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INTERVIEW

DRAGONFORCE

2012.04.07UPDATE

2012年04月号掲載

DRAGONFORCE

メンバー:Marc Hudson (Vo) Herman Li (Gt)

インタビュアー:米沢 彰

-ニュー・アルバム『The Power Within』の完成おめでとうございます。全世界が待ち望んだ5枚目のリリースとなりますが、リリースを前にしてのお気持ちを教えて下さい。

Herman Li(以下H):かなり制作に時間が掛かったアルバムで、2年も前から作業をしているから、それをやっとリリース出来るというのはとても嬉しいよ。アルバムの出来にも満足しているので早くみんなに聴いてもらいたいね。

-前任ヴォーカリストのZP Theartが脱退し、ヴォーカル不在の中で制作を開始したと聞いています。今回のアルバム制作は相当大変だったのではないでしょうか?

H:やっぱりどんなバンドにとってもメンバー・チェンジというのは、バンドにとって劇的な変化だし、ましてやヴォーカルが居なくなるというのは大きな変化ではあったんだけど、曲作りに関してはいつも通りSam(Gt)が作っているから問題は無かったよ。ただ、曲を書いたはいいけど誰が歌うんだ、ヴォーカルが見つからなかったらどうしようという不安はあったよ(笑)。

-『The Power Within』というアルバム・タイトルにはどういった意味が込められているのでしょうか?

H:アルバム・タイトルに関してはとにかく全員がアイディアを出すということで、みんな色々考えてきてたから、リストそのものは色々あったんだけどやっぱり今ひとつ決めかねていたんだ。それがもうアルバムがほぼ完成した頃で大体曲がどんなものか分かる状態で、だから音楽を聴いてそこからインスピレーションを得ようということで色々考えたんだ。そんな時に今の世界情勢だとか、経済に対する不安とか色々あったし、それからアルバムの曲の中で歌われている題材のことを考えても、この『The Power Within』が一番合っているんじゃないかと思って決めたんだ。『The Power Within』は元々のリストの中にあったんだよ。

-本作を聴かせて頂きましたが、DRAGONFORCE史上、最高にメロディアスな作品となったのではないでしょうか?メロディについては相当意識されたのですか?

H:新ヴォーカリストのMarcの加入はとても大きいよ。Marcの加入によって全体のアプローチそのものもすごく変わったよ。まずMarcの声域はとても広くて、低音にも魅力があるしそういう部分を生かそうという意識はしたよ。Track.6の「Seasons」はエレアコな感じで一方Track.4の「Give Me The Night」はアグレッシヴな感じだしね。Track.1の「Holding On」はいかにもDRAGONFORCEという感じでの曲だし、Track.3の「Cry Thunder」は新しい感覚だし、とにかく色々な要素が詰まっていて音楽全体にも緩急が付けられていると思うんだ。それはMarcのヴォーカルがダイナミクスがあって緩急が付けられるからこそ、音楽全体もそれに伴って緩急が付いたと思うんだ。

Marc Hudson(以下M):ひとつひとつの曲を吟味して、歌詞の意味というものもすごく考えてそれを表現するような歌い方をしたよ。すごく感情を込めて歌ったから、それがよりメロディックになったということなのかな。単に音を辿るんではなくて、言葉のフレージングをすごく意識したんだ。その辺りがメロディックになったという要因なんじゃないかと思うよ。

-メロディアスになった一方で、以前と比べるとややソロ・パートが短くなって、その分展開が凝縮されたように感じます。楽曲の構成についてはどういった方向性を持って制作されたのでしょうか?

H:以前は確かに長いギター・ソロがあって、ただそのギター・ソロを入れたいから入れていたという部分もあったんだけど、今度は全体のバランスをとても大切にしているんだ。展開が色々変わるというのは、音楽の情景がコロコロと目まぐるしく変化していく感じなんだ。だから1つ1つのパートが短いんだけど、短いからこそキッチリと良いものじゃなければいけないんだ。ギター・ソロも例えばギターとキーボードでハモリを付けてバッチリ決めて、ちょこっとやってまた次のパートという感じだね。例えばTrack.7の「Heart Of The Storm」は割とこのアルバムの中では長い方なんだけど、ダラダラしないで、もうある程度で区切りをつけてヴォーカルに戻して曲全体のバランスを取っているんだ。あとは曲の作り方自体も今回は違って、以前はそれぞれがスタジオで1人1人作業をするというスタイルだったんだけど、今回はみんなでジャムって曲を作ったんだ。こういう曲の作り方は10年振りだったんだよ。そういうところも含めて、曲の出来方も変わったんじゃないかな。

-制作のプロセスを変えたことにはどのような意図があったんでしょうか?

H:バンドの進化の表れだと思うんだけど、さっきも言ったけどヴォーカルを探さなきゃいけなかったから割とアルバムを作る上では時間があったんだ。せっかく時間に余裕があるんだし、今までの10年間を見直して良かったこと、悪かったことを色々考えていかにこのバンドを良く出来るかをじっくり考えたんだ。そのためにアルバムを聴き返してみたりとか、ライヴ・ビデオを見返してどうすればいいかなって考えた時に、俺たちに今欠けているものはオーガニックなフィーリングかなって思ったんだ。前2作は全てを完璧にやろうとして機械の様に完璧を目指してたんだ。だからそういう意味でオーガニックな部分が欠けていたと思う。だったら一緒にジャムをしながら楽しくやって、そういうところから生き生きとしたエナジーが生まれるんじゃないかって思ったんだ。あとはやっぱりMarkが新しいメンバーだということで、まずはMarkをシンガー、アーティストとして理解するためには一緒にプレイしてみないと分からなかったからね。そこで1ヶ月間かなりしっかりと新曲も昔の曲もリハーサルをしたんだ。いきなりMarkに1人でレコーディングやれよって突き放す訳にもいかなかったし、そういうことも考慮した上で全員で作るという形が出来たんだ。それから今回は、1人1人の得意分野を最大限に発揮出来るように、曲作りが得意なヤツはとにかく曲を書いて、音楽理論に長けているヤツはアレンジを、プロダクションが得意なヤツはそっちの作業をというように、苦手な部分を無理強いするのではなく、とにかく自分の得意なところだけを伸ばしてやろうというスタンスを取ったんだ。