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激ロック | ラウドロック ポータルサイト

INTERVIEW

ONE OK ROCK

2012.08.09UPDATE

2012年08月号掲載

ONE OK ROCK

Member:Taka (Vo) Toru (Gt)

Interviewer:荒金 良介

-海外で、いきなりのワンマンって凄いですね。

Taka:とんでもなく人がいたのでビックリしました。最初は静かな会場で演奏するイメージを持っていたんですけど。バラードの「Wherever you are」という曲が海外でもいろんな人が聴いてると耳にしていたんで、プレイしたんですけど、お客さんが歌うから曲が聴こえないんですよ(笑)。

-へぇー、そうなんですか。

Taka:鳥肌が立ちましたよ。リード曲じゃない楽曲を、最初から最後まで大合唱してくれたから。どういう感覚で僕らの音楽を聴いてくれてるんだろうって。日本だけで音楽をやることって無意味だと感じたし、もっとみんな行くべきだと思いますね。自分たちだけが受け入れられてる、というわけじゃないと思うし。ハードな音楽を求めている人がたくさんいるんだなって痛感しました。

-では、今作の話に入りたいんですけど、これがまた素晴らしい作品に仕上がってて。完全にネクスト・ステージに足を踏み入れた、新しいONE OK ROCKの姿が刻まれた音源になりましたね。いつ頃から制作を始めたんですか?

Taka:「The Beginning」は、前作『残響リファレンス』を作っているときからデモがあったんですよ。で、どのタイミングで出すかを考えてました。今回は映画“るろうに剣心”(主題歌)のタイアップをいただくことができて、映画を観たときにこの曲がしっくり来るんじゃないかと思って。ほかにも2曲ぐらいデモを作ったんですけど、いちばん合うやつを選びました。自分たち的にもいままでとは違う新しい挑戦をしているし、次なるステップに行くための曲に仕上がったなと思って。

-「The Beginning」の元ネタはあって、映画にインスパイアされて完成形に至ったと?

Taka:歌詞は全くできていなかったので、映画にインスパイアされていると思います。曲自体はピアノで作ってて、それをバンド・アレンジにしたのですが、なかなかしっくり来なくて。それからどんどん詰めていった感じですね。

-曲の作り方もこれまでと違いました?

Taka:僕がピアノで作って、バンドに戻す曲って、バラード以外にないんですよ。そういう意味でも新鮮だし、この曲は僕の中でいちばんパーフェクトですね。

-パーフェクト?

Taka:はい。テンポ感だったり、自分の好きなツボを全部押さえてる曲なんですよ。なかなかできない曲だなと思いながら、作りました。このタイミングで出せたことはすごく良かったです。

-確かに曲のテンポ感はいままでにないタイプですよね。ラウドロックと呼ぶには静かすぎるし、バラードと言うには激しすぎる。その中間に位置するような絶妙なさじ加減で。

Taka:哀愁感もあるし、でも実はすごく簡単な曲なんですよ。4つのコードでずっと展開されてて、ほんとシンプルです。ただその分、難しいですけどね。あと、海外のミックス・エンジニア3人にやってもらって、その中からいいものを選びました。最後の最後まで詰めることができたから、満足してます。

-細部までこだわり抜いたと。

Taka:次のステージに向かうためには、一体どういう音楽をやればいいのか考えました。僕の中でONE OK ROCKのイメージって、『Nicheシンドローム』と『残響リファレンス』の2作だと思っているんですよ。その2枚をいかに取り込んで、新しいONE OK ROCKを提示できるかなと。

Toru:俺たちの世界を広げられた曲だと思います。すごくシンプルだけど、より伝わりやすくなってるし。裸のまま、バーッと投げ出すようなストレートな曲ができました。だけど、作り込んだ曲よりも難しい面もあって。それがこのタイミングが出せたのは大きな転換点かなと。いろんな要素を入れてるけど、ここであえてシンプルに勝負できたのは良かったです。

-どちらかに振り切れるのではなく、激しさと静けさの両方をうまく巻き込んだ曲調で。ダイブやモッシュで暴れさせるというよりは、聴き手の内面の奥深いところを揺さぶってくるアプローチですね。

Taka:イメージ的には一人ひとりが静かに盛り上がりつつ、入り込めるような曲だと思うんですよ。ただライヴで聴くと、また全然違うと思うんですけど。まあ、今回の作品ができて、また自分たちの課題ができました。いままでは激しい曲をやるか、静かな曲をやるか、両極端でしたけど、それらを繋げられた曲ができたと思います。

-やはり、『残響リファレンス』で大きなピリオドを打てた感覚があるんですかね。第1章終わりみたいな。

Taka:相当ありますね。これで次の感覚に移れるなって。これからも精力的に、当たり前のように日本以外での活動もやっていきたいと思うし。その中でどんどん成長していきたという気持ちの表れじゃないかな。自分たちがかっこいいと思う音楽を作り上げたいですね。