楽のジャンルも全然違うんですけど、奇跡的にライヴに対して同じことを思っているんですよね。
辻村：だからMCもこいつ（田邊）ひとりの言葉だけでなく、4人の言葉だと思っているんで。歌詞もMCも俺らの気持ちを代弁してくれているという気持ちですね。
－本当に真面目ですよね。
田邊：熱血......なんでしょうねぇ。高校教師だったら嫌われてるんじゃないかというくらいの熱血漢。うちらのライヴを"暑苦しい"と思ってくれてもいいんです。暑苦しいし、全開ですし（笑）。次に聴いてくれるタイミングが何年後であろうと、そのときに一緒に歌えたらいいなと思うんですよね。現にこの1年でもそれがあったんです。"ブルエン最初は嫌いだったけど、最近聴いてみたらハマった"とか。それでライヴに来てくれた人もいたり、ライヴを見てハマってくれた人もいたり。だからようやく自信を持って"嫌いなら嫌いでいいです"と言えるようになりました。
江口：そこがいちばん近年で変わったことですね。
