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INTERVIEW

NoGoD

2013.08.29UPDATE

2013年09月号掲載

NoGoD

Member:団長 (Vo) Kyrie (Gt)

Interviewer:荒金 良介

-『V』は純粋に縛りがなくやりたいことをやった。今回はあえて縛りを設けて曲を作った。ほんとに真逆のアプローチですね。

団長:我々、同じことをやると飽きちゃうんです。昔からコンセプトを決めてやることもあったけど、その時々でやれていたつもりでも、まだ足りない部分がある気もして。今回の作品も10年後の自分たちが見たら、いやいや、メタルって!みたいな感じになるかもしれない。だけど、今年はバンドのポテンシャルがものすごく高いので......昔できなかったことが今はできるんじゃないかなって。Kyrieさんも若い頃に「THE POWER」みたいな曲をやるバンドをやっていたし、俺もやっていたんですよ。でもやらなくなったんです。バンドも固まりつつある今、あの頃にできなかった音楽を今追求したらどうなるんだろう、という単純な好奇心が生まれたんですよね。

-「神髄-FRONTIER-」はクラシカルな様式美メタル、もう一方の「神髄-THE POWER-」は80年代のハード・ロックまで遡った作風で、色合いも分けてますよね。ただ、この2作品に共通するのはベタでわかりやすいメタルですが、そこもあえてトライした感覚ですか?

Kyrie:うん、トライというより、そうなるべき音楽として作りました。細かく変えたら、同じ曲でも全然違うジャンルになると思うんですよ。そうじゃなくて、こういう風にしたかった。

-こういう風にしたかった?

Kyrie:例えば「THE POWER」に関して言えば、もう少しモダンなサウンドや質感にしても、曲としては成り立つんですよ。それよりも、今回の形にした方がより魅力的に映る曲にしたくて。

-この2枚のシングルは"神髄"と銘打たれてますけど、まさに物事の本質にあるものを表現しようと。自分が多感な時期に聴いた音楽って、時を経てもワクワクする感覚ってあるじゃないですか。それを取り戻したかった?

団長:そこまで歳を取ってるわけじゃないけど、自分たちよりずっと若い、楽器を始めるか始めないかのキッズたちがこんな素敵な音楽聴いたことがないって、あの時に僕たちが感じたものを感じてほしくて。ハード・ロック、ヘヴィ・メタルはひょっとしたら、そんなにスタイリッシュじゃないかもしれない。でも激ロックに出てるアーティストで同じバックボーンを持っている方々は意外と多いと思うんですよ。それをうまく消化して、時代に合った音楽をやってると思うけど、我々はもっと古い音楽を愛してしまっているから。もっと純然とした古臭さを持ち続けていたいんですよね。我々もモダンな音楽はできるけど、あまりにもモダンが溢れすぎてて、もうお腹いっぱいなんです。じゃあ、なぜ80年代にジャパニーズ・メタルがあれだけ流行ったかと言うと、日本人にしかできないハード・ロック、ヘヴィ・メタルをやっていたからだと思うんですよ。俺はそれがしたいんですよね。それを濃く、より偏った方向で出したのがこの2作なんですよ。聴く耳を持たない人もいるかもしれないけど......ヘヴィ・ロックにメッセージ性を求めている人もいるだろうし。モダン・ロックに飽き飽きした人に、もともとこういう音楽があったことを忘れないでほしい。過去を遡ってくれてもいいし、過去を遡らなくても、俺たちがやることで知ってもらえたらいいなと。自分も90年代ラウドも大好きだけど、80年代を忘れずに、00年代を生きてるバンドがいてもいいのかなと。

-なるほど。『V』は型にハマらずにやることでNoGoDらしさが出てた。今回は型にハメて表現したにも関わらず、バンドの色や魅力がまた前に出てるところが素晴らしいなと。

団長:それがやっとできるようになったのが今なのかなと。まあ、2作ともいい意味でダサいですね。我々はダサい=かっこ悪いとは思ってないですからね。

-「THE POWER」の"we got the power!"のコーラスとか最高じゃないですか!RAMONESの"Hey Ho,Let's Go"(「Blitzkrieg Bop」)並みの破壊力ですよ。誰もがすぐ口ずさめて、半端ないパンチがあるという。

団長:はははは。俺らはHELLOWEENでそれを知ったんですよ。ただ、「THE POWER」は自分の中でHELLOWEENのフレーズよりも、SHOW-YAさんの「限界LOVERS」の中にある"Back to the fire"の歌詞なんですよ。

-ははははは、そこですか!

団長:"Back to the fire"-後ろに火があるぜ!って何って。でもあの方が歌うとかっこいい。あの有無を言わせない凄まじいパンチ力ですよ。

-どんどん出てきますね(笑)。

団長:今の人たちはスタイリッシュにスタイリッシュにまとめようとして、悪くはないけど、引っかかりがない。「Welcome To The Jungle」(GUNS N' ROSES)って、引っかかりますもん。ハード・ロックの良さって、ああいうインパクト、パンチ力だと思うんですよね。ププッてなることを真剣にやると、かっこ良くなるんですよ。それをやってみたかったんですよ。